4−4.発表

(1) 重要性


 1) 交流 他の大学・研究所の人たちと仲良くなる。
  @大学院生さん 学生さんが自分の話を聞きに来てくれることもある!
友だちの友だちは友だち。
 仲の良い博士研究員さんの同僚の学生さんと仲良くなる。
  A高校生さん 地球惑星科学連合大会では高校生が発表をしている。
 情報発信をするべき(高校生・中学生もウェブサイトを見ることを念頭に)。
 2) 共同研究・共同利用
  @打ち合わせ 【進捗】 こんなところまで進んでいます。
【今後の予定】 これからはこんなことを予定しています。
ビームタイム申請。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(F. ロージ・T. ジョンストン)
   (学会にでる理由その3:ネットワークづくり一般、192-194ページ)
  Aお誘い 大きな単結晶の合成に成功したんですが、こんな物性を測定することに興味はございませんか?
  Bサポート 短期滞在に来られる方への挨拶。
面接に来られる方への挨拶。
バイロイトへの旅行。
食事。
 3) 人事関連
  @就職活動 礼儀正しい態度や言葉遣いを心掛ける。
力量を測られている。
プレッシャーを味方につけるくらいの気概を持つ。
色々な人に挨拶する。
今度公募があったら教えて下さい。公募が出そうな時期を教えて下さい。
どんな人を取りたいのか教えて下さい。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(F. ロージ・T. ジョンストン)
   (学会にでる理由その4:チャンスを探す、195ページ)
  A採用情報 だれだれがどこどこに移った。
だれだれが昇進した。
 4) 売り込み
これまでの研究成果の売り込み。
 分野が少し異なると学術論文を読まない傾向が強くなる。
 読んでも分かりづらいので。高圧実験の結果を地震学者に。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(F. ロージ・T. ジョンストン)
   (学会にでる理由その1:宣伝フィードバック、190-191ページ)
 5) 情報交換
  @実験技術・
   分析方法の動向
新しい技術が出てきた。
どこそこでこんな装置を開発している。
どこそこの誰々がこんな装置を持っている。頼めば使わせてもらえそう。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(F. ロージ・T. ジョンストン)
   (学会にでる理由その2:情報収集、191-192ページ)
  A研究分野の方向性
  B研究指導・
   教育の方法
どうやって教えてられるんですか?
学生さんに「先生がよくいう言葉ってなに?」と聞いてみる。
研究費の取り方
 審査員の方(だった方)に申請書の書き方のコツを聞ける。
 分かりやすく。(分かりにくい申請書は読む気がなくなるよな…)
 研究目的と研究費申請項目の整合性。(研究目的と関係ないもの購入されてもなぁ…)
他大学・他研究所の研究環境を知る。
 バイエルン地球科学研究所は研究環境に恵まれている。
 東欧の研究環境(実験装置、分析機器)は整備されていないそうだ。
 東欧からの大学院生が研究所にいるが、彼らはハングリーに研究している。
 研究頑張ろうと思う(頑張っているけど)。
【参考図書】
 ・理系のための研究生活ガイド第2版(学会発表13の技術、171-191ページ、坪田一男)
 ・科学者として生き残る方法(学会:どんな風に役立つのか、189-190ページ、F. ロージ・T. ジョンストン)

(2) 口頭発表・ポスター発表に共通


 0) 全体 単語の定義を大事にする。Rigor in Science.
 1) スライド・ポスター 評価基準
 良い発表とは何かを知る。
 AGU OSPA の評価基準
【参考文献】
 ・やるべきことが見えてくる研究者の仕事術(島岡要、109-122ページ)
  @文字 線の太い文字を使う。見やすくなる。
小さすぎる文字 → 読めない(Too small letters)。
密な文字 → 簡素な分かりやすい図が良い。(Too many numbers on axes)。
色使い
 白地に明るい色は見づらい。
 黒地に暗い色は見づらい。
 グレースケールにしたときに見やすいかを考える。
  Aキーワード・
   キーフレーズ
を変える。
重要な点は何かが分かりやすい。(そうしないと重要な点が何かが分かりにくい。)
  B記号化 記号化して簡素化する。分かりやすい。
  B題の大文字 英文の題は長い単語の初めの文字を大文字にする。
Rule for Capitalization in Titles.
  Cコロンの位置 文の最初に付けない。
  Dチェックシート チェックシートを作る。
チェックシートで確認する。
 2) 話す内容
早口で話しすぎない。相手が考える時間を取る。
ムダなことを言わない(えーと。まぁ。Well。)。
時間が限られているので。
共同研究では"My" Work とは言わない。共著の方を軽視している。
 3) 練習
  @発表 話す原稿を書く。
練習する。
   時間厳守 口頭発表の場合には、発表時間内に終わるようになるまで練習する。
【参考図書】
 ・科学者として生き残る方法(口頭発表とその構成、298-306ページ、F. ロージ・T. ジョンストン)
  A質問への回答 的確に答える。短時間でのコミュニケーションが重要。
質問・答えを予想する。予想したものを記録する。記録したものを覚える。
 4) 学会では
  @慣れ 学会の雰囲気に慣れる。
 人数。部屋の配置(地図)。部屋の大きさ。マイクの音量の大きさ。部屋の明るさ。
 人(日本人、外国人)
  Aつっこみ そんなん○○が分からんかったら分からんやろと思ったら、○○をネタ帳に書く。
  Bアナウンス アナウンスがあるときは話さない。

(3) 口頭発表


 1) 発表内容の準備
  @内容 最も重要な概念を一つだけ伝える。
概念が二つになると聞く人が混乱することが多い。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(口頭発表とその構成、298-306ページ、F. ロージ・T. ジョンストン)
  Aグラフ・画像 多く使う(発表が分かりやすくなる)。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(口頭発表とその構成、298-306ページ、F. ロージ・T. ジョンストン)
  Bスライドの数 一枚一分が目安。
  Cスライドの端 プロジェクターの設定で切れる(映し出されない)ことがある。
スライドの端には若干のスペースを配置した方が良い。
 2) メモ
  @鈴 15分の発表の場合、1鈴10分、2鈴12分、3鈴15分のことが多い。
 3) 発表の直前
  @パソコン 動作確認をする。
スリープ状態にさせないようにする。
デスクトップの背景に恥ずかしい写真を載せない。
  Aマイク・ポインター 慣れておく。
 4) 発表では
  @時間厳守 発表時間を守る。
 他の発表者に失礼である(他の人の発表を軽視している)。
 座長に失礼である(進行に迷惑をかける)。
 聞く人に失礼である(休憩時間がなくなる)。
 異なるセッション間の時間が続く発表を聞く場合に発表時間がずれていると困る。
 【参考図書】
  ・科学者として生き残る方法(口頭発表とその構成、298-306ページ、F. ロージ・T. ジョンストン)
  A順番 早めのときは、早く終わった方が気が楽だと考える。
遅めのときは、会場に慣れた方が気が楽だと考える。
  Bレーザーポインター 人に当てない
 ・目を傷つける
 ・人に不快に思わせることを平気ですると見識を問われる
動かし続けない(集中できない、Don't disturb audience.)
  C座長さんの紹介 座長さんに名前・所属・発表題目を紹介されたら、繰り返さない
座長さんに失礼。替りに「有り難うございます」と言う。
  D向き 聴衆の方をときどき向く。
  E前の発表 前の発表で出てきた内容は、「前(午前)の発表でも紹介されていましたが」と言う。
発表内容の関連性が分かりやすくなる。
  F最後 「ご清聴有り難うございました」と言う。こう言わないと拍手がしづらい。

(4) ポスター発表


           1 m 離れても読めるようにする。
ポスター印刷にはお金がかかる。
 なるべく失敗しないようにする。よく確認してから印刷する。

(5) 学会


移動手段(飛行機、鉄道、バス)、宿泊施設(ホテル)の手配。
 1) アメリカ
  @治安 スラムに気をつけないとダメ。
相場と比べてとても安いホテルは泊まらない。夜遅く帰るときに危険!
  AESTA ESTAがいる。
  Bチップ チップがいる。
 2) 日本
  @羽田空港・成田空港 間違えると飛行機に乗れない。