新しい摩擦計算モデルにもとづいた
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研究概要
走行車両のモデル化とシミュレーションの技術は,タイヤ・車両・操作系の効率的な設計開発や,ドライビングシミュレータを用いた操縦技能の訓練,コンピュータゲーム,コンピュータグラフィックなどの用途で重要です.走行車両の挙動を決定する重要な要因の一つは路面とタイヤの間の相互作用です.これは非常にありふれた物理現象ですが,タイヤ自体の転がり,接地部位の粘弾性挙動,そして接触面内に混在するすべり(動摩擦)と固着(静止摩擦)などの様々な要因が絡み合った,きわめて複雑な力学現象です.とくに,動摩擦・静止摩擦の不連続性を正しく考慮したシミュレーション技術は,現在ほとんどありません.
本テーマでは,最近考案された摩擦力の新しいシミュレーション技術をさらに発展させて,走行車両と地面との間の相互作用をモデル化する研究を行っています.これによって,高速走行時のステアリングだけでなく,停止時のスエギリ,低速走行時の頻繁な切り返しなど,幅広い走行状態に対応できる新しいリアルタイムシミュレーション技術が実現できると期待できます.
シミュレーション画面 |
研究環境 (Logicool G25 Raching Wheel) |
発表論文
- 東誠人,菊植亮:“柔軟タイヤの転がり面接触摩擦モデルとMagic Formulaの比較”,第16回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2015)論文集,3H3-5,2015年12月.
- 菊植亮, 三上知三, 山本元司:走行車両シミュレーションのための転がり面接触摩擦モデル, 第9回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2008)論文集, 3I2-3,2008年12月.
- 山本公弘,菊植亮,武居直行,藤本英雄:“粘弾塑性タイヤモデルと車両二輪モデルに基づいた操舵反力シミュレータ”,第8回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2007)論文集,1F4-4,2007年12月.
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