くんくん日記

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2004年5月1日(土) スロウライフ

スローライフという言葉が流行っている。もう2年くらい経つと思うが、人々の生きるテンポがゆっくりになっているとは思えない。
スローフードというのも、僕は有機野菜なんかが使われた料理という程度にしか理解していなかったのだが、全然違うらしい。
自分たちの食べたいものは何なのか。それを引き立てる食事はどういうものか。いまの季節を体全体で感じるものらしい。スローライフというのは、まさに季節や地域を胃で感じるものなのだ。新しい概念でもなんでもないはずなのだが、こういう当たり前の概念が失われていたことを改めて感じさせられた。

2004年5月3日(月) 日本海の色・石垣のテンポ

甥っ子に日本海を見せたいと思い、浜田道を通って水族館アクアスにいってきた。日本海は藍色から近くになるにつれて淡い青に変化していく。実にきれいな色の変化だ。なだらかな山並みが続く浜田道は、天気がいい昼間に走っているととても気持ちがいい。ほのぼのとした気分になってくる。これらの山のそこここに昔からの温泉が隠れているのだ。日本もなかなか捨てたもんじゃない。
海を見ると石垣の海を思い出す。どこまでの続く珊瑚のリーフ、澄んだ海。色とりどりの魚たち。海は本当にすばらしい。そういう海が生活の中にあるから、石垣の時間はとてもゆっくり進んでいるのだろう。石垣に行きたい。

2004年5月5日(水) トップオブ広島

友人が来広したので、一緒にうろうろした末に宿泊先の広島プリンスにおくった。これまでいったことのなかった最上階のトップオブ広島にいた。ここから眺める広島市内の夜景はこれまで見たことのないものだった。三角州に拡がる広島の街の光を一望するためには、これまで山の方から眺めるしかないと思っていたが、海の方からそれを眺めるというのはなかなか新鮮だ。
ロビーで秋葉市長とすれ違ったらしい。後で聞いたのだが彼は広島プリンスでカラオケをするのが大好きらしい。もしかしたら、広島のあの夜景を眺めながら歌っているのかもしれない。
10年前に香港のBPインターナショナルという夜景だけがきれいなホテルの最上階近くに泊まったときに、いつかこの夜景の街で成功しようと思ったことを思い出した。秋葉さんもきっと同じようなことを考えて自分を奮起しているのだろうと勝手に思った。

2004年5月7日(金) 広島と香港

幟町にある広東料理屋にいってきた。滋味深い魚のスープが絶品だという妻の言葉にも大きな期待があった。このお店は香港で日本料理屋を経営している夫妻が期間限定で開いているもので、日本人の旦那と香港人の奥さんが経営している。
話をしてみると、共通の友人がいることがわかってとてもくつろいだ。恒生銀行の金利が今年から極めて低くなって日本並みになってしまったこと、海外旅行の話など、なんだか懐かしい友人と話をしているようだった。
私にとって香港はかつて故郷のような街だった。友人も多く行きつけの床屋や眼鏡屋、レストランもあったし、リラックスしたいときには、高級ホテルのプールでゆっくりしたこともあった。1997年の返還以降の急速な変化で、友人も減り街も大きく変化した。街の人々が大きく変わってしまったようだ。
でも、こういうふうに、昔の香港の仲間と会うことができる。これはやっぱり故郷なのだ。

2004年5月9日(日) 広島アートドキュメント

キュレーターの伊藤さんに誘われていた広島アートドキュメントのオープニングセレモニーに昨日行って来た。フランスのパレドトーキョーの先生や生徒が、フランスのお金で広島にやってきたのだ。日本はこの手の活動に対して理解が低い。それは政府のせいでも自治体のせいでもなくて、なによりも私たちが芸術に対して理解が低いからだと思う。
セレモニーのあとのパーティーにも誘われたのだが、頭痛がしていたので帰ってきてしまった。せっかくのアーティストと交流できる機会を逃してしまった。
新聞で脳脊髄液減少症の記事を読んだ。頭痛の原因はこれかもしれないと思うとぞっとしてしまう。体の具合が悪くなると悪いことばかり考えてしまう。

2004年5月11日(火) ヨナヌキ

懐メロといわれるようなヒット曲について、なかにし礼がTVで説明していた。ヨナヌキという言葉は聞いたことがあったが、4番目と7番目すなわちファとシを使わないことだと、思い出せなかった。しかもそれはドレミソラという意味もあるが、黒鍵だけで弾けるということ。なるほど。
でも一番驚いたのは、三宅祐司とともに司会をやっている南野陽子の厚化粧だった。

2004年5月17日(月) ぜったい当たる

よくないことばかり連続している。
これからいいことたくさんあるぞ。ぜったい。

2004年5月19日(水) 007でヨイフロ

自家用車で通勤していると、よく会うクルマというのがある。クルマなのでドライバーの顔までは解らないが、目立つクルマというのはやはりある。自家用車以外にも、路線バスや配達のトラック、送迎のバスなんかもある。
今日は前を走っていたのが、温泉宿のマイクロバスだった。電話番号が最近になって変更となったらしく、末尾の0007だけがきれいだった。たぶん上からシールを貼ったのだろう。
問題は0007の上にある語呂合わせ「ヨイフロ」だった。どうやっても読めずに、踏切が開くまでの数分間、よい暇つぶしになった。

2004年5月21日(金) エールエールからの眺め

広島駅前にエールエールというビルがある。A館というからにはB館がありそうだが、B館は経済的な理由で開発がなされないまま、その場所には古い雑居ビル群がたちならんでいる。A館は百貨店が核となっていて、なかなかよい空間である。僕はここの書店がとても気に入っている。
このビルの上にレストラン街がある。それぞれの店舗はぱっとしないのだが、フードコートのある南側からの景色はとてもよい。マクドナルドのハンバーガーを食べながら、眼前に比治山が眺められる。深い緑の中に現代美術館が収まっている。住宅群に浸食されている黄金山とは対照的だ。似島も見えるし、遠くにはぼんやりと宮島も見える。
たかだか10階という高さであるが、近くにある山をこの高さから見るとまた別の姿をみせるのだということに、改めて気が付いた。

2004年5月24日(月) うまくいかないときはチャンスと思え

と、SMAP×SMAPで草ヤギ剛がいっていた。番組自体はくだらない内容なのだ(というか、TVでくだらなくない番組って数えるほどしかない)が、あまりにもくだらないので楽しんで見ている。くだらないというのは、必ずしも悪いことではないのだ。
そんななかで「うまくいかないときはチャンスと思え」という言葉がでてきたものだから、僕は一瞬背筋を伸ばしてしまった。やる気を失っている僕に対しての励ましの言葉のようだった。いまはチャンスだったのだ。気が付かなかった。

2004年5月25日(火) 異業種交流の場

5:01クラブという、経済産業局が主催している交流会に参加してきた。2度目か3度目の出席である。こういう会に出ると新たな出会いがあってよい刺激になる。だんだんと私も知り合いが増えて、互いに知人を紹介しあうこともある。わざとらしくない交流会なのが気に入っている。
交流会は8時には終わるのだが、いつも興奮が冷めずにそのまま次の場所に移動してしまう。そして11時になってしまうのだ。でもこうやって本音で話ができるというのは、なんというかとてもすばらしい環境なのだと思う。

2004年5月26日(水) 筆影山と竜王山

知人が倉敷経由で広島に遊びに来てくれたので、尾道で待ち合わせをすることにした。尾道ラーメンを食べて千光寺にいってワッフルを食べるというお決まりのコースをたどった。でもここからがお決まりじゃなかった。三原にいって、JR西日本のCMの最後のシーンを撮影したポイントにいったのである。それは竜王山とよばれるところなのだが、国道を走っていても、筆影山の案内はあれど竜王山は見あたらない。呉線の小さな駅で訊こうとしたら無人駅だった。地元の人に訊いてもわからない。
やけになって、筆影山にクルマで登ることにした。案内板があったので安心して入っていったが、とても細い道をくねくねと登る。そして上へ上へと登っていくと、そこには「竜王山山頂入り口」という看板があるではないか。
山頂からの景色は絶景であった。180度の視界にしまなみ海道が横たわっているのを見下ろせるのだ。これはすごい。満足して帰路についた。

JR西日本のディスカバーウェスト

2004年5月27日(木) デザインミーティング

夏に予定しているイベントのロゴを決めた。4人でこれまで電子メールを使って話し合ってきたが、やっぱり色を決めるのは、会って色見本を使って議論しないといけない。そう思ったので僕が呼びかけて、集まってもらった。
たぶん本当は色を決めるだけなら、メールでもできたのかもしれない。しかしデザインを担当しているメンバーが集まることには大きな意味があった。これからは電子メールであっても、実によく解り合えるような気がした。

2004年5月29日(土) セキュリティポリシーについて話す

セキュリティ・ポリシーについて講演を頼まれていた。このテーマの講演は5年ぐらい前に自治体向けや企業向けによく話をしていたのだが、しばらく遠ざかっていたものである。その間に技術は進歩しているはずだし、新しい言葉も生まれていて、実は僕もよく解らない用語なんかもある。だから断ろうと思っていたのだが、技術論ではないポリシーの話をして欲しいといわれ、引き受けたのだった。
ポリシーを浸透させるためには、コミュニケーションが課題である。こちらが当たり前と思っていることを相手に対して「当たり前のことをやりなさい」といってはいけないのだ。こういうのはマナー広告に似ている。流行りの言葉で言うと「気づき」なのだ。
「気づき」という言葉があちこちで聞こえる。情報は「気づき」をさせるためのものなのだ。それがコミュニケーションなのだ。「気づき」のないコミュニケーションなんてあるのだろうか。そう思いながら、便利なので僕も「気づき」という言葉を使ってみた。

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written by hikizo
Akiary v.0.51