アジアンショップ
最近、下の娘に韓流ブームが激流のように押し寄せている。
特にお気に入りはJYPらしいんだけど、私自身JYPを存じ上げないし、キューブもそんなに欲しくない。
で、この前、下の娘が突然、一緒に街に行こうと誘ってくれた。
娘くらいの年代になると、あんまりパパンとは歩いてくれなくなると聞いていたので、娘から誘われた私は喜び勇んで街に出た。
で、娘の目的地はと言うと、韓流ショップ。街に韓流ショップがある、というところまでは友達らか聞きだした娘は、肝心の店の位置がわからないらしく、私にその韓流ショップまで連れて行けと言う。
ネットで調べると、それっぽい店がすぐに見つかったので、ワンチャン、そこに連れて行ってやることにした。
韓流ショップの途中、中古の品を売買する店に寄れとも指示する。当然だが、娘はその店の場所も知らない。
で、たぶんここだろうなぁ、と思われる中古の品を売買する店に連れて行ったんだけど、娘曰く、こういう店には、中古で韓流のCDやグッズが売りに出されていることもあり、こういった場合は格安で手に入るので断然お得だし、中古店の連中は物の価値を分かっていないので、マニアを対象としたマーケットのプライスから考えるとあり得ないくらいの安値がついていることさえあると言う。
で、店内を物色したのだが、ほどなくして娘が
「結構まともな値段がついていた」
とがっかりしながら言って、何も買わなかった。代わりに、私が文庫本やらを大量に買い込んでしまった。
文庫本等は中古なので新品に比べてかなり安かったんだけど、それが中古本市場で妥当なプライスなのか、それとも物の価値が分からないものが付けたバカ安値なのかどうかまでは判断しかねた。が、まぁ、購入したんだから、値段そのものには満足していた。
で、その足で韓流ショップに向かったんだけど、インターネットで見たマップの記憶を頼りに店を探したんだけど、私の記憶ではかなり店に近づいていて、
「たぶんこの角を曲がったところに店があると思うんだけどね」
というところまで来たんだけど、実際角を曲がっても、それっぽい店が全く見当たらない。予想と現実の乖離にやや焦り始めたころ娘が、
「パパン、ありがとう!」
と言って走り始めたかと思うと、雑居ビルの中に吸い込まれていった。娘が雑居ビルに入って行ってさえ、私は店がどこにあるのかわからなかった。店をほのめかすクリューが全くないのだから。
これは何かね? 若者には聞こえるけど、年寄りには聞こえないモスキート音(参考記事)の反対で、若者には見えるけれど、ある一定以上の年齢のものには見えないように工夫された看板等により店を宣伝しており、年寄りを店に近づけないようになっているのだろう。ちょうど、超文明国ワカンダが国民以外を近づけさせない為の工夫のように。意地悪。
で、娘を追いかけながら雑居ビルに入ろうとしたところ、ビルの入り口に、本当に小さい、B5サイズくらいのイーゼルが、ひざより低い高さに立っていて、そこに、韓流ショップ入り口、と書いてあった。韓流ショップの宣伝は独特だな、と思った。
韓流ショップは雑居ビルの2階にあった。
それほど客がいたわけではないけど、全然いないわけでもなかった。
娘はお目当てのグループのグッズを探し始めたが、すぐに戻ってきて、「この店にはお目当てのグループのものは置いていない」、と泣きそうになりながら言った。
そんなわけないだろう。と思って娘にお目当てのグループ名を聞いて、グッズを探してやった。すると、お目当てのグループのグッズは店の中で一番目立つくらいの場所を占拠して、堂々と売り出されていた。
「なんでこれが見つけられないんだろう?」と思いながら娘をそこに連れて行くと、娘は泣きながら喜んで、喜々としてグッズ探しをしていた。
で、どうやら韓流ショップは店をたたむらしく、閉店セール、というか投げ売りをしていて、80%引きのプライスで売っていた。「この状況ならばもっと客が来るべきではないのか、看板が小さすぎて、客を取り逃してきたせいなんじゃないのか?」
と思ったけど、黙っておいた。
娘は大量にグッズを買い込んだにもかかわらず、購入金額は1000円くらいで、始終にこにこしながら帰った。1000円だったら、値引き前価格5000円分なのだから、相当量購入できたと思う。
帰り、お茶でも飲もうかと思ったけど、韓流ショップにかなり長くいて、お茶を飲むのもはばかれれるほど疲れちゃったのと、毎週楽しみにしているなんでも鑑定団の時間が近づいていたので、そのまままっすぐ帰った。
アディオス