雑記

川村研時代の木箱

 両生類研究センター(旧・大学院理学研究科附属両生類研究施設)には設立前(1967年以前)に、川村智治郎 先生(広島大学第三代学長、名誉教授)が研究室を主宰されていた時代があり、センターにはいろいろと古い物品が残っています。それらの一つとして、川村研究室の木箱が手元にあります。以前に標本室を整理した際に鉄庫の中から出てきて、私の居室にて保管させてもらっているものです。2種類の大きさがあり、大きい方の2つは幅52 cm、奥行27 cm、高さ7.5 cm、小さい方の1つは幅18 cm、奥行10.5 cm、高さ5.5 cmです。


 この木箱をよく見ると「川村研究室 No.V」、「川村研究室 No.Ⅳ」、「川村研究室 53-4」は毛筆で書かれているのに対して、「川村研究室 No.IV」に追記して書かれている「両生研146号室」はペンで書かれているようです。

 146号室は東千田キャンパス時代の旧理学部1号館に両生研があった時代の部屋番号でしょうから、ペンのラベルは両生研が設立された1967年から東広島キャンパスへの移転までの1992年までに書かれたもの、一方、毛筆のラベルと木箱自体は川村先生が研究室を主宰された1946年から1967年の間ものと思われます。いずれにせよ50年以上が経過した歴史のある木箱には違いありません。

 大きい方の箱の中は少し黒ずんでいて、染色液などを入れていたような形跡があります。組織染色標本を作製する際の染色瓶を並べて入れていたのでしょうか。

 ちなみに、私は川村先生からすると三世代を経た弟子になりますが、川村先生は私が大学院生として2003年に両生研に入学する直前に亡くなられたので残念ながらお会いすることはかないませんでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です