等質空間、特に対称空間の微分幾何学と積分幾何学

対蹠集合

複素二次超曲面の二つの実形の交叉が対蹠集合になることに 気が付いてからは、 対蹠集合の研究にはまっています。
部分多様体の体積最小性をキャリブレーション、体積非増加レトラクション、 Croftonの公式等の積分公式による三種類の方法を利用して 研究しています。 積分公式を利用して部分多様体の体積最小性を示した際に、 積分公式の具体的な定式化をより多く求める必要性を感じ 積分幾何学の研究も始めました。 今までに等質空間における種々の積分公式の具体的な定式化を求めています。 これらと密接な関係にある対称空間の線形イソトロピー作用の軌道の 幾何学的性質についても研究しています。 これは弱鏡映部分多様体の研究につながっています。

弱鏡映部分多様体

積分幾何学

キャリブレーション

キャリブレーションはHarvey-Lawsonが導入した概念であり、 Riemann多様体上のある不等式を満たす閉微分形式です。 Kahler多様体上のKahler形式の羃がWirtinger不等式を満たすことから Kahler部分多様体が体積最小になることを示したFedererの結果が 典型的です。 キャリブレーションによってある種の部分多様体のホモロジー類における 体積最小性を示すことができます。 論文リストにある論文1、5、6、10、14でいくつかのキャリブレーションを構成し、 対応する部分多様体の体積最小性を証明しました。 3ではキャリブレーションによる体積最小部分多様体の一意性を示しました。

体積非増加レトラクション

論文18では対称対の制限ルート系を利用してある種の錐に対して 体積非増加レトラクションを具体的に構成し、 錐の体積最小性を示しました。

軌道の幾何学

対称空間の線形イソトロピー作用の軌道の幾何学的性質に関する研究成果ついては、 論文4、18、19、22、23で発表しました。 Poincareの公式の具体的な表示を得るためには、 対称空間の線形イソトロピー作用の軌道上の積分の計算が必要になるので、 軌道の幾何学的性質に関する研究成果がこの積分の計算に役立つことが 期待できます。
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