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カラー画像のデータ圧縮実験

提案したカラー画像の BTC の有効性を確かめるために、符号化の実験を行った。図 6.1 (a) に実験に用いたカラー画像を示す。画像の大きさは $256
\times 256$ 画素である。また、各画素の赤、緑、青成分はそれぞれ8ビットで表現 されており、全体として24ビット/画素である。

このカラー画像に対してカラー画像の BTC により符号化し、復元した画像ともとの 画像を比較した。このとき、スカラー量子化法として主成分スコアの平均値を用いる 方法(CBTC)と平均2乗誤差が最小となるようなしきい値を用いる方法(MCBTC)とを試 みた。ブロックの大きさとしては、$4 \times 4$$8
\times 8$ を試みた。

量子化誤差を比較するために、相対平均2乗誤差

\begin{displaymath}
RMSE = \frac{\varepsilon^2}{tr(\Sigma)} = 1 - \eta^2
\end{displaymath} (295)

を用いた。


表 6.1: 復元された画像の相対平均2乗誤差
手法 CBTC ($4 \times 4$) MCBTC ($4 \times 4$) MCBTC ($8
\times 8$)
RMSE 0.053 0.048 0.077

6.1 に復元された画像の相対平均2乗誤差を示す。 平均2乗誤差が最小となるようなしきい値を用いることにより元の画像と復元された 画像との平均2乗誤差が少なくなることがわかる。

図 6.1: 元画像および復元された画像
\begin{figure}\begin{center}
\psfig{file=images/fig-6.1a.eps, width=70mm}\hspace...
...mes 4$) \hspace*{1cm} (d) 復元画像 MCBTC ($8 \times 8$)
\end{center}\end{figure}

図 6.2: 元画像および復元画像の拡大
\begin{figure}\begin{center}
\psfig{file=images/fig-6.2a.eps, width=70mm}\hspace...
...dth=70mm}(Ec) (c) の拡大 \hspace*{3cm} (Ed) (d) の拡大
\end{center} \end{figure}

6.1 および図6.2 に復元された画像を示す。 ひげがほぼ完全に復元されていることがわかる。



Takio Kurita 平成14年7月3日