ただいま読書中(近況一言報告)
1999年6月
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1999.06.30
- 昨日の豪雨では、列車は止まるし、道路は通行止めや渋滞で、遠くから通勤・通学している人は大変だったみたい。僕は自転車で五分なので何ともなかったが。
- アエラムック『恋愛学がわかる。』購入。とりあえず赤川学、山元大輔、上野千鶴子あたりをぱらぱらと読む。
- 『VOW11』購入。
- 『ショートカッツ』2(古屋兎丸)、『サムライダー』2(すぎむらしんいち)購入。
1999.06.29
- 雷で大学が停電。マックがぶちっと切れた時はどきっとしたが、何とか大丈夫みたい。研究でコンピュータを走らせていた皆様は、御愁傷様。うちにはコンピュータで制御するような高度な機器はないので、電源が回復すればすぐに実験が再開できる。共用のシーケンサを使用中に停電されたりすると悲劇だけど。
- 『YASHA』6(吉田秋生)購入。
- 『この文庫がすごい! 99年版』購入。
1999.06.28
- 『そして二人だけになった』について。森山さんが「うーん。傑作と言えるほどの作なんでしょうか、これは?」と疑問を呈しているので、もうちょっと説明(くり返しも多いけど)。これが傑作かどうかというより、僕がミステリに何を期待しているかというような話ですが(以下ネタバレにつき文字色を変えます)。
僕が「本格」ミステリに第一に求めるのは「驚き」の感覚です。こと本格ミステリに関しては、どれだけ上手に驚かせてくれるかが評価のメインであって、その他の点(たとえばテーマ性とか人間描写とか)は副次的なものでしかない(まあ文章があまりにひどいの(折原一とか)は読み難くて困るけど)。「驚き」の種類にもいろいろあるのですが、それまで読者が思い描いていた世界が、最後の最後になって、実はまったく別の姿をしていた事が明らかにされる、という形のトリックは、とても鮮烈で大きな驚きをもたらすもので、もっとも好みのパターンの一つです。SFの「Sense of Wonder」を真似て「Sense of Surprise」とでもいいましょうか。そういう意味で『アクロイド殺し』(クリスティ)はアンフェアと言われようが大傑作に間違いないし、『十角館の殺人』(綾辻行人)も(文章はひどいけど)僕的には傑作のうちに入る。
『そして二人だけになった』は、このようなトリックを2回も使っているという点で、とても贅沢な本格ミステリだと思います。まず1つめの「1ケ所で進行していると思われた物語が実は2ケ所で進行していた」というトリック。これは日本の某有名ミステリに先行例があるけれど、そのトリックの事は読中まったく僕の頭には浮かびませんでした。「橋柱が両側とも壊れていた」という記述を読んではじめて、「ああ、あれか…。やられた」と愕然としました(まあこれは僕のミステリ修行が足りないのかも(笑))。
そして第2の「6人だと思われたのが実は5人だった」というトリック。「X人と思っていたのが実はY人だった」という叙述トリックにも先行例があるけれど、それをこれだけ上手く処理した例を僕は知りません。いや、現実にああいう精神状態はあり得ないだろうとか、そういう突っ込みは可能だとは思うんだけど、それが気にならないほど、このSurpriseは不意打ちで、鮮烈でした。
また最終的に、この小説は、第一の解決と第二の解決、どちらでもあり得るような書き方がされているため、一つのテキストから、読み方によって全く異なる2つの「真相」を読み取ることができるようになっており、そういうメタな観点からも、面白い構造をしていると思います。
ということで、僕的には今までの森博嗣のミステリ本の中で、この作品がベストだと思っています。
- ついでなので、ミステリの話を少し。(上の話とはあまり関係ありません。)
本格ミステリにおける「謎→解決」という流れは、自然科学の研究に似ており、その意味でミステリを読むことは科学の疑似体験(あるいはその逆)じゃないか、ということを最近考えている。この流れをつくり出すのは「謎」(不思議な現象や、対立するいくつかの仮説の存在など)の「真相」を知りたいという人間のもつ欲求(好奇心)であり、解決の筋道は「証拠」と「論理」によって組み立てられる。こういうものを人間が「娯楽」として享受している、というのは考えてみると面白いことだ。おそらくその心情は、研究者が魅力的な謎を見つけ、それはどうすれば解決できるだろうかと(わくわくしながら)考え、証拠を集め、論理をつめていって、その謎を解決する、そのプロセスに見い出す喜びと、相似形なのだと思う。その意味で本格ミステリは科学にとても近い。実際、たとえば「動物の起源と系統」というような、定説がなく諸説乱立しているようなテーマを扱った本(西村三郎氏の『動物の起源論』やウィルマーの『無脊椎動物の進化』など)や論文を、僕はほとんどミステリを読む感覚で楽しんできた。(ミステリと違うのは、解決編がまだ書かれていないこと。僕が死ぬまでに誰かが書き上げてくれると良いのだが。)
SFも、当然のことながら、科学と密接に関係するジャンルだ。でもこちらは、科学を「利用」してどこまで世界を広げていけるのか、という方向に発想が向かうわけだから、心情的にはむしろ「テクノロジー」と親和性があるのじゃないかという気がするのだが、どうでしょう。
1999.06.27
- 実験にちょっとした器具が必要になったので、材料を買いに広島市内へ。必要なのは、木の板、小さなバネ、ニクロム線、そして導線。これくらいなら西条でも買えただろうが、まあ久しぶりに東急ハンズにも行ってみたかったし。ついでに自転車の携帯型空気入れを買う。
- 広島駅前のビルにジュンク堂ができたという話をきいて、行ってみた。さすがにジュンク堂だけあって、(広島にしては)品揃えも良い。ちょっと棚と棚の間が狭い気がしないでもないが。『月ぞ悪魔』(香山滋)、『ミステリを書く!』(インタビュー:千街晶之)、『火刑法廷』(ジョン・ディクスン・カー)購入。
- その他の買い物。
マンガは『1+1は?』(さそうあきら)、『コレクターズ・アイテム』(よしもとよしとも)、『松本嵩春作品集』(松本嵩春)、『五年生』2(木尾士目)、『川原由美子選集2 ペーパームーンにおやすみ』(川原由美子)、『学校怪談』12(高橋葉介)、『敷居の住人』2(志村貴子)、『ホモホモ7』1(みなもと太郎)、『ショートカッツ』1(古屋兎丸)、『金平劇場』(金平守人)。
LDは『カウボーイビバップ』#7と、安売り(3割引くらい)していた『ブレードランナー』(完全版)。『ブレードランナー』はバージョンがいろいろあるらしく何がなんだかよく分からないが、とりあえず前から欲しかったので1枚買っておく。2人で映画館に入るよりは安い値段ということで自分を納得させる。『アポロ13』も欲しかったが、今回は見送り。あとLDで欲しい映画といえば、『未知との遭遇』くらいかな。
CDは適当に試聴してみて面白そうなものを。『レット・ミー・ノウ』(テイ・トウワ&チャラ)、『TOKYO 27:00』(MICO)、『午前8時の脱走計画』(シンバルズ)。
- 『キリンヤガ』を読みはじめているんだけど、これ、むちゃくちゃ面白いですね。面白いというか、考えさせられる。
1999.06.26
- 森山さんの日記からリンクされていたコウガイビルのページ、THE KGB FILESは、すごい。久々にツボにはまるページだった。実験するのも忘れて(うそ、ちゃんと実験してました)、掲示板のログを読んでしまった。
- human MLで紹介されていた、岩波ジュニア新書の新刊『進化とはなんだろうか』(長谷川真理子)購入。現代の進化学、中でも適応と自然淘汰という側面をやさしく解説した入門書。
ところで、進化学の人たちは「学校で進化がまともに教えられていない」とか「適当な入門書がない」とよく言うけど、でも進化、特にダーウィニズムの基本的な考え方って、いわゆる「文系」の人でも、あるていど教養のある人ならたいてい身につけているよね? たとえば発生学の基礎知識なんかより、ずっと広く知られていると思うのだけど。もし進化学の人が言うことが本当なら、彼等はどこでその知識を身につけてきたのでしょう?
- エルンスト・マイアの『これが生物学だ ―マイアから21世紀の生物学者へ―』を購入。目次を見ると、進化学の話のみならず、生物学はどのような特徴をもつ科学かというような話から、発生学、生態学、人類学、など個別分野の話まで幅広い内容を扱っているみたい。
1999.06.25
- 『そして二人だけになった』(森博嗣)読了。これは傑作です。
誰も出入りできない閉ざされた空間で、中にいる人たちが次々と殺されていく。最後に残ったのは二人。しかし物語はこの二人の視点で交互に綴られており、読者にはどちらも犯人であるとは思えない。ミステリ・ファンなら涎がでそうな状況設定。この不可能状況をどう美しく解きほぐしてみせるのか。(以下ネタバレにつき色を変える。)
この作品には2重のトリックがしかけられている。第一のトリックは、Aという作家のSという作品とよく似ている。しかし料理の仕方はこちらの方が上。ラスト近くでこのトリックが明かされた時は、ああ見事にやられた、と感心してしまった。ここで終わっていても、この作品は十分良質のミステリとして読めたと思う。ところが、さらにその30ページ後、読者が物語の余韻を楽しんでいる時に、もう一つの大逆転トリックが明らかにされる。正直言って、その記述を読んだ時、「それは無理やろ」と思った。しかし、ざっと読み返してみると、驚くべきことにちゃんとそれでつじつまがあっている。これには本当に驚いた。いや、似たようなトリックを読んだことがないというわけではない(たとえばTという作家のLという作品など)が、それよりはるかに巧みに書かれている。ミステリ読みの中にはこういうトリックをアンフェアだとして認めない人もいるようだが、フェアだろうがアンフェアだろうが面白いから良いのだ。
作品のトリックをああでもないこうでもないと考えながら読んでいって、しかしその考えの及ばない素晴らしいトリックで驚かせてくれる、そんなミステリをミステリファンは愛するわけだけど、僕にとっては、この作品はそういう驚きの詰まった傑作だった。事前に情報を何も仕入れていなかったので、先入観を持たずに読んだのも良かったかも。
- 今日も3年生の実習。RNA抽出。大小のトラブルいろいろ。とても疲れた。
- マンガの新刊4冊購入。
『夢の温度』1(南Q太)。この人の最近のマンガ、ほんと上手い。キャラの表情、構図、セリフがもう一々胸に迫ってくる。関係ないけど、南Q太が『桃尻娘』シリーズの、とくに磯村くんと木川田くんの話なんかを描いたら、むちゃくちゃはまるんじゃないかと、ふと思った。
『サムライダー』1(すぎむらしんいち)購入。全3巻で復刊。とりあえず1巻のみ。
『コミックマスターJ』4(余湖裕輝&田畑由秋)。ほんとバカバカしくて面白い。
『無限の住人』9(沙村広明)。
1999.06.24
- 3年生の実習。今日はカエルの胚をステージごとに集めるという作業。集めた胚は塩酸グアニジン溶液中で破壊、溶解して、明日以降のRNA抽出にまわす。
- ブルーバックスの新刊から『カエルの不思議発見』(松井孝爾)購入。
1999.06.23
- 講談社現代新書の新刊から『<じぶん>を愛するということ』(香山リカ)、丸善ライブラリーの新刊から『世界の宗教』(阿部美哉)購入。
- スター・ウォーズ特集の『PREMIERE』(日本版)8月号を購入。
1999.06.22
- ちくま新書の新刊から『こころの情報学』(西垣通)購入。
1999.06.21
- マックを復活させようと努力する。結局、初期設定の「自動学習辞書」「自動学習辞書-逆引」という書類を捨てたら復活した。
- 『エロイカより愛をこめて』25(青池保子)購入。
- BSで放送していた『大誘拐』をビデオにとって観る。この映画、昔なんの予備知識もなくたまたまテレビの深夜映画で観て、えらく面白くて感心したことがある。天藤真原作云々という話を知ったのはずっと後日のことだった。まだ原作を読んでいないんだけど、読んでおくべき本の一冊だろうとは思っている。
1999.06.20
- 晴れたので午前中は布団を干して、その間、マンガを整理したり、本を読んだり。クロネコヤマトが午前中に荷物を持ってくると言っていたから待っていたのに、来ない (-_-#)。
- こつこつ読んできた『中性子星』(ラリイ・ニーヴン)をようやく読了。正直言って、それほど面白くなかった。細かい部分で(異星人の造型とか)面白いところはたくさんあるんだけど、小説としてはいま一つ。
- この春に卒業したYさんが、僕がマンガを貸してあげたお礼と言って研究室にマンガをいろいろ置いていったので、そのうち1冊を借りてきて読んだ。『先生!』1巻(河原和音)。Yさんはわりと集英社系の正統派少女マンガをよく読んでいて、岩館真理子なども借りたことがある。これも「ああ別マだなあ」というか、きわめて基本に忠実な少女マンガ、という印象。なんか懐かしい感じです。
- 午後から本屋に行って、『そして二人だけになった』(森博嗣)を購入。創元の『火星のプリンセス』(合本)が気になったけど、古いのが実家にある(はず)ので買わず。他に『タマキトヨヒコ君殺人事件』(さそうあきら)購入。
- 大学に行って実験、と言っても、プレハイしてハイブリするだけなので作業は少ない。というわけで、待ち時間を利用してマックの世話。実は昨日からマックの調子が悪くて、ことえりの入力で「mi」つまり「み」を打とうとすると、アプリケーションが落ちてしまう。ことえりを入れ替えても、OSを入れ替えても直らない。CDからシステムを起動すれば大丈夫なのに…。結局、直らずギブアップ。むう、どうしよう。
- 「知ってるつもり」で大薮春彦をやるというので、なんとなくみる。大薮は何冊か読んだけど、あまり面白いとは思わなかった。番組で大薮を「ハード・ボイルド」と言っていたけど、銃とか車に対する偏愛、というのは、僕の考える「ハード・ボイルド」とは違うもののような気がする。そんなものはちゃんと動いて役に立ってくれればそれで良い、という突き放した見方の方が「ハード・ボイルド」だよね。それについて語りはじめちゃったりしたら、それはどちらかといえば「オタク」でしょう。
1999.06.19
- 『め組の大吾』18(曽田正人)、『はじめの一歩』48(森川ジョージ)購入。
- 『ネズミに学んだ生物学』読了。正直いって、こういう種・亜種レベルの進化・系統の話というのはあまり面白いと思わない。というか、自分が興味を持っている生物、たとえばカエルとかホヤについて、こういう話を聞けば面白いと思うに違いないんだけど、マウスという動物自体にあまり興味が無いので…。でもヒトとマウスの移動を対応させて考える話と、組み替えのホットスポットの話は面白かった。
1999.06.18
- 3年生の実習が始まる。カエルの初期発生の観察、ステージごとのRNA抽出、定量、ノザン・ハイブリダイゼーション、という流れ。
- 生命系の新歓パーティ。新歓といっても、1年生の歓迎ではない。うちの学部の学生は文系も理系も全て1学科に所属し、1年生の時はそれより細かいグループに所属することはないが、2年生に上がると、ある程度の専門化が行われる。というわけで、今回はその新しく生命系の分野に進もうという2年生たちの歓迎会だ。1次会は9時頃終わって、その後、近所のラボの人たちと研究室でだらだらと飲む。12時前くらいまで。かなり酔っぱらう。
1999.06.17
- 『ネズミに学んだ生物学』(森脇和郎)購入。生協で見たら買おうとずっと思っていたのに全然見かけなかった本。岩波のフェアをやっている棚でようやく見つけた。
- 『映画秘宝』vol.12「日本一早い『スター・ウォーズ・エピソード1』観戦記!」購入。
1999.06.16
- 学会の参加申し込み〆切が近付いているので、要旨を書いたりいろいろ。その他、学生実習のレポートを見て、コメントを書いて、点数をつけて。もちろん自分の実験も。というわけで今日は疲れた。
- 『アメリカからさぐるバイオ研究の動向と研究者』(白楽ロックビル)購入。本の姿形からして、せいぜい2000円台かなと思ったら3500円もするのね。まあでも面白そうだから買った。
1999.06.15
- 『クロノス・ジョウンターの伝説』購入。梶尾真治の時間SF連作短編、と聞くと読みたくなるよね。しかしそうか『地球はプレイン・ヨーグルト』が出たのはもう20年も前になるのか。
- 『エイリアン9』2巻(富沢ひとし)購入。児童虐待SFマンガ。最初はもっとほのぼの路線で行くのかな(あの絵柄だし、帽子はカエルだし)と思っていたら、話がどんどん過酷になっていく。いくら再生できるからといって、子供がああいう風に利用されて傷めつけられる話は、ちょっとなあ。もうちょっとハードな絵柄でやるのであれば(『EDEN』みたいに)、こちらもそれなりに構えて読むんだけど……。このマンガって面白い? SFの人には評判が良いみたいだけど。
- 『人類、月に立つ』第9回、アポロ14号は、病気を克服して月の土を踏んだアラン・シェパードの話。
そして第10回のアポロ15号。月の起源を探るためには月の石を持ち帰らないといけないが、なんでももって帰れば良いというものではなく、地質学的な知識と経験に基づいて、意味のある情報を含んだ石を探して持ち帰らねばならない。そのために15号の宇宙飛行士たちは、地質学の教授に訓練を受ける。初めは乗り気でなかった飛行士たちも、教授の熱意あふれる実習によって地質学の面白さを知る。そのかいあって月から「ジェネシス・ロック」という貴重な資料をもちかえることができた、というストーリー。
この教授の実習が、すごく面白そうなんだよね。こういう実習を学生時代に受けていたら地質学に転んでいたかもしれないと思ったくらい。こういう講義、実習ができる人間になりたいものだ、と思った。僕的には今までの中でこの回がべスト。
1999.06.14
- 『百鬼夜行抄』6巻(今市子)購入。
- 『コミックビーム』7月号を買う。当分の間、毎月買う予定。
- 嶺川貴子表紙&特集の『MARQUEE』のvol.13を購入。アルバム早く聴きたい。
- 『人類、月に立つ』は第7回と第8回の連続放送。それぞれアポロ12号と13号の話だが、ドラマの作り方は全く違う。宇宙飛行士の個性、感情に焦点をあてた第7回に対して、第8回ではドラマは徹頭徹尾、地上の視点から描かれ、宇宙飛行士たちは音声でしか登場しない。NASAスタッフたちの奮闘、という側面にも重点は置かれない。焦点が当てられるのは「マスコミ」。あの13号のドラマを描く方法としては大胆だが、まあ13号については、あのすばらしい映画があるからね。ドラマで同じことをやってもしょうがない、ということでしょう。
1999.06.13
- 洗濯、掃除、棚から溢れそうなビデオテープの整理。アメフトのビデオが多い。とっておいてももう二度とみる事もないだろうな、というテープがたくさん。とりあえず段ボールに詰める。今年のNFLのシーズンが始まったら、これを引っぱり出して上書き録画してやる、と決意する。
- 本屋に行って、南Q太の『天井の下』購入。南Q太は、最近のCUTiEとかそれ系(「ストリート系」って言う?)のマンガ家の中では一番好きな作家の一人。魚喃キリコがそれに並ぶ。
- グインの新刊『黒太子の秘密』が出ていたので購入。休日なので速攻で読了。「秘密」自体は、ふむふむ、という感じだけど、それに対するナリスの解釈とかが結構面白い。グイン・サーガ世界の構図がどんどん明らかになっていく感じ。今まで時々顔を覗かせつつも裏に隠れていたSF性が、表に出始めている、ということか。
- BSで放送していた『2001年宇宙の旅』は、ビデオにとって後で見る事にする。
1999.06.12
- 梅雨だというのにぜんぜん雨が降らない。
- このところどうも綺麗な結果が出なかった実験が、今日はうまくいったのでちょっと気分が良い。
- 明日は大学全体が停電。ネットワークも停止する。
- グインの新刊、売ってないなあ(←実は心待ちにしている)。
- 『人類、月に立つ』まとめて2回分。第5回は月着陸船開発の話。技術屋ってやっぱりかっこ良いよなあ、と思う。第6回はアポロ11号の月着陸。ドラマだと分かっていても感動する。
1999.06.11
- なんか『コミックビーム』が休刊とかいうデマが流れているという話がOHPに出ていて、まあデマには違いないんだろうけど、よほど大手の出版社以外、マンガ雑誌がつぶれるなんてことは、いつ現実になってもおかしくないのだよなあ、と改めて感じて、それにしてもコミックビームのマンガが読めなくなったら困るよなあ(特に『蠢動』とか)、やっぱり単行本を買うだけじゃなくて、良いマンガが載っている雑誌はちゃんと買い支えないといけないよなあ、という気持ちが湧いてきて、本屋に1冊だけ売れ残っていた『コミックビーム』6月号を買ってきました(今更?)。
- 実験が長引いて、今日の『人類、月に立つ』は観ることができなかった。明日、ビデオで観る予定。
1999.06.10
- 研究室のセミナーの担当だったので、プラナリアの再生の論文を紹介する。
- 『人類、月に立つ』第4回。月軌道に乗ることに成功したアポロ7号の話が、1968年という激動の年の時代背景を織りまぜながら語られる。このドラマ、毎回趣向を変えたみせ方をしていて、その点も面白い。
1999.06.09
- 『人類、月に立つ』第3回はアポロ7号の打ち上げまで。ああいうのを見ると、本物のロケット打ち上げを見てみたい!と思うよね。
1999.06.08
- 『アガペイズ』6巻(山田玲司)購入。
- 森山さんがメールマガジンを始めるそうなので、早速登録。
- 『人類、月に立つ』第2回はアポロ1号の実験中の事故の話。
1999.06.07
- 『聖域』(篠田節子)、『カイジ』11巻(福本伸行)購入。
- BSで『人類、月に立つ』の第1話を観る。(森山さんが科学MLに投稿してくれなかったら見のがすところだった。感謝。)全12話。第1話は有人宇宙飛行でソ連に先を越されたアメリカが、国家の威信をかけて、ソ連より先に月へ行くというプロジェクトを立ち上げ、有人宇宙飛行、宇宙船外活動、ドッキング実験、などを積み重ねていくという、アポロ計画の初期段階の話。やっぱり宇宙に行く話は燃える。12話もあるということで、結構詳しく歴史を辿ってくれるのじゃないかと期待。
そういえばソ連版宇宙計画に関しては、この手のドラマとか映画ってないのかな。ガガーリンとかテレシコワとかが出てくるような。
1999.06.06
- 2、3日前から『中性子星』(ラリイ・ニーヴン)を読んでいる。パペッティア人が良い。
- 『EQ』が休刊になるそうなので、最終号を記念に買っておくことにする。「翻訳ミステリー大全」という特集号。
- 先日、考え事をしていて、音楽の歴史学というか系統/分類学、というのはどの程度研究されているのだろう、という疑問がふと浮かんだのだけど、まったく知識がないのでそのまま放置していた。大きな本屋に寄ったついでに、その辺の事が書いてある本がないかと探してみて、『はじめての世界音楽 ―諸民族の伝統音楽からポップスまで―』(柘植元一、塚田健一 編)という本を購入してみる。なかなか良さそう。これにCDで音のサンプルが付いていればもっと良いのだけど。
- 『キリンヤガ』(マイク・レズニック)、『SFハンドブック』(早川書房編集部)、『余計者文学の系譜』(北上次郎)、『ボビーZの気怠く優雅な人生』(ドン・ウィンズロウ)、『眠り姫、官能の旅立ち』(アン・ライス)、『黄金獣』上巻(夢枕獏)購入。
- マンガは2冊。『敷居の住人』1巻(志村貴子)、『コイズミ学習ブック』1巻(こいずみまり)購入。
- LD『カウボーイ・ビバップ』session#6購入。
1999.06.05
- ビデオで「イデオン・発動編」を観た。改めてみると、いやほんとにエヴァと似ているわ、いろんな意味で。「イデオン」の物語はイデによる人類(およびバッフクラン)補完計画だったわけだ。だれかの勝手な計画で運命弄ばされて、皆さん大迷惑、というお話。イデオンもエヴァも。
1999.06.04
- 生協で雑誌の棚を見ていたら、嶺川貴子が表紙の『米国音楽』という雑誌を発見。音楽雑誌のことはあまり知らない(この雑誌も知らなかった)んだけど、中を見ると小山田圭吾によるトラットリアの全メニュー(175点)一口レビュー、なんていうインタヴューも載っていたりして、面白そうなので購入する。あ、もちろん嶺川貴子のインタビューも載っている。
- ふとその隣を見ると、『ロック・クロニクル・ジャパン』vol.1「1968-1980 はっぴーえんどからYMOまで」というムックが目に入り、これも購入。懐メロ満載、索引もしっかり付いていて資料としても良い。勉強になります。
というわけで、めずらしく音楽関係で2冊も買ってしまった。
1999.06.03
- ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの短編集『星ぼしの荒野から』読了。良かったのは、「おお、我が姉妹よ、光満つるその顔よ!」、「われら<夢>を盗みし者」あたりかな。もっとも、これらのSF的な部分を良いと感じたわけではない。心に残ったのは(他の作品にも共通するけど)、絶望と希望のコントラスト、ですね。
- 「SF的な部分」と書いたけど、何が「SF的」かというのは、実は僕にはあまりよく分からない。現実とは異なっていて、かつサイエンスが入った世界設定とかガジェット、くらいの感覚なのかな?
SFを定義するのに「センス・オブ・ワンダー」という言葉もあって、時々目にするけど、これもよく分からない。「こんなの想像もしたことない、すごい! 驚いた!」というような感覚かな? (そうだとしたら、『星ぼしの荒野から』には、あまりセンス・オブ・ワンダーは感じなかった。)
じゃあ、とりあえずその「センス・オブ・ワンダー」を感じるものがSF、ということにしておいて。それで僕が何に「センス・オブ・ワンダー」を感じるかを考えていて、一つ思い付いたのは「巨大な物」。
『スター・ウォーズ』を最初に観たとき何に驚いたかといって、冒頭で出てくる戦艦の巨大さ。そしてそれをもしのぐデス・スターの巨大さ。あれはまさに「センス・オブ・ワンダー」だった。
『ガンダム』はSFか、と言えば、僕的にはSFですね、スペースコロニーが出てくるから。あんな巨大な建造物を人類が宇宙に作った、という時点でSF。それを利用してソーラ・レイなんか作っちゃったりするので、さらにSF。『イデオン』もSFですね。戦艦バイラル・ジンのでかさには驚いたし、さらに映画では、それに輪をかけてでかいガンドロワなんてのも出てくるし。イデオンはイデオンで星を真っ二つにするしね。『エヴァ』も綾波が巨大化した時点でSF(笑)。あと、空間的スケールだけじゃなくて時間的スケールの大きさも「センス・オブ・ワンダー」ですね。『タウ・ゼロ』とか、『火の鳥(未来編)』とか。
こういうことを「語れる」ようになれば僕も「SF者」になれるのか :-) (別になりたいとは思わないけど)。
1999.06.02
- AIBOはたちまち売り切れだったらしいが、でもあれ、毛が生えてないしね。(体温はどうなんだろう?)耳も垂れているしなあ。せめて耳が立っていれば、もう少し可愛く見えるんだろうけど。
1999.06.01
- 『謎物語 ――あるいは物語の謎――』(北村薫)購入。小説じゃなくてエッセイ。
- 実家から電話で、昨日の読売新聞に僕の祖父に関する記事が載っていると知らされたので、図書館で見てくる。祖父は物理学者で、戦前、戦中と、原子核の構造や、原子炉の原理に関する理論的な研究をしていた(この辺が参考になる)。記事は研究が認められなかった非運の科学者、というような内容。
非運だったのは確かだと思うけど、祖父の人生が不幸だったかといえば、僕はそうは感じなかった。心の底の思いは分からないけれど、少なくとも孫の僕らに対しては、悲愴感や悔しさを匂わすような態度は決してとらなかった(戦中戦後の生活の苦労についてはよく話をきいたけどね)。科学を愛し、自然を楽しんでいた人で、僕にも物理、地質、天文、気象、生物など、いろんな分野のことを教えてくれた。口に出しては言わなかったけど、孫に自然科学の道に進んで欲しいと思っていたのだろう。僕はうまいこと乗せられてしまったわけですね :-) 。
- 『専務の犬』(高橋留美子)、『東京大学物語』26巻(江川達也)、『じみへん』6巻(中崎タツヤ)購入。
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