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ユークリッド距離

複素自己回帰係数あるいは複素PARCOR係数による輪郭形状の認識実験の結果から、 それらには輪郭形状を区別するのに十分な情報が 含まれていることがわかる。従って、最も簡単な輪郭形状間の相似変換に 不変な距離として、これらの係数間のユークリッド距離

\begin{displaymath}
Da(1,2) \equiv \sqrt{\sum_{k=1}^{m}(a_{k}^{(1)}-a_{k}^{(2)})^2}
\end{displaymath} (325)

あるいは
\begin{displaymath}
Dp(1,2) \equiv \sqrt{\sum_{k=1}^{m}(p_{k}^{(1)}-p_{k}^{(2)})^2}
\end{displaymath} (326)

を用いることが考えられる。

このとき、複素PARCOR係数は、モデルの次数$m$が増加しても、 最高次の複素PARCOR係数が追加されるだけで、 それより下の次数の複素PARCOR係数は変化しないから、 $Dp(1,2)$は、複素自己回帰モデルの次数の増加にともなって単調増加する。 一方、複素自己回帰係数にはそうした性質は無いので、$Da(1,2)$は、モデルの 次数の増加にともなって単調増加するとは限らない。



Takio Kurita 平成14年7月3日