次に、高次局所自己相関特徴の加法性を利用して、背景のある環境下での計数の実験 を行なった。実験は、図8.5のように新聞紙の上のスペードのマークの 個数を推定するものである。同じ大きさのスペードのマークを何枚か用意し、それを 新聞紙の上に適当に置き、その画像をカメラから取込んで入力画像とした。教師信号 はスペードのマークの個数を表す数値とした。ここでも、学習には重回帰分析を用い た。学習のために取込んだ画像は50枚である。
計測結果は、例えば、図8.5 (a) に対しては 、(b) に対しては
であった。背景の一部の領域がスペードのマークによって隠されるにもか
かわらず、比較的よい結果が得られている。ここで、重要なのは、何が背景で何が計
測対象であるかあらかじめシステムに教えた(プログラムした)のではなく、例から
システムが自動的に学習し、画面上の個々の対象を切り出すことなく一括して計測し
ている点である。これが可能なのは、高次局所自己相関特徴が加法性を持っているた
めである。