杉本俊多の書斎 広島大学名誉教授
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研究   近世都市の日欧比較

 

     16世紀に始まる日本の戦国・近世城下町は日本固有の都市の考え方から生まれたという通念は本当か。16〜17世紀のヨーロッパの新都市計画には様々の形で日本の城下町に共通するものが見られる。日本人は16世紀にかなりグローバルな感覚を身につけていたのではないか。そのことを実証する材料を求めて、ここ数年、研究作業を継続してきている。

 イタリアの理想都市論はヨーロッパ全域に伝播し、とりわけネーデルランドで港町の理論となる。濠と河岸を整然と並べた広島城下町はこのネーデルランドの考え方によく似ている。鉄砲の時代に、城塞都市の理論は、植民都市が誕生する大航海時代にはグローバルに展開しており、地球社会を意識し始めた日本人はそれに影響され、また対抗するべく新しい都市像を構想したのではないか。

 

・日本(広島)

・ネーデルランド: ベルギー、オランダ

・ネーデルランドの影響圏(スウェーデン、デンマーク、ロシア(サンクトペテルブルク))

・ポルトガル・スペイン

・イギリス・USA

・その他(イタリア、ドイツ、フランス)

 

 
  科学研究費補助金

平成18-20年度科学研究費補助金基盤研究(C)課題番号18560631

 「16世紀ネーデルランドおよびドイツにおける理想都市理論に関する研究」

平成21-23年度科学研究費補助金基盤研究(C)課題番号21560666

 「大航海時代ヨーロッパにおける都市計画理念の形成に関する研究」