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次に、交差係数行列 の固有値問題によって集合 の各要素に
与えられる表現ベクトル間の距離について考える。要素 と
に与えられる表現ベクトル
と
の固有値で重み
付けた距離は、
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(104) |
と書ける。今、 の空間の次元をフルランク(
)まで取り、
の正規化条件を
とすると、固有値
問題
から、関係
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(105) |
が成り立つことが示せる[46]。ここで、 は 番目の固
有値であり、 は、 番目の固有ベクトルの 番目の要素をあらわす。
固有値問題 (2.61) の最大固有値は であり、対応する固有ベクトルは
であるから、式 (2.105) は、
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(106) |
となる。従って、
と
の関係、
が得られる。ただし、
|
(109) |
である。これは、条件付き確率
の条件無し確率
からのずれの程度を表す量である。
こうして、距離
は、
となる。これは、距離
が
と
の条件付き平均距離で与えられることを意味する。つ
まり、非線形の数量化2類および数量化3類で得られる表現ベクトルは、条件付き確
率
の条件無し確率 からのずれの程度を反
映したものであることを意味する。
一方、
と
の間には、関係
|
(111) |
が成り立つ。
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Takio Kurita
平成14年7月3日