くんくん日記
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2005年12月15日(木) マイバッハのオーラ
東京国際フォーラムを抜けて、国際ビルに向かう信号のところで、黒塗りの大きな車が目に付いた。真正面から見ただけでそれはマイバッハだということがわかった。郊外のマンションと同じくらいの値段のクルマだ。本物を初めて見た。
信号が青に変わって、僕はそのクルマの停まっていた方向に渡り、マイバッハは僕にサイドビューを見せ付けるように、音もなくゆっくりと右折していった。左ハンドルのその運転席には、いかにもショーファーという、しかし若い運転手が背筋を伸ばして座っていた。
4000万円が動いている。
僕は歩き進んで、国際ビルのスターバックスコーヒーに入った。国際ビルの前にはトヨタセンチュリーやベンツのSクラスが忠犬のように主人が現れるのを待っていた。そのセンチュリーもメルセデスも、マイバッハの通った後には庶民のクルマのように思えた。
センチュリーが王者だった日本が過去のものとなった気がした。
2005年12月21日(水) ヴィラフォンテーヌ汐留
今年の5月ごろの日経トレンディの1万円で泊まれるホテルランキングで、都内ナンバー1に輝いていたヴィラフォンテーヌ汐留に泊まってみた。最近ホテルのことを少し調査しているのでいろいろ泊まってみている。
僕が泊まったのは844号室。線路側六本木ヒルズが見えるシングルルームで11000円。部屋は20平米あるので、十分な広さだし、ベッドはたぶん160cm幅はあったと思う。
全体としてシックな感じで清潔感も高く居心地はよい。ベッドの寝心地も悪くなかったし、高層ホテルなのに窓が少し開けられるのも珍しくてよかった。高級感漂う入口や、ルームキーで滞在者しか入れなくなっているエレベータホールなど、VIP感もそこそこ演出されている。
それでもお風呂はちょっと狭い。ルームサービスもなくて、その代わりにピザとか中華のデリバリーメニューが置いてある。それにも増して侘しくなるのが朝食だ。1階のロビーの奥にテーブル席があって、そこで無料のバイキングがある。バイキングといってもスクランブルエッグとサラダとソーセージとパンだけだから、みんな全部つぐ。そしてロビーのテーブルでもそもそと食べる。これはシックじゃないな。
高層といえば、高層ビルで1階から10階までの低層階にホテルが入って、高層階がオフィスというのも今の時代を反映させている。場所と金額を考えれば文句は言えないけれど、滞在中の最後のイベントである朝食の侘しさが強い印象として残ってしまった滞在だった。