安価なPCR-RFLPを用いた環境DNAからの種同定法を開発しました。(島根大学・高原先生らとの共同研究)
環境DNAは今や生態学研究における標準的なツールになりましたが、リアルタイムPCR装置や蛍光プローブなど高価な機器と試薬が必要で、これらを準備できる研究室は限られています。
そこで我々はPCR-RFLP(PCR産物制限酵素断片長多型)法を応用して、環境水中から効率的に複数種を同時に、しかも安価に生物種を検出する方法を開発しました。この方法はリアルタイムPCR装置や蛍光ラベルされたオリゴDNAなどは必要とせず、一般的な研究室にあるPCR装置と電気泳動装置さえあれば実験を行うことができます。生態調査をメインとした研究室や、PCR装置のある一部の中学、高校などでも実施可能だと思われます。
今回、対象種としたニホンアカガエル、ヤマアカガエル、タゴガエルは日本の農村、山村地域によく見られる種で環境モニタリングの指標にもなる重要な両生類です。今回開発した手法が自然と調和した持続可能な社会の構築に役立つことを願っています。
文献:*Igawa T, *Takahara T, Lau Q, Komaki S, An application of PCR-RFLP species identification assay for environmental DNA detection. PeerJ 7: e7597 October 2019. [ DOI | http | PDF ]
*co-corresponding authors