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フィリピンの漁業協同組合と漁村振興
ーパラワン島北部の事例ー

2.協同組合の成り立ち

1) 6つの種類の組合
フィリピンの協同組合法は6種類の組合を網羅した、総合的な体系になっています。
  1)信用(クレジット)組合、2)消費組合、3)生産組合、4)販売組合、
  5)サービス組合、6)多目的組合

私たちのミッションが対象にした漁協は、法的には存在しませんが、3)ないし4)で登録されていることが多いようです。今回訪れたパラワンの漁協の場合は、多目的組合で登録されています。漁業者が中心になって組織した組合(漁協)が加盟する連合会組織はありませんが、必要に応じて集まりをもってます。
  *フィリピンの協同組合の仕組みを理解するHPとして次のものが参考になります。
             http://www.cda.gov.ph/    (協同組合局)


2) その他の種類の組合
協同組合法では、単位組合(単協)の他に、第2次組合(secondary cooperative)、第3次組合(tertiary cooperative)があります。その他に、laboratory cooperative、連合会、ユニオンなどがあります。ユニオンは会員組合・連合会等の利害関係を代表し、さまざまなレベルで組織され、厚生関係に携わるのが主な役目です。


(資料)CDAのHPより転載 (http://www.cda.gov.ph/dl/Total/)


この表は、登録組合数を種類別、地域別に見たものです。全国には約69,000組合ありますが、圧倒的に多いのは多目的組合、その数は58,415組合、全体の84.8%に達します。農協は36,176組合(52.5%)、それ以外の多目的組合が22,293組合(32.3%)です。漁協は、"Non-agricultural coooperative"で登録されているようですが、それ以外の種類でも登録されています。

3) 漁協の活動とは?
全国にある漁協(漁業者が中心になって組織している組合)が、どのように活動しているか、残念ながらそれを示した資料はえられませんでした。生産資材及び生活物資の供給、水産物の集荷と販売、融資などが活動の中心であるようです。今回のミッションの目的のひとつは、漁協が沿岸域水産資源の持続的利用にどのようにかかわっているかを調査することでした。日本の漁協のように、資源管理と経済事業を同時に行っているケースは、あまりないようです。

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