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複素パワーメルケプストラム距離

人間の視覚の場合にも、聴覚と同様に、周波数軸をメル尺度に変換した座標軸上で、 距離を定義すると良いかも知れない。ここでは、音声認識と同様に周波数軸をメル尺 度に変換した後の、複素パワーメルケプストラム距離 $Dm(1,2)$ を定義する。

この距離は、LPCパワーメルケプストラム係数を複素自己回帰モデルに拡張した複素パ ワーメルケプストラム係数を用いて簡便に求められる。LPCパワーケプストラム係数か ら、LPCパワーメルケプストラム係数への変換は文献 [69] に示されている。 それを複素自己回帰モデルに適用すると、複素パワーメルケプストラム係数 \(
\{h_{j}(0)\}_{j=0}^{N-1} \) は複素パワーケプストラム係数 \(
\{g_{j}\}_{j=0}^{N-1} \)から、

\begin{displaymath}
h_{j}(k) = \left\{
\begin{array}{ll}
g_{-k}+\alpha h_{0}...
...lpha (h_{j}(k-1)-h_{j-1}(k)) & j > 1 \\
\end{array} \right.
\end{displaymath} (346)

によって求められる。このとき、距離 \( Dm(1,2) \)
\begin{displaymath}
Dm(1,2) \equiv \sum_{j=0}^{N-1} \vert h^{(1)}_j(0) - h^{(2)}_j(0) \vert^{2}
\end{displaymath} (347)

で与えられる。 以下の実験では、初期値ならびに定数の値を

\begin{displaymath}
h_{j}(-N) = 0 : j=0, 1, ..., N-1
\end{displaymath}


\begin{displaymath}
\alpha = 0.5
\end{displaymath}

とした。



Takio Kurita 平成14年7月3日