広島大学総合科学部25年の歩みと当面する問題
1. 25年の歩み
☆学部教育体制の改変:4コースから8コースへ
1974年:4コース(地域文化、社会文化、情報行動科学、環境科学)
1987年:7コース(地域文化、社会科学、外国語、生体行動、数理情報、物質・生命、自然環境)
1992年:8コース(人間文化、地域文化、社会科学、外国語、生体行動、数理情報、物質・生命、自然環境)
2000年:コース制からプログラム制へ
6プログラム(地域科学、人間科学、言語文化科学、情報行動科学、創造科学、環境共生科学)
☆教官組織(講座)の改組:16講座から8講座へ(2000年度より)
旧講座(16):日本研究、アジア研究、ヨーロッパ研究、英米研究、比較文化研究、社会文化研究、情報行動基礎研究、人間行動研究、基礎科学研究、自然環境研究、英語、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語、保健体育
新講座(8):広域文化研究、社会環境研究、制作科学、言語文化研究、行動科学、数理情報科学、物質科学、自然環境科学
☆大学院の整備
1978年:地域研究研究科、環境科学研究科設置(修士課程)
1985年:生物圏科学研究科設置(博士課程)(生物生産学部と連携)
1986年:社会科学研究科設置(博士課程)(法学部、経済学部と連携)
(総合科学部のスタッフは、ほかに、文学研究科、理学研究科、工学研究科、先端物質科学研究科、国際協力研究科、などに「協力講座」として参画している)。
☆一般教育、教養(的)教育への取り組み
「総合科目」、「パッケージ別科目」、「情報科目」とテキスト出版
☆創立20周年記念シンポジウム「21世紀へのパラダイムシフト:転換期の大学と学問」(1994年7月1日-2日)
このシンポジウムについては、書物形態の記録(1995年発行, pp.188)を残すとともに、NHK広島放送局制作番組「学問が変わる大学が変わる」として放映された(1994年7月16日)。さらにビデオも制作した。
☆総合科学研究プロジェクトの発足(1996年度から)
「広島大学総合科学部において、文系と理系にまたがる共同研究をはじめ、さまざまな形の総合的、学際的研究を育成、推進するための研究プロジェクト」(広島大学総合科学部総合研究プロジェクト事業内規、第1条)
見るべき成果は挙がったか?
2. 当面する問題
☆教官の所属(講座)と教育課程(プログラム)の関係
うまく噛み合うか?
☆大学院と学部の接続問題、大学院部局化への取り組み
総合科学部の学生にとって、(教官が多様な研究科に参画しているため)大学院進学の道が複雑。
既存の研究科は次々に部局化(教官の所属の学部から大学院への振り替え)を進めている(理学研究科、教育学研究科、文学研究科、工学研究科)。この中で、「協力講座」としての総合科学部の教官の身分・立場が問われている。
複数の学部にまたがる研究科(生物圏科学研究科、社会科学研究科)の部局化は可能か?
総合科学部固有の大学院(「総合科学研究科」?)を設置する意義と可能性はあるか?