グラフェン・量子輸送グループ     YAGI GROUP  

広島大学 低温物理学研究室
先進理工学系科学研究科 量子物質プログラム

Graduate School of Advanced Science and Engineering, Quantum Material Program, Hiroshima University

低温物理学研究室はそれぞれのグループが独立に運営を行っています。

グラフェン・二次元物質などの量子伝導を研究しています。それによって、新しい物理や、新しい機能機能を持つ素子を開発します!

〒739-8530 広島県東広島市鏡山1-3-1  電話 082-4247041 (八木直通) 082-4247042 (研究室) 
メンバー : 研究していること : 研究設備 : 出版物 : アクセス : English

 News

私たちのめざすもの

物質は原子のいろいろな組み合わせでできています。原子の選び方、組み合わせ方の数は非常に多く、かつ、立体構造まで入れると無限に近いといえましょう。従来の実験方法は、ゴロっとしたバルクの物質を研究するのに、電気特性や、磁化特性を測ってみたり、電波や、X線や光を当ててみたりして遠くからその性質を調べるものです。

私たちは、このような研究ではできない、ミクロからナノメートル領域の領域に、人工の立体構造である「実験装置」をナノテクで作って、物質の性質や、電子の一般的な性質について調べようとしています。 電気抵抗を測るのが主体となりますが、ミクロの「実験装置」で、磁化測定、NMR測定など、きわめて局所的な多彩な測定が可能です。このような新しい技術を使った実験が始まっているのです。

たとえば、原子一枚の層からでできている物質や、 超伝導の奇妙な性質や、平衡状態でないときにみられる性質、 電子が2次元や1次元の世界にいるときどのようになるか、電子一個の操作や、電子の波としての性質、また、物の表面について研究などなどが可能になってきます。 このような研究は、メゾスコピック物理とか、ナノ物理学などと呼ばれています。今の世界の物性研究の潮流とも言えます。

あなたのアイディア次第でなんでもできます。

何を研究していますか?

グラフェンはチャンピオン物質だ!


鉛筆の芯は何からできているか知っていますか? 黒鉛という物質です。 鉛という字が入っていますが、鉛ではありません。ダイヤモンドと同じ炭素からできています。 ダイヤモンドは氷のように炭素原子がしっかりと結びついています。黒鉛は、炭素原子がしっかりと結びついてできた薄い紙のようなペラペラ膜が重なったような構造をしています。
   
         
      鉛筆                 黒鉛              グラフェン(数原子層)

このペラペラな膜は、炭素原子が蜂の巣格子状に並んだ原子一層分の膜でグラフェンといいます。 ダイヤモンドが非常に硬いことからも想像できますが、グラフェンは大変丈夫で軽いので、宇宙エレベータの構造材などとして期待できます。

透明で、電気を通すので、テレビや携帯のタッチパネルなどにも応用できるかもしれません。太陽電池にも応用できそうです。グラフェンの中の電子はたいへん速いので、超高速コンピューターが可能になるかもしれません。

生物との相性がいいので、神経に接続する安全な電気信号端子として医療などにも応用できるかもしれません。燃やしても、炭酸ガスになるだけですから、環境にも優しいです。

いろいろなところに応用されようとしています。しかも、学校の道具箱の中にあるセロテープと黒鉛があれば、あなたにも作れるのです。

鉛筆の中の宇宙  

さて、話はちょっと飛びますが、星が最期をむかえるとき超新星爆発します。そのとき、ニュートリノという物質が出て来ます。 これは、東大の小柴先生がノーベル賞を取ったことでご存知かもしれませんね。  ニュートリノという物質は地球をも貫通してしまうほどつかみどころのない粒子です。 そのニュートリノと、グラフェンの中の電子が、数学的に等価な方程式に従っているのです。 ニュートリノを間接的にではありますが研究できる可能性があります。まさに、グラフェンは未来物質です。



グラフェンの電界効果トランジスタ。(八木研究室作製) グラフェンで電気を増幅作用があるトランジスタを作ることができます。


 君にもできる最先端研究。自由研究にいかが。(対象 小学生~)

オープンキャンパスで配布した残り(グラファイト付)も若干残っています。  ご興味のある方は差し上げますので八木までメールしてください。(なくなったら終わりです。)

    ダウンロードpdfファイル