研究
研究
数学教育の研究をしています。世界的パンデミックによって技術革新と応用が促進され、同時に自己的にも他己的にも研究の反省が迫られています。制度としての学校や授業という営みにも緩やかな脱構築がみられます。数学教育はしばしば技術の革新と発達,その普及と大衆化によって改革が迫られてきましたが、理念が技術を追い越し先導する時代の到来のために、「すべての人のための数学」を問い続けたいと思います。 |
学校での教科を意識するときは数学科教育、人の成長や文化的、社会的、職業的活動と数学との関わりを広く扱いたいときは、数学教育としたい。 |
Radford, L.(2021).The Theory of Objectification, Brill Sense, 2-16. |
研究を進めるためには、研究上の問い・理論に関わる諸原理・方法を意識しなければなりません(Radford,2021)。 |
※以下、更新中(2020年~)
■学術誌
- 現成主義(enactivism)、有意味世界の生起
影山和也.「数学学習における志向性の働き―共創発カリキュラムの概念化可能性―」.日本数学教育学会『第53回秋期研究大会発表集録』,9-16. - 教科教育全般
影山和也(2022). 「教科教育学研究総論―教科教育学研究における「理論と実践の往還」問題―」. 日本教科教育学会『日本教科教育学会誌』, 第44巻第4号, 69-73. DOI: 10.18993/jcrdajp.44.4_69
影山和也(2022).「教科教育学研究の有用性について」. 日本教科教育学会『日本教科教育学会誌』, 第44巻第4号, 109-114. DOI: 10.18993/jcrdajp.44.4_109 - 身体論、記号論、存在論他
影山和也, 上ヶ谷友佑, 和田信哉, 中川裕之, 山口武志(2021). 「身体行為と言語の使用によって特徴づけられる数学の授業における考察対象の存在論的様相の変容―記号論的視座から見た「平方根の大小と近似値」の中学3年生の授業分析―」. 全国数学教育学会『数学教育学研究』, 第27巻第2号, 21-31.
和田信哉,上ヶ谷友佑,影山和也,中川裕之,山口武志(2021). 「平方根の授業における考察対象の進化論的発展の様相」. 全国数学教育学会『数学教育学研究』,第27巻第1号, 15-32.
上ヶ谷友佑,和田信哉,中川裕之,影山和也,山口武志(2021). 「数学の授業における考察対象の存在論的様相の分析方法論―構成主義と記号論の相補的利用―」. 日本教科教育学会『日本教科教育学会誌』,第44巻第3号, 29-42.
和田信哉,上ヶ谷友佑,中川裕之,影山和也,山口武志(2021). 「数学の授業における考察対象の存在論的様相の顕在化 ─Euler の活動と数学の授業における考察対象の進化論的発展の対比を通して─」. 全国数学教育学会誌『数学教育学研究』,第26巻第2号, 31-43.
- コンピュテーショナル・シンキング,ICT,ツール
影山和也,増永雄大,石橋一昴(2023).「ICTと共にある数学の学習活動の特徴」. 全国数学教育学会『数学教育学研究』,第29巻第2号, 1-14.
影山和也,上ヶ谷友佑,青谷章弘(2020).「リテラシーとしてのComputational thinking論:computationの意義と学校数学教育の役割」. 全国数学教育学会『数学教育学研究』,第26巻第1号, 29-41.
上ヶ谷友佑,青谷章弘,影山和也(2019).「数学教育研究における研究対象としてのComputational thinking:数学的思考との相互依存的発達について」. 全国数学教育学会『数学教育学研究』,第25巻第2号, 101-111. - カリキュラム
青谷章弘, 天野秀樹, 西宗一郎, 影山和也, 北䑓如法(2021). 「カリキュラムリソースの使用による授業構想・評価の差異の分析」. 『学部・附属学校共同研究紀要』, 第48号, 107-115.
■学会等での発表
<2024年>
影山和也,西宗一郎.「数学的実践における空間的推論の特性」.日本科学教育学会第48回年会(函館工業高等専門学校).
松浦拓也,三好美織,木下博義,影山和也.「インクルーシブの視座から考える理科における「学びにくさ」と学習指導」.日本科学教育学会第48回年会(函館工業高等専門学校).
Kazuya Kageyama & Mitsuru Matushima. Exploring Heteronomous and Interdependent Thory Building in Mathematics Education. Extended Presentation at the 15th International
Congress on Mathematical Education (TSG5.9), Sydney, Australia: ICME.
影山和也.「身体論的分析ーその前提と特徴ー」.全国数学教育学会第60回研究発表会,共同研究「数学教育研究におけるエージェンシャル・リアリズムの展開」.
影山和也.「図形の探究型カリキュラムにおける対称性の位置ー図形の運動と性質としての対称性ー」.日本数学教育学会『第12回春期研究大会論文集』,3-10.
齊藤一弥,影山和也,清水美憲. 「数学科カリキュラムのアラインメントの評価と実態ーある教師による実施されたカリキュラムのプロフィールー」.日本数学教育学会『第12回春期研究大会論文集』,209-212.
<2023年>
影山和也,石橋一昴,増永雄大.「デジタル技術のもたらす数学カリキュラムの問題」.日本教育工学会『第44回春季全国大会』(熊本大学).
影山和也,松島充,小山正孝.「日本のインクルーシブ理数教育の概念化に向けて:文献レベルにみられる数学教育と特別支援教育相互の控えめな干渉から」.全国数学教育学会第59回研究発表会(福岡教育大学),口頭発表.
和田信哉,上ヶ谷友佑,影山和也,中川裕之.「数学教育研究における回折的方法論の提案:平方根の授業の分析を通じて」.全国数学教育学会第59回研究発表会(福岡教育大学),口頭発表.
須田祐介,影山和也.「図形感覚と想像力を培う幾何教育へのアプローチ」.日本数学教育学会『第56回秋期研究大会発表集録』,604.
影山和也.「視覚化の機能を生かした図形の探究型カリキュラム開発」.日本数学教育学会『第11回春期研究大会論文集』,181-188.
影山和也,齊藤一弥. 「多元分析のアプローチによるカリキュラムアラインメントの検証」.日本数学教育学会『第11回春期研究大会論文集』,341-348.
<2022年>
影山和也,増永雄大.「数学学習における規範の問題」.日本教育工学会『第42回春季全国大会』(東京学芸大学).
影山和也,齊藤一弥. 「数学科授業における達成されたカリキュラムの動態モデル」.日本教科教育学会『第48回全国大会論文集』,197-198.
影山和也,増永雄大,石橋一昴.「ICTはどのように数学的実践をつくるか」.全国数学教育学会第57回研究発表会(早稲田大学),口頭発表.
影山和也,松島充.「数学教育研究におけるインクルーション概念の侵食」.日本数学教育学会『第55回秋期研究大会発表集録』,337-340.
齊藤一弥,影山和也.「数学科カリキュラムアラインメントにおける整合と不整合」.日本数学教育学会『第55回秋期研究大会発表集録』,53-56.
影山和也.「視覚化の機能を生かした空間図形カリキュラムの事例検討」.日本数学教育学会『第10回春期研究大会論文集』,183-190.
影山和也,齊藤一弥. 「実施された数学科カリキュラムの多元分析の試み―学校と教室の文脈の事例検討―」.日本数学教育学会『第10回春期研究大会論文集』,365-372.
<2021年>
影山和也,上ヶ谷友佑,青谷章弘.「数学的思考とコンピュテーショナル・シンキングとの互恵性解明―戦略的ゲーム環境への適応としての思考形態の現れ―」.全国数学教育学会第52回研究発表会(オンライン開催).
上ヶ谷友佑,影山和也,青谷章弘.「機械とのコミュニケーション能力としてのComputational thinking」,日本教科教育学会『日本教科教育学会第46回全国大会論文集』,7-8.
影山和也,齊藤一弥. 「学校エージェントによる数学科カリキュラムのアラインメントへの関与―アンケート調査の有効性と限界―」. 日本数学教育学会『第9回春期研究大会論文集』,247-254.
影山和也. 「空間図形カリキュラム構成のための視覚化の機能」. 日本数学教育学会『第9回春期研究大会論文集』,145-152.
影山和也.「クラインを通した図形カリキュラム改革の現代的動力」.日本数学教育学会『第8回春期研究大会論文集』,105-112.
影山和也.「数学カリキュラムのアラインメントを実現する作業課題」.日本数学教育学会『第8回春期研究大会論文集』,279-282.
影山和也,上ヶ谷友佑,和田信哉,中川裕之,山口武志.「数学の授業における考察対象の在り方―身体論的視座からみた記号のクラスの変動分析―」.全国数学教育学会第53回研究発表会(オンライン開催).
<2020年>
Kazuya Kageyama & Masataka Koyama. Conceptualization of co-emergent
curriculum in a mathematics lesson. Presented at the 14th International
Congress on Mathematical Education (TSG60), Shanghai, China: ICME.
影山和也.「空間図形カリキュラム構成のための視覚化の機能」.日本数学教育学会『第9回春期研究大会論文集』,145-152.
影山和也,齊藤一弥.「学校エージェントによる数学科カリキュラムのアラインメントへの関与―アンケート調査の有効性と限界―」.日本数学教育学会『第9回春期研究大会論文集』,247-254.
齊藤一弥,影山和也.「数学科カリキュラムアラインメントに対する学校エージェントの意識調査」.日本数学教育学会『第54回秋期研究大会発表集録』,81-84.
中林玲奈,植田悦司,結城和夏,小山正孝,影山和也.「算数科におけるメタ認知的思考態度の育成―社会的相互作用を重視した授業づくりを通して―」.日本数学教育学会『第54回秋期研究大会発表集録』,105-108.
■著作・雑誌他
<2024年>
増永雄大,影山和也,石橋一昴.『GeoGebraの教科書ー数学を体感できるICTツールー』,東洋館出版社.
-GeoGebraの基本操作とアーキテクチャ、中学・高校数学の事例、理論編、コラムからなっています。
<2023年>
影山和也.「思考力・判断力・表現力等」を明確に捉えることはできているのか-グレーディングされた能力育成へ授業はいかに変わるのか-」,清水美憲・池田敏和・齊藤一弥編著『これからの算数科教育はどうあるべきか』,東洋館出版社,58-67.
-思考力等の明確化に当たっての観点や、資質・能力ベイスの教育課程を概観しました。
影山和也.「第4章 言語で思考すること」,Anna Sfard著『コミュニケーションとしての思考-人間の発達、ディスコースの成長、数学化-』,共立出版,103-135.[分担翻訳]
<2021年>
礒田正美・影山和也編.『新・教職課程演習 第19巻 中等数学科教育』,協同出版[執筆箇所:17-36].
影山和也.「算数科授業づくりへの期待」,『新しい算数研究』2021年4月号,42-43.
-コミュニケーション・シンキングの論考を念頭にしつつ、それでもやはり知識・技能も大切にしたいということを示しました。
<2020年>
影山和也.「第6章第2節(1)」.草原和博・吉田成章 編著,「ポスト・コロナの学校教育 教育者の応答と未来デザイン」.渓水社,130-131.
影山和也.「第7章第2節 対象概念として図形を捉える」,『新しい算数教育の理論と実践』,ミネルヴァ,140-147.
影山和也.「第3節 算数・数学科とはどのような教科か」,日本教科教育学会編『教科とその本質―各教科は何を目指し,どのように構成するのか―』,教育出版,92-97.
■その他
座談会:算数の本質の追究-内容と方法の両面から-.「新しい算数研究」2021年4月号,16-
■研究基金等
令和4年度~令和7年度 基盤研究(B)【補助金】 代表 <遂行中>
インクルーシブ理数教育の実現を志向するプラットフォーム構築のための学際的研究
(課題番号22H01010)
令和4年度~令和6年度 基盤研究(B) 分担 <遂行中>
教科教育学のターミノロジーとメソドロジーの体系化研究-学術共同体の構築のために-
(課題番号22H01012)
令和4年度~令和6年度 基盤研究(B) 分担 <遂行中>
中学生は教科書をどのように見ているのか:「教えたいことが伝わりやすい」教材開発へ
(課題番号19H01678)
令和2年度~令和4年度 挑戦的研究(萌芽) 代表 <遂行中>
コネクテッド教室は生徒の学びをどのように変えるか
(課題番号20K20833)
令和2年度~令和5年度 基盤研究(A) 分担 <遂行中>
移行期における学校数学カリキュラムのアラインメントに関する総合的研究
(課題番号20H00092)
令和2年度~令和4年度 基盤研究(B) 分担 <遂行中>
中学生英語学力の包括的な実態解明
(課題番号20H01682)
令和2年度~令和5年度 基盤研究(B) 分担 <遂行中>
平面図形と空間図形を連動させる小中一貫の授業・カリキュラムの協働開発研究
(課題番号20H01745)
平成29年度~令和3年度 基盤研究(B) 代表 <終了>
教室での知識の創出と進化を促す学習作業空間の構成に関する総合的研究
(課題番号17H02701)
令和2年度 全国数学教育学会ヒラバヤシ基金研究助成 代表 <終了>
数学的思考とコンピュテーショナル・シンキングの互恵的発達過程の解明
平成31年度 全国数学教育学会ヒラバヤシ基金研究助成 代表 <終了>
数学教育研究対象としてのcomputational thinkingの位置と展望
平成26年度 全国数学教育学会ヒラバヤシ基金研究助成 代表 <終了>
算数教育における数学的思考に関わる「数学的気づき」の調査研究
令和2年度後半~令和4年度 児童少年の健全育成実践的研究助成 分担 <遂行中>
中等教育におけるインクルーシブ教育システムの開発研究
平成29年度 呉地域オープンカレッジネットワーク会議 地域活性化研究助成事業 <終了>
「橋」をテーマとした呉地域版<おもしろ数学カレンダー>の作成
→呉地域オープンカレッジネットワーク会議
-呉地域にある橋を題材にした数学問題を作成し、橋の写真と数学問題の組み合わせからなるカレンダーを作成しました。
簡単な推定を伴うフェルミ問題、橋の形状の美しさなど、山間部や島嶼部を含む広範な呉地域の魅力を込めました。作成したカレンダーは、すべての小・中学校に届けられました。