メンバー便り
この浮穴研ホームページは、浮穴が空き時間やリフレッシュがてら気ままに書いていますが、研究室メンバーからのコメント、メッセージ、思いや状況報告を発信するページを作りました。メンバー自身の思いが伝われば良いと思います。ここに彼らの文章を貼り付けるだけで万感胸に迫ります。
- 内藤万菜さん(2022年4月)
- 森脇翔悟さん(2021年12月)
- 三村朱花さん(2021年3月)
- 成松勇樹さん(2020年1月)
- 門田惇希さん(2020年1月)
- 齋藤鷹也さん(2019年3月)
- 鹿野健史朗さん(2018年8月)
記事一覧
2022年4月3日 内藤万菜(平成30~令和元年度B、令和2~3年度M)「浮穴研での3年半を振り返って」
修論が終わってから、浮穴研での3年半をよく思い出していました。研究室に配属されたときは、研究室の皆が何について話しているのか、その単語の意味すら分からないことだらけでした。実際に実験を始めることになった時も、終わらせることに注力してしまい、データに対してどのように向き合えばよいのか、何を考えながら実験を進めればよいのか、まるで分っておらず、今思えば本当に未熟者で罰当たりな学生であったと思います。
研究室に配属された私の思い出の多くは、自分の不出来さに打ちのめされていたことです。ですが、先生方に非常に助けていただき、皆さんのおかげで何とか修了することができ、今では楽しかった思い出が増えました。私は、浮穴研始まって以来の出来が悪い修論生であったことと思います。他の学生のように優秀ではなく、知識や考察力も稚拙でした。また、学会での発表賞やエクセレント・スチューデント・スカラシップ賞も受賞することができず、浮穴研の名前を汚してしまったのではと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。しかし、そんな私にも、皆さんは温かく手を差し伸べてくださいました。そんな浮穴研の皆さんのおかげで、私はなんとか修了でき、最後には、国際誌に論文を書く機会までいただけました。論文が受理されたとき、喜びのあまり自宅で叫び、大きな声で家族に電話していまいました(近所迷惑でしたね)。本当に浮穴先生や皆さんのおかげです。実験のデータが出た時に、皆が集まって、私の考察などに対して多くの意見を下さり、いろいろなことを考えることのできるあの時間は、非常に楽しく、ワクワクし、あっという間に時間が経ってしまっていたことはよく覚えています。さらに、研究発表を控えている際、私が緊張や不安に苛まれている時、先生方の「大丈夫だよ!」のお言葉はいつも何よりの支えでした。浮穴研の皆さんに教えていただいたたくさんのことや思い出は、修了した今でも、新生活を迎えた私の励みになっています。
また、先輩方は何を聞いても応えてくださり、学年が上がっても私は皆のようになれないだろうと思っていました。実際に、私がM2になった時も、今までの先輩方には足元にも及びませんでした。同期の森脇に対しては、その優秀さに常に劣等感を感じ、同じ研究室を選んだことを後悔したこともありました。しかし、皆さんはそんな私に対して、初歩的なことや小さなことまで多くのことを教えてくださりました。成松さんや門田さん、加藤さんには、様々なことを教えていただき、今までの学生生活の中で誰よりもお世話になった先輩方だと思っています。森脇は、その努力の凄さを間近で見ていたことから私にとっての目標であり、森脇が同期でいてくれたことで私は修了まで頑張り抜けたと思っています。
今日の私があるのは、浮穴先生をはじめとする浮穴研の皆さんのおかげです。私は浮穴研に配属できたことで、少しは人間として成長できたのではないかと思っていますが、まだまだ未熟者です。就職先では、浮穴研で学んだことやワクワクしたこと、楽しかった思い出など多くのことを糧に、社会人として貢献していきたいです。これから先も、浮穴研の名に恥じぬように精進し、次に皆にお会いできるときに、今より少しでも成長した自分を見せられるようになりたいと思っています。本当に3年半、ありがとうございました!
2021年12月27日 森脇翔悟(平成30~令和元年度B、令和2年度~M)「大学院プログラム中間発表会・優秀発表賞を受賞して」
2021年10月に行われた、大学院の所属プログラムの中間発表会において優秀発表賞をいただきました。昨年度の中間発表会でも同様の賞をいただき、光栄なことに2年連続の受賞となりました。2年連続で受賞するとは思ってもいなかったので、大変驚きました。これも浮穴研究室での充実した実験指導やディスカッションの賜物だと思います。
浮穴研究室では、新規の脳内エネルギー代謝調節因子の生理機能解析をメインの研究テーマとして進めています(本ホームページの研究内容ページ参照)。しかし、私は別の脳内因子に着目して研究を進めています(エネルギー代謝調節に着目しているのは同じです)。研究室に配属される前に想像していたテーマとは異なり、最初は戸惑いを感じることもありましたが、今では自身の自主性を高めることができ、良かったと思っています。また、研究室の中でも誰も取り組んでいないテーマなので、全てが新鮮で、とても楽しく研究ができています。
簡単にこれまでを振り返ってみると、私が浮穴研究室に配属された当初は、修論生1人に、卒論生3人ということで、研究室内が活気で満ちていたことを今でも覚えています。先輩方は忙しいながらも、私や同期の内藤の面倒を見てくださり、当時はあまりよく分かっていませんでしたが、今では大変有難いことだったと思います。また、コロナ禍になる前の学部4年次に、浮穴先生に富山で行われた研究会に連れて行っていただき、発表させていただいたことは今でもとても鮮明に記憶に残っています。学外での発表は初めてで、とても緊張しましたが、参加者の皆様から激励の言葉をいただけたのは、今でも励みになっています。また、修士1年次に論文執筆を経験させていただき、執筆やReviseに苦しみながらもAcceptの通知を頂いたときはとても嬉しく、良い思い出です。大学院生になるとコロナ禍の真っ只中となり、多くの学会が中止やオンライン開催となりました。それでも、多くの学会に参加する機会をくださった、浮穴先生に感謝するとともに、これまで発表機会やディスカッションの度にアドバイスをいただいた浮穴研究室の皆様に改めて御礼申し上げます。今回の2年連続での優秀発表賞受賞を含め、多くの貴重な経験や学びを得ることができました。また、今こうして、楽しく充実した研究活動に取り組めているのも、浮穴研究室の皆様のおかげです。
私は、5年一貫の卓越大学院に所属しているため、修士課程を修了しても、そのまま博士課程に進める(はずな)ので、多くの学びを今後の研究活動に活かすとともに、後輩達に伝えていきたいと思います。今後もたくさんご迷惑をおかけするかもしれませんが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2021年3月24日 三村朱花(令和元~2年度B)「浮穴杯を受賞して」
浮穴研では3年秋から約1年半、卒論生としてお世話になりました。そもそも総合科学部の中で生命科学授業科目群を選んだのは「大学でしか出来ないことがしたい」という理由からでした。もともと文系人間なので学校から離れたら理系学問に寄り付かなくなってしまうような気がするし、体力が有り余っているうちは忙しく過ごしておくべきだと思ってのことです。蓋を開けてみればなんと4つも実験に携わらせて頂き、期待以上にとにかく忙しく過ごさせてもらいました。何かバチでも当たったのか…?と思うほどにしんどいときもありましたが、喉元過ぎればなんとやら。振り返ればすでに良い思い出です。
忙しい中でも楽しく毎日過ごせていたのは、先生をはじめ浮穴研の皆さんの存在あってのことです。同期がいないこともあり配属当初はかなり人見知りを発揮していましたが、先生方や先輩方が明るく接してくれるので寂しさを感じることはありませんでした。実験について迷ったりしたときなど、皆さんには小さなことから何でも相談することができました。人に頼ることがなかなか苦手なので、お互いに手を差し伸べて当たり前というこの雰囲気にはすごく助けられたように思います。
卒論研究を通して自分の中でいちばん変化したのは、データに対する意識です。面白いデータが出た時には「やったじゃん!良かったね」といつも皆さんが言ってくれるのですが、正直言うと最初の頃は実験を無事終えたことに満足してばかりで、せっかく得られたデータに対してしっかり興味を持てていませんでした。(こういうところがバチ当たりなのかもしれません…。)ですが、実際に卒論を書き始めてからは、むしろ実験が終わってデータを得てからが本番なのだと考えが改められました。思えば仮配属前から、先生に対して「研究で食べていく気はありません」と、いかにも分かったような口をきいていましたが、実際に研究室に入り先生方や先輩方が毎日データを前にあれこれ夢中になっている姿を目の当たりにする中で、研究で食べていくとは何たるか、ほんの少しだけですが、やっと初めて理解できたような気がします。
かのノーベル賞にも匹敵するとされている、名誉ある浮穴杯(注)を頂けたのも、研究の面白さを示してくださる皆さんの強力なサポートのおかげです。貴重な経験をたくさんさせて頂き、「大学でしか出来ないことがしたい」という当初の思惑は確かに達成できたと思っています。短い間でしたが、本当にありがとうございました。春からは社会人として、まずは皆さんにご心配おかけしている遅刻癖を矯正するところから…しっかり頑張っていきます。
(浮穴注:浮穴研の卒業生・修了生延べ30名以上の中で、過去の受賞者は修士修了の近藤君、博士修了の鹿野君、学部卒業生としては初受賞)
2020年1月17日 成松勇樹(平成29~30年度B、令和元年度~M)「大学院プログラム中間発表会・優秀発表賞を受賞して」
先日、大学院の所属プログラムの修論中間発表会(セミナー)があり、優秀発表賞をいただきました。あの時、自分の名前が呼ばれたときはびっくりする反面、心のどこかで納得する自分もいました。今考えるととても生意気な奴だなと我ながら思いますが、受賞する根拠になりうるほど私は恵まれた環境にいるなと感じます。浮穴研での生活も早2年が過ぎたということで、この辺で一度、これまでの日々を振り返っておこうと思います。
配属したての3年次後期は浮穴研の先輩方の優秀さを実感しました。配属前から「先輩方はみんな優秀だ」と話は聞いていましたが、古満さんに加え、鹿野さんや齋藤さんらの間近で見た実験手技はすごいものでした。いつかは自分もこのレベルまで成長したいと思ったものです(まだまだ背中すら見えませんが)。優秀という観点では、同期の門田・後藤もそうでした(諸説あり?)。この2人に負けないようにと勝手に対抗心を燃やしていました。
4年次からは本格的に卒業研究が始まりました。齋藤さん・門田・後藤のサポートのおかげで、早い段階でデータを出すことができました。そのため、卒論生でしたがストレスもなく、楽しい日々を送ることができました。また、浮穴先生や岩越さんの学生愛を強く感じた年でもありました。学生のことを第一に考えて行動してくださる先生方に何度も助けられました(前に一度先生と岩越さんのことをなんとなく自分の父と母に似ていると言ったことがありますが、改めてそう思いました)。
M1では発表する機会をたくさんいただきました。M1時だけでも5回の学会に参加させていただき(B4時代も合わせると計8回)、何度も先生方や同期・後輩達に発表練習を見ていただきました。自分の拙い発表をどうにかいいものにしようと1時間も2時間もみんなで議論していただく過程で、自分の発表がどんどん洗練されていくのを感じました。さらにそれを実際に発表し、他大学の研究者の方々と議論することで、新たな視点から考えるきっかけが生まれました。発表して議論するサイクルを何回も行うことで、より発表に深みが増していったと思います。
ざっと振り返ってみましたが、改めて自分がいかに恵まれた環境で研究生活を送ってきたかを感じました。実際、中間発表の時に全く緊張することなく自分の考えを伝えることができたのも先生方や先輩方、同期、後輩達のこれまでのサポートのおかげだと思っています。(順調にいけば)修士生活も残り1年間ですが、「優秀な先輩」の一員となれるようにまだまだ頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いいたします。
2020年1月9日 門田惇希(平成29~30年度B、令和元年度~M)「広島大学エクセレント・スチューデント・スカラシップを受賞して」
いきなり私事で恐縮ですが、先月、大学院生を対象としたエクセレント・スチューデント・スカラシップに選ばれ、研究科長から表彰状をいただきました。その際に思ったことは「運が良かった!」です。これは単に賞をもらえたことに対してではなく、周りの人や環境に恵まれていることを改めて実感したということです。学会発表や卒論発表、実験に関しても、先生方や先輩方など研究室の方々に何度もサポートしていただきました。この機会にこれまでの研究生活を顧みて、思うところを書かせていただきたいと思います。
最初に自分が担当した実験は卒論のメインテーマにもなったことから、とても印象に残っています。その内容は今まで研究室で行われてきたものと少し毛色が違っていたので、新しいことに挑戦するようで楽しさを覚える反面、研究室の文献や先輩の研究などの蓄積が少なく大変な部分もありました。しかし、学会で他大学の先生などにお聞きして、新たな知見が得られる楽しみが多かったのも確かです。また、その実験は夜を徹して行うこともありましたが(サンプリングを夜中に行うという実験が含まれていましたので)、それが苦にならなかったのは一緒に実験を手伝ってくださった鹿野さんや齋藤さん、同期の成松と(差し入れをくれた)後藤のおかげです。加えて、先輩達には実験の手技を教わったり、後輩達も他の実験を手伝ってくれたりと学生間で支えてもらったこともとてもありがたく思っています。
数えると8回もの学会や勉強会に参加させていただき(その土地々々の観光も楽しかったです)、その機会を与えてくださった先生には非常に感謝しています。思い出すのは、一昨年に名古屋での勉強会に一人で行ってみるかと提案していただいたときです。最初は正直、少し迷っていましたが、周りの「当然、行くでしょ?」という雰囲気に後押しされ参加を決めました。その勉強会では、自分の研究に興味を持って色々とアドバイスをくださる方や質問に対して熱心に応えてくださる方がいて、得られるものが多く行ってみて良かったと思いました。それもあり、バルセロナでの国際学会への参加(しかも、同期の成松と二人だけで)を提案された際には、不安もありましたがチャレンジしてみたいと思えるようになりました。余談ですが、後輩(森脇)が学生一人で遠方の研究会(初めての口頭発表、4年生なので卒論発表会の経験もなし)へ行くのを少し悩んでいた時に、自分も「当然、行くでしょ?」という雰囲気を出してみたりもしました。また、学会などの発表練習の際にはなかなか分かりやすく伝えることができず、先生や岩越さん、古満さんにたくさんアドバイスをいただきました。自分の考えを伝える難しさを知り、修正を重ねることで最終的にはなんとか分かりやすいものにできたのではと思います。岩越さんが「分かりやすくなった!」と言ってくださったことで嬉しく感じたのを覚えています。実験だけでなく、そういった面でのサポートをしていただいたことにもとても感謝しています。
書ききれないこともまだまだありますが、振り返ってみると多くの人のご助力で様々なことを経験でき、そのおかげで自分自身も少しは成長できたのではないかと感じています。あと1年ほどで修了(予定)なので、無事卒業できるようにこれからも精進したいと思っています。まだまだご迷惑をおかけしてしまうと思いますが、今後ともよろしくお願いします。
2019年3月23日 齋藤鷹也(平成27~28年度B、平成29~30年度M)「浮穴研での3年半を振り返って」
浮穴研に入って3年半が過ぎ大学生活も終わりを迎えました。振り返ってみると浮穴先生をはじめ研究室の皆さんのたくさんのご指導とご協力のおかげで無事卒業・修了することができました。研究は、自分の思った通りの結果が出たときは当然嬉しかったですが、思うような結果が出なくてもその結果から新しい考えが思いつくこともあり非常に楽しい時間を過ごすことができました。もう動物と触れ合うことが出来ないと考えると寂しい気持ちになります。研究生活を通して成長することができたと思います。特に研究室に入る前と比べて、自分で考えることを身に着けることが出来たと思っています。また、最後の一年間は鹿野さんが転出されたため学生の中で最上級生となり、責任を持つことの大変さと頼られることの楽しさを味わうことができました。
浮穴先生には非常にたくさんの経験をさせていただきました。学会発表への参加だけでなく学生独自プロジェクトの参加や英語での論文執筆など、私がやってみたいと思ったことに積極的に挑戦をさせていただくことができました。そのおかげで私とは縁がないと思っていたエクセレントスチューデントスカラシップを受賞することができ、できるかできないかを考えるよりも、とりあえず全力でやってみることを自分の行動の軸にするようになりました。また、就活においてもアドバイスを下さり研究のことだけでなく学生生活の様々なことを助けていただきました。岩越さんには研究のサポートだけでなく休憩時間に色々な話をしていただき楽しく研究室に通うことができました。古満さんには生理系セミナーの発表準備や学会発表練習を聞いていただき鋭い指摘やアドバイスをいただきました。益田さん、鹿野さん、加藤さん、松浦さん、越智さんは研究室の先輩としてたくさん指導していただきました。特に鹿野さんは以前のメンバー便りにも書きましたが、今でも足を向けて寝ることはできません。大分大学へ転出された後に私にとってどれほど大きい存在であったかを実感させられました。研究に取り組む姿勢は今でも私の理想の姿です。成松君、門田君、後藤さんの3人は私にとって初めての後輩でした。質問されても答えることができなかったり、無駄な先輩風を吹かしてしまったりと至らない点もあったと思いますが一緒に送った研究生活は非常に楽しかったです。森脇君と内藤さんは半年という短い期間でしたが実験を手伝ってもらったり、発表スライド資料にアドバイスをくれたりと感謝しています。これからもどんどん実験を頑張ってください。
4月からは社会人となり新しい環境でまた新人からのスタートです。この研究室で学んだことを生かせるように頑張ります。浮穴研の皆さんにさらに成長した姿を見せるためにまた研究室に行きますのでその時はよろしくお願いします。今までありがとうございました。
2018年8月25日 鹿野健史朗(平成24年度B4、平成25~26年度M、平成27~29年度D)「浮穴研での6年間を振り返って」
浮穴研を卒業してから数ヶ月経ち、大分大学での新しい環境にも少しずつ慣れ、学生時代を懐かしむ余裕もでてきました。振り返ってみると、その時々で大変なこともあったとは思いますが、とにかく楽しく充実した生活が過ごせたと晴れ晴れとした気分で卒業することができました。なぜこのようなタイミングでメンバー便りを書いているかというと、博士課程の終盤には博論に追われ、年明けに突然舞い込んできた現職の朗報により学位審査が終わってからも息つく暇もなく引き継ぎを行い、新たな生活への準備もあり、執筆する余裕がなかったからです。元々はもう1年浮穴研に残り、データをまとめたり、後輩の面倒をみたりするつもりでいたのですが、幸運なことに今のポストが決まったため、浮穴研での最後の2ヶ月は突貫工事のような引き継ぎになってしまいました。優秀な後輩達ばかりだと信じているので、小言を言う面倒くさい奴がいなくなったと思って羽を伸ばして研究に勤しんでくれたらと思います。
以前のメンバー便りにも書いたと思いますが、私が浮穴研を選んだのは研究の興味などもありましたが、一番は浮穴先生の下でならなんとかやっていけるだろうと思えたからでした。授業などで一生懸命に研究の楽しさを伝えようとされる姿勢などから先生の人となりを感じ取り、確信にも近い直感が働き、浮穴研を選びました。これが正しかったかは6年間の楽しかった日々が証明してくれています。また、浮穴先生は自身のことを社会不適合人間だと言ったり、学生からすると笑っていいのかわからない自虐ネタで何とか授業を楽しくしようしたりする不器用でわかりにくいけど人間味のある人柄で、どこか親しみや共通点を感じたことも浮穴研を選んだ理由でした。実際、学部4年生の時には隣の研究室の先輩に、見た目が似ているからという理由で浮穴先生との2ショット写真を撮られたり、つい最近でも大分大学にセミナーに来られた先生にもなんとなく私が浮穴先生に似ているなどと言われもしました。しかし、中身は私とは全然違っていて、その点は予想が外れたなと感じました。
浮穴研に入るまでの私は自分の意見を通したり、何かにチャレンジしたりという気持ちはあまりなく、石橋を叩いて叩いて結局渡らないような人間でした。今では考えられないですが公務員や平凡なサラリーマンになるのだろうと心のどこかで思っていました。しかし研究を通して、自主性を持てるようになり、とりあえずチャレンジしてみることを覚えました。実際に、挑戦するのはタダだと思って応募し、3度目の正直で得られた学会発表賞が現在のポストにも繋がりました。博士課程後期に進学する時には業績がほとんどなかったため、記念受験と思い申請した日本学術振興会の特別研究員(DC1)に幸運なことに選ばれました。そのおかげで3年間研究に専念でき充実した博士課程を過ごすことができました。その一方で、DC1の研究奨励金や研究費に見合うだけの働きができているのかという葛藤や、先の見えない将来に悩むこともありました。さらに、博士2年の途中からは、浮穴先生と岩越さんが長期海外出張することになり、ほぼ学生しかいない状況が1年間続きました。しかも、海外出張されることを初めに知ったのは、浮穴先生本人からでなく、別の先生から何気なく聞かれた「君もアメリカに付いて行くのか?」という言葉からでした。それ以前から浮穴先生が留学されたいという話は小耳に挟んではいたものの、研究室運営があるため実現はできないと勝手に思っていたため、まさに青天の霹靂でした。その時点では確定情報ではなかったとはいえ、浮穴先生本人から直接聞けなかったことに少し悲しい気持ちを抱きながらも、学生だけの研究生活が始まりました。当初は先輩の益田さんが卒業されて最上級生になったことに加え、先生までもが近くからはいなくなるということに不安に思っていましたが、滅多にできない経験だとポジティブに捉えられるようになりました。そして、先生が居ようが居まいがやることは変わらないと自分自身をだましながら過ごしている内にあっという間に月日は過ぎ、心配は杞憂のまま先生達の帰国の日を迎えました。もちろん遠く離れたアメリカからのサポートがあり、また先生がいないからこそ生まれた責任感が良い方向に働いたため、なんとか1年乗り切れたのだと思います。何にしてもこの6年間で何事もチャンスに繋がっていると思えるようになったのは大きな収穫であり成長だと思います。今後もチャンスを見逃さず掴めるように日々努力していきます。
まだまだ思い出は語り尽くせませんが、6年間楽しく過ごせたのはこれまで一緒に研究させていただいた浮穴先生や岩越さん、諸先輩方や後輩達のおかげです。ありがとうございました。また、先生達が温かく見守ってくださったことで、たくさん学会発表することができ、大学院生でも研究費を稼いだり、助成金の研究報告会に参加したりと中々できない経験をさせていただきました。これらの経験を活かして今後も研究に励んでいきたいと思います。
国際比較内分泌学会(カナダ・レイクルイーズ)にて