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カタリエヌモノ

** 2010.11の カタリエヌモノ **

 ++ 10.11.02 (tue) ++ 



卒論指導をしていると,学生の認知のクセが分かります。

普段は目立たないのですが,ちょっとしたところがものすごく苦手だったりする学生が多いようです。

そういう苦手がうちの学生のこれまでの人生の要所要所で影響してきたんじゃないかと感じます。

 ++ 10.11.04 (thu) ++ 



明日は保育所1日見学実習の引率です。

そのため,明日の更新はお休みいたします。

次回更新は6日(土)です。

 ++ 10.11.06 (sat) ++ 



適切な指導さえすれば,どの学生もかなり真っ当な卒論を書きます。

なので,どの程度まで指導してやるべきなのか,悩みます。

 ++ 10.11.08 (mon) ++ 



大学紀要に論文を投稿しました。

「子どもの人」になったということでお誘いいただいたプロジェクトの私の担当部分の報告書的な論文です。
以前,某学会誌に投稿しましたが,不採録となってしまったものです。(*1)
再投稿も検討しましたが,種々の事情を勘案し,早めに公刊してしまうことを選択しました。

自分のメインプロジェクトではないとはいえ,投稿論文を取り下げたままにするのはこれが初めてです。
不採録率を上げないよう,がんばろうと思います。
#それ以前に,投稿数を多くしなければなりませんが…(汗)。

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(*1)「10.05.07」参照。

 ++ 10.11.09 (tue) ++ 



学生達がプレゼントしてくれました。

 ++ 10.11.10 (wed) ++ 



最近,いろいろな方から様々なご助言をいただきます。
公私ともに「大人」として振舞わなければならないことが増えてるからだと思います。

面倒なことも色々教えていただけて,私は幸せ者だと思います。

 ++ 10.11.11 (thu) ++ 



明日は午前中に非常勤,午後に福岡大学にお邪魔します。

ということで,明日の更新はお休みします。

次回更新は13日(土)です。

 ++ 10.11.13 (sat) ++ 



だいぶ前に公刊された論文(*1)ですが,「研究業績一覧」にて公開を始めました。(*2)

藤木大介・中條和光 (2005).概念結合過程としての文のオンライン意味処理―形容詞−名詞句の典型性が文理解過程に及ぼす効果― 認知心理学研究,2(1),9-23.

以下,内容を極簡単に紹介します。(*3)

例えば,「赤いリンゴを食べる」という文を理解するためには,
 1.「赤い」という形容詞と「リンゴ」という名詞とを結びつけ「赤いリンゴ」という名詞句を形成する
 2.形成された「赤いリンゴ」という名詞句を「食べる」という動詞と結びつけ「赤いリンゴを食べる」という動詞句(文)を形成する
という大きく2段階のプロセスが必要となると考えられます。

では,この際の「結びつける」という作業はどのようにして行われるのでしょうか。
この研究では,この「結びつける」作業,つまり「概念結合」には大きく2種類存在すること仮定しました。
また,上の1と2のプロセスにおける「概念結合」の過程は同じメカニズムとして説明可能であるということを提案しました。

人間の文理解過程を明らかにする上で,この研究が新たに呈示したことは,
 1.概念結合のプロセスを検討可能とするために,具体的なモデルとして呈示したこと
 2.文の理解過程を1つの規則による結合過程として説明しうる可能性を示したこと
が挙げられると考えられます。

ご興味のある方は御笑読いただければ幸いです。

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(*1)「05.04.12」参照。
(*2)本論文に関しては2005年4月10日付で公開許可を求め,その後何度か問い合わせをしましたが,未だその可否について回答をいただいておりません。ただ,J-STAGEにて掲載誌の全文公開が始まったため,独自の判断で公開することとしました。
(*3)「04.05.11」も参照。特に「概念結合」に関しては,こちらで説明をしています。

 ++ 10.11.15 (mon) ++ 



超一流はまた別の話だと思いますが…。
優秀な研究者とは,どのような状況でも論文を書き続けられる人間のことをいうのではないかと思うようになりました。

コンスタントに表舞台にあがり続けないと,忘れ去られてしまいます。

 ++ 10.11.16 (tue) ++ 



時代が変われば大学に求められるものも変わっていくのでしょうね。

私(や私と同年代の大学教員)は今の時代に合うように訓練されています。
しかし,私よりも年配の先生方の少なからずが,今の大学の状況に戸惑っておいででしょう。

これはある意味仕方がないことだと思います。

もちろん,このような時代になるとは予測されていたとは思います。
けれども現実のものになるとは思っていらっしゃらなかったのでしょう。
人間とは往々にしてそういうものだと思います。

ですが一方で,今後も大学は変わり続けるということを私たちの世代は覚悟しなければならないとも思います。
常に先を読み,時代に合わせることが出来る教員でなければならないと思います。

その上で,大学のアカデミズムを堅持し続けなければならないと思います。

 ++ 10.11.17 (wed) ++ 




だいぶ前に公刊された論文ですが,「研究業績一覧」にて公開を始めました。(*1)

藤木大介・井上雅美・中條和光 (2007).形容詞−名詞句の意味表象の構造とその形成過程 認知心理学研究,4(2),49-56.


以下,内容を極簡単に紹介します。

この論文は,私の提唱している「スキーマ統合モデル」のサブルーチン(下位処理過程)の妥当性を検証したものです。

具体的には,形容詞「赤い」と名詞「ポスト」を結びつけて「赤いポスト」を理解する際と「青いポスト」を理解する際とでは,
 1.理解のプロセスはどうちがうのか
 2.理解のプロセスで形成された意味表象の構造はどのように違うのか
を検証しました。

実験1では,「青いポスト」を理解するためには,単にこの句を構成する単語に関する知識を利用するだけではなく,より広い「世界知識」を利用しなければならないということを示しました。
実験2では,「赤いポスト」の意味表象の構造は,「ポスト」という語の知識と類似したものとなるということを示しました。

このように,本研究は「スキーマ統合モデル」の妥当性を具体的に検証し始めた論文です。
本来ならば,これに続く検証論文をどんどん発表していかなければなりません。
実際,予備的な実験はいくつか行っています。
しかし,研究費等の問題で,現在,計画を凍結しております。
今後の展開を期待しつつ,ご一読いただければと思います。

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(*1)本論文に関しては2005年4月10日付で公開許可を求め,その後何度か問い合わせをしましたが,未だその可否について回答をいただいておりません。ただ,J-STAGEにて掲載誌の全文公開が始まったため,独自の判断で公開することとしました。

 ++ 10.11.18 (thu) ++ 



今日の夜より上京いたします。
そのため,週末の更新はお休みいたします。

次回更新は22日(月)です。

 ++ 10.11.22 (mon) ++ 



私は傲慢なので努力し続けなければ謙虚でいられなくなる。

 ++ 10.11.24 (wed) ++ 



私が
「考え方が甘い」
という思いで発言をすると
「人を馬鹿にした言い方は良くない」
とたしなめられることがあります。

戦っているレベルや世界が違うとこうも認識が異なるのかと思わされます。

私は自分の知り得ぬレベルや世界があることを知っているので,常に謙虚であるべきだと思っています。
なので,自分のレベルや世界だけで判断するような思考や行為をする人間は甘いと思っているだけなのです。
#逆に,こういう人間なので私は大胆に振る舞えない部分があるのも自覚していますが…。

ただ,傲慢だとは思われたくないので,私が言い方に気をつけるべきなんだとも分かります。

 ++ 10.11.25 (thu) ++ 



私はあまり社交的な性格ではありません。

学会や研究会でも,精一杯がんばってはいますが,最低限の人間関係しか築けていません。

大学院生レベルであれば,1人でコツコツ仕事が出来れば十分です。
また,助手や助教の頃は,職場の先生とコミュニケート出来れば問題なく働けました。

ただ,ここ数年感じるのは,学会のお仕事等をしていく上では広い人脈が必要だということです。
もう少し「学界活動」をすべきだと反省しています。

 ++ 10.11.26 (thu) ++ 



「根性だけではどうにもならない」
というのは,
「根性は不要」
という意味ではなく,
「根性は最低限必要で,それに加えて課題解決のための知恵が必要」
という意味でしょう。

 ++ 10.11.27 (sat) ++ 



「使える人間」と「使えない人間」
「わきまえている人間」と「わきまえていない人間」
「本質を捉えようとする人間」と「本質ということについて考えたことすらない人間」

これらを分ける大きな要因の1つは
「結果さえ出れば他はどうでも良いと考える人間」か
「結論を導くまでの思考過程を重視する人間」か
の違いのような気がします。(*1)

−−−−−−−−
(*1)偏差値が高い大学の出身者でも「頭が悪いな」と感じさせる人というのは,前者の思考パターンで受験戦争をうまくやり抜いただけの人なのでしょう。

 ++ 10.11.29 (mon) ++ 



学生には「決断し,行動しなければ自分の将来についての可能性はゼロだ」と言いますが,
私自身に関していうと,「行動したところでもう残されている可能性はほとんどない」と感じてしまっています。

 ++ 10.11.30 (tue) ++ 



進むべき道を決定しない間は,迷っている道のどれにでも進める気がする。
しかしそれは勘違いで,決断しなければどの道にも進めない。
むしろ,迷っている間に選べる道はどんどん減っていくことすらある。

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