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本章のまとめ

本章では、高次局所自己相関特徴に基づく、非常に簡単で、しかも、高速な適応的画 像計測システムについて述べた。このシステムは実用的な意味でいくつかの優れた長 所をもっている。まず、従来方式のように画面から個々の対象を切出し所定の処理を 行なうのではなく、切出しを意識する必要がない。また、一度画面を捜査して得られ る特徴から簡単で高速な多変量解析を用いた学習によって、与えられた認識・計測課 題にとって有効な特徴を自動的に抽出できる。従って、さまざまな用途に適用できる 高い汎用性を持つ。さらに、本質的に並列計算であるため極めて高速であり実時間で の画像計測・認識が可能である。今後の課題としては、さらに能力強化のための拡張 (例えば、局所自己相関マスクの次数やサイズなど)が考えられる。

次に、3次元の世界の認識のためのレンジデータ(距離画像)の解析手法として、重 み付き最小2乗法を用いた微分幾何特徴の計算法を示した。曲面上の2点間の最小軌 道長とその最小軌道に沿った法線ベクトルの変化の大きさに依存した重みを用いるこ とにより、エッジなどの不連続点の影響を受けにくい微分幾何特徴の推定が可能となっ た。この計算法は通常の重み無しの最小2乗法による計算法に比べてかなり多くの計 算時間を必要とするが、これは、通常の方法では当てはまりの良くない領域に対して のみ提案手法を適応するなどして改善できると考えられる。



Takio Kurita 平成14年7月3日