gnuplotを用いたデータのグラフ描画
今日の演習
今日は以下の内容で演習を行います.
- Cプログラムとgnuplotを使った、グラフ、図形の描写 のつづき
今日の目標
gnuplot で計算結果を可視化する。
Gnuplotのあれこれ(軸,ラベル等)
・タイトル(title)、軸の名前(xlabel , ylabel)、各データの名前
下に載せているグラフには、タイトルと軸、各曲線に名前がついてます。
このように名前をつけるには、次のようにします。
gnuplot を起動
set title "Sin waves" set xlabel "x" set ylabel "F(x)"
ここでは一行目でグラフの名前を、2行目で横軸(x軸)の名前を、3行目で縦軸(y軸)の名前を設定しています。
これで、図全体のタイトルと、各軸の名前の設定が終わりました。
plot [0:2*pi][-1.5:1.5] sin(x) title "wave 1", sin(2*x) title "wave 2", sin(3*x) title "wave 3”
描写の際、最後に title “名前” と付けることで、各曲線に自由な名前が付けられます。
これはもちろんデータファイルを描画する際にも有効です。
実際に入力して結果を確かめてください。
・関数の定義
また、gnuplotでは自分で関数を定義することも可能です。
f(x,a) = sin(a*x) plot f(x,1), f(x,2)
という使い方も可能なので、各自調べてみてください。
・ 再描画
replot
と入力すると。一番最後に入力した描画(今回の範囲ではplotの文)の命令文が実行されます。
データの値をそのまま出力するのではなく、さらに処理を行った上で出力する方法
“第二列の値に0.5を加えたもの”や”第二列の値を2倍したもの”を描画したいとき
plot [0:2*pi] "N=50.data" using 1:($2+0.5) w lp, "N=50.data" using 1:($2*2) w lp, sin(x)
と打ち込むと、下図のような結果が出ます。
これと同様の方法でusing 1:($3-$2)
で”第三列から第二列を引いたもの”を描画することも可能です。
対数表示
指数的に大きくなる値は,そのまま描画するより
縦軸を対数座標にしたほうがわかりやすいことがある.
exp(x)
を縦軸のみ対数座標で描画するためには,
set logscale y plot exp(x)
とする.
元のy座標に戻したい場合は,
unset logscale
で元に戻せる.
グラフの印刷の仕方
gnuplot で作成したグラフを印刷したい場合には,ps ファイルに保存すると便利です.
その場合の手順は次のようになります.
(例えば sin(x) のグラフが描かれた ps ファイル 「sin_graph.eps」 を作成する場合.)
gnuplot 起動中に
set term postscript eps set output "sin_graph.eps" plot sin(x)
set term x11
set output
(もし、gnuplot自体を終了していいのなら、set term x11の代わりにquitと入力してくれてかまいません)
これによって,「sin_graph.eps」 というファイルができあがります.
ここでは、一行目で出力形式の変更、2行目で出力先のファイル名の指定、をしています.
ファイル名や plot の部分を適宜変更して下さい.
(set output … と plot … の間で set title … 等 (上の「gnuplot 付け足し」参照.) をすると、タイトル、軸の名前付きの ps ファイルができます.)
作成した psファイルをファイルブラウザでダブルクリックすると、適当なpsファイルビューアが起動するので、それから印刷してください.(最寄りのプリンターから印刷されます.)
ちなみに ps ファイルとは PostScriptファイルの略です.
PostScriptとはプリンタの制御言語で,プリンタに絵を描かせる命令の集まりです.
色付きで保存したい場合:
最初の文を
set term postscript enhanced color eps
と入力
数列の収束の様子をみる.その1
課題1
次の数列を、n: 1 ~ 200 程度まで求めるプログラムを作成し、と の関係を gnuplot で可視化せよ.
(で(ネイピア数)ですね。収束の様子を確認してください。)
課題2
次の等式(Leibniz-Gregoryの等式)
を利用して、の近似値を求めるプログラムを作成せよ。
右辺の項の数との近似値 との関係を gnuplot で可視化せよ.
( n: 1 ~ 1000 程度までで、おおよその傾向を見てください。)
数列の収束の様子をみる.その2(漸化式)
課題3
次の漸化式で表される数列を求めるプログラムを作成し、n (0 ~ 100)との関係を gnuplot で可視化せよ。
( ではいわゆる黄金比に収束します。収束の様子を確認してください。)
課題4 (Logistic map)
次の漸化式で表される数列 () を求めるプログラムを作成し、との関係を gnuplot で可視化せよ.
A < 1 なら()となるのは、すぐ分ると思います.
A = 0.5, 2.0, 3.2, 3.5, 3.9 等(A : 0 ~ 4)それぞれの場合について、初期値を0.3, 0.6, 0.61 等(0 ~ 1)と変化させ、実行、描画して見比べてください. を描画せよ.Aの値により,一つの値に収束する場合,二つの値の間を振動する場合,など様々な振る舞いを示すことを確認せよ.
課題5 Logistic mapの分岐ダイアグラム
課題4の式で、A=2.0, 2.001,2.002,..,3.999,4.0の場合についてを計算し,
一列目をAの値,二列目をそのAにおけるとして,以下のような形式で出力するプログラムを作成せよ.
ただし,どのAにおいてもであるものとする,
出力例:
2.000
..
2.000
2.001
…
2.001
2.002
…
4.000
(合計 2001*51行のデータ)
このデータをもとにgnuplotでグラフを作成してみること.
散布図( データファイルをdiagram.txtとした場合,plot “diagram.txt” w d と書くと綺麗に見える.)
課題6 (n周期解)
課題4の漸化式で与えられるで8周期解,3周期解,6周期解に収束するものは存在するだろうか.
存在するなら,それぞれの場合に対応するaの値を見つけ,横軸i 縦軸のグラフを描画してみよ.
(初期値は0.1とする.)
ただし,ここでいうn周期解とはを満たす解である,
(a=3.2のときはiが大きいときこの性質を持つ解に収束するので,2周期解に収束するといえる.)
課題7 カオス入門(発展問題)
課題4の式で,A=3.9
一列目
二列目 (のとき)
三列目 (のとき)
となる数値データを出力し,
横軸が一列目の値,
縦軸が二列目と三列目の差の絶対値を出力せよ.
(gnuplot で絶対値を計算するには, abs()を使う)
また,縦軸を対数表示にすることにより,二つの値の離れ方を確認してみよ.
(興味のある人は,初期値鋭敏性というキーワードを調べてみてください)
課題おまけ
次の関数を描画してみてください.
plot [-7:7][-2:2] x-(x**3)/3/2/1+(x**5)/5/4/3/2/1-(x**7)/7/6/5/4/3/2/1+(x**9)/9/8/7/6/5/4/3/2/1-(x**11)/11/10/9/8/7/6/5/4/3/2/1+(x**13)/13/12/11/10/9/8/7/6/5/4/3/2/1, sin(x)
(長いですが、行を変えずに続けて打ち込んで下さい.) これはsin(x)のTaylor展開です. ちょっと長いですが、展開項数を変つつ、sin(x)とその多項式展開とを比べてみてください.
今日学んだ事
- gnuplot とCプログラムでグラフ、図形を描画しました。