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部分的な隠れへの対応

一般的な環境で画像を撮影すると、背景等の認識対象以外のものが画像中に含ま れていたり、認識対象の一部が覆い隠されてしまうことがある。特に、顔検出や 顔認識では、サングラス等によって顔の一部が覆い隠されることがある。そのよ うな隠れや認識対象以外のものを自動的に除去する機構が実現できれば、顔認識 や顔検出の性能が向上すると期待できる。

Kohonenは、線形の自己連想メモリを用いて、一部分が隠れた画像から元の画 像を想起することがある程度可能であることを示した[50]。主成 分分析や恒等写像を学習する階層型のニューラルネットを用いて、与えられた データの次元を圧縮したデータ表現を中間層に自己組織化させることで、自己 連想メモリを実現することも可能であり[13]、そのような方法を用 いても一部分が隠れた画像から元の画像を想起することがある程度可能である と考えられる。

人間の視覚系では、視覚経路に沿った順方向の情報の流れだけでなく、逆方向の 情報の流れがあることが知られている[83]。Okajima は、これを模 倣することで、認識対象を背景から分離することができることを示した [73]。

図 10: 画像の隠れ部分を例外として取り除く機構をもったニューラルネット識別器
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\psfig{file=robust_classifier.eps,width=65mm}\vspace*{-2mm}
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ここでは、著者等が提案した画像の隠れ部分を例外として取り除く機構をもった ニューラルネット識別器[63]を紹介する。図 10に、その構造を示す。このニューラルネッ トワーク識別器は、下段の画像の隠れや認識対象以外の部分を自動的に例外と して取り除き、想起した情報で取り除いた部分を埋める機能を実現するための自 己連想メモリ[102]とパターン識別器とを統合した構造をしている。



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平成14年11月18日