パニック売り傾向チェック参考文献(補足)
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本ページは共著書籍「楽天証券社長と行動ファイナンスの教授が『間違いない資産づくり』を真剣に考えた」付録の「パニック売り傾向チェック」の参考文献を補足するページです。書籍に収録しきれなかった最新文献を必要に応じて追加していく予定です。
- Homma, D., Fukazawa, T., Khan, M.S.R., & Kadoya, Y. Beyond Knowledge: The Impact of Financial Attitude and Behavior on Panic Selling during Market Crises, Cogent Economics & Finance, 2025, 13 (1), doi: https://doi.org/10.1080/23322039.2025.2476090
「パニック売り傾向チェック」へのアクセスは書籍に記してあります。同書お買い求めの上、アクセスしてください。
また、既存の参考文献については書籍第5章をご参照ください。
追加参考文献
投資家の金融態度、金融行動がパニック売り行動に与える影響に関するエビデンス
(楽天証券-角谷ラボ共同研究, 2025年3月)
パニック売りとはなにか
パニック売りとは、株価急落時に、さらなる下落の恐怖から、投資家が株や投資信託等の有価証券のすべてもしくは一部を売ってしまう行為です 。そして、パニック売りは、投資家が一旦離れた市場に復帰するのを困難にし、長期的な投資の失敗につながることが多い と言われています。
ですので、パニック売りは、学術的に、行動バイアスやヒューリスティック(問題解決や意思決定に用いられる経験則や直感的な方法)によってもたらされる、非合理的な行動 とされています。
パニック売り傾向チェックの学術的根拠
「傾向チェック」は楽天証券AI・データ&ヒューマンラボと広島大学角谷ラボが共同で実施した投資家アンケートの分析結果を根拠としています。
具体的には、投資家の行動および社会経済的特性と直近の世界規模の市場混乱である「2020年3月の新型コロナウイルス拡大による株式相場急落(通称:コロナ・ショック)」時の行動との関係を分析した結果です。
なお、本調査のデータは、投資家の特性と行動のを分析では世界最大規模であり、また分析結果の多くも行動科学やファイナンス分野で一定の評価がある国際学術誌に厳正な査読を経て掲載されています。
一方、自然科学分野等と異なり、特に投資家心理を内包する行動ファイナンスにおける分析は複雑かつ部分的な制約を受けることは必定で、私達たちの研究成果に限ったことではないですが、因果関係の断定には一定の注意が必要である点はご理解ください。
ただし、読者の皆さんには、本書の「傾向チェック」には少なくとも学術的な裏付けがあり、「診断結果」等ではなく、あくまで「傾向チェック」として用いる分には十分な根拠を有するものとご理解いただいて結構です。