0-5.大学院で伸びる人の考察

(1) 背景


1) 背景
伸びる大学院生と伸び悩む大学院生がいる。
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、伸びる人、伸び悩む人の差、2-4ページ)

(2) 目標・方針


1) 目標
 @自ら伸びる大学院生 自ら伸びる大学院生(自立した大学院生)
 自ら周りの人に手助け・助言を求めて成長できるようにする。
 A自ら伸びるサイクル 自ら伸びるサイクルが回るようにする。
2) 方針
 @方針 「どうやったら自分の研究・仕事レベルが上がるのか」を自ら考え実践するように仕向ける。
努力の方向性到達度が定まるように質問(助言)して気づきを与える。
 (下記の質問をする順番は、実際には違うかもしれない)
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、育成の要諦は「気づかせ屋」になること、66-70ページ)
3) 基本サイクル
 @Goal、Plan 綿密計画を立てて、周到準備する。
 ADo 一生懸命努力する(体・精神状態などに気をつけつつ)。
 BCheck、Action 努力方向性が間違っていないか確認する。

(3) 本人の基本姿勢


1) よく考える よく考える
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也)
   (カメにはカメの強みがある、4-8ページ)
   (敵を知り己を知れば百戦危うからず、8-10ページ、生き残るための分かれ道、10-13ページ)
2) 困難への態度 困難に向き合う
 【参考図書】
  ・任せる技術(小倉広、自分に矢印を向けることを求める、120-125ページ)
  ・凡人の強み(野村克也、苦労が人生の原点になる、31-33ページ)

(4) 自ら伸びるサイクル


[1] ゴール設定 助教採用、博士号取得、修士号取得。
 【質問】
   ・大学教員になりたいの? ・博士号取りたいの? ・修士号取りたいの?
[2] 状況分析:
  現実は大変!
助教になるのは難しい狭き門である)ことを伝える。
 (日本では、「高齢ポスドク問題」という言葉があるくらい)
 これらの職に就くのが難しいのは、日本に限った話ではない。
 身の回りにも日本だと高齢ポスドクと呼ばれる方がいるがここ(ドイツ)ではそうは言わないようだ。
 ドイツで働いていても、この話は盛り上がる(鉄板である)。
 【参考図書】
  ・大学教員 採用・人事のカラクリ(櫻田大造)
[3] ゴール達成のレベル
  レベルアップの
  方向性:評価項目
レベルアップの方向性を初期に定める。
 評価項目を知る(考える)。
 評価項目を高度に満たす学生・博士研究員はハイレベルな研究者である。
 評価項目を全体的に伸ばす。
  実験の技能がピカイチでも、解釈がダメなら、いろいろ難しい。
 【質問】
  ・修士号取るには何が必要?
  ・博士課程大学院生の選考(入試)でどんな所が評価されていると思う?
  ・博士号取るには何が必要?
  ・博士研究員の選考でどんな所が評価されていると思う?
  ・どんな人が大学教員になれると思う?
  ・企業の人事の人はどんな所を評価すると思う?

 【ロールモデル分析】
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、周りを見て正しい道を見つけ出す、59-61ページ)
[4] レベルの到達度:
  評価基準
各課程の修了・採用に必要とされる評価基準を知る。
 【質問】
  ・どこまで出来たら修士号を取って良いと思う?
  ・どんな人を博士課程大学院生として採用したいと思う?
  ・どこまで出来たら博士号を取って良いと思う?
  ・どんな人を博士研究員として採用したいと思う?
  ・どんな人を助教として採用したいと思う?
 【ロールモデル分析】
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、周りを見て正しい道を見つけ出す、59-61ページ)
[5] 自分のレベル・能力の
  評価
評価項目に基づいて現状の自分のレベルを評価する。
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也)
   (今ある自分の能力を見極める、53-55ページ)
   (「己を知り、己を活かす」ことで道は拓ける、56-58ページ)
   (育成の要諦は「気づかせ屋」になること、66-70ページ)
   (間違った先入観を捨てさせる、70-72ページ)
[6] レベル不足・実力差の
  自覚
ゴール達成に必要なレベル(修了・採用基準)と自分のレベルを比較する。
【質問】
  ・助教として採用されると思う?   ・Can you survive in academia?
  ・博士課程進学できると思う?  ・博士研究員(ポスドク)として採用されると思う?
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、挫折を味わった人間は強くなる、24-27ページ)
[7] レベルアップの
  必要性の自覚
希望を叶えるにはレベルアップが必要。
 【質問】
  ・レベル上げやってみる?
  ・止めておく? 諦める?
  ・手遅れってなっても良い?
[8] 努力を始める 自分のレベルが満たないものがあればレベルを上げる努力をする。
 ステップバイステップ。
 現状の自分のレベルが満たしている場合は、今後も勝手に伸びる可能性が高い。
 強みである可能性が高いので、大事に伸ばす。
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、「ただ苦労をするだけ」では何の値打もない、42-45ページ)
[9] 努力の中身 正しい努力ができているか。間違った努力になっていないか。
 【参考図書】
  ・凡人の強み(野村克也、本当の努力を実践していた王貞治、46-49ページ)
   (目指す自分になるにはどんな努力が必要かを考える、50-53ページ)

(5) 評価とその後


1) 評価 研究により真剣に取り組むようになれば成功!
2) その後 しばらくしたら、[1]に戻ってゴールの確認・再設定をする。


(6) ケース分け


1) 良いケース 意味のあるゴールに向かって適切なアプローチで努力して、その努力が報われる
→高く評価される
2) ダメなケース 意味のないゴールに向かって間違ったアプローチで見当違いな努力して、その努力が報われない
→あまり評価されない
3) 伸びそうな人 周りの人の助言・意見に素直に耳を貸し、是非を自分で判断し行動に移せる人。
 ・ゴールの設定を間違えない。間違えていても(早めに)修正が効く。
 ・アプローチの仕方を間違えない。間違えていても(早めに)修正が効く。
4) 伸びそうにない人 ・ゴールの設定を間違える人。
・アプローチの仕方を間違える人。