沖縄調査
「海」に生きる人々
〜沖縄県座間味村:海の新たな利用に生きる道を見いだす〜
近畿大学COE博士研究員 鳥居享司
nk_torii@nara.kindai.ac.jp
1.はじめに    2.座間味村の概況    3.漁業の衰退と海洋レジャー事業の伸長     4.現在の経営スタイル    5.海に生きる


2.座間味村の概況
 座間味村は,沖縄本島から西南へ約40kmの距離にある。周辺にはサンゴ礁海域が広がっており,毎年多くのダイバーが来島している。 人口は1950年前後には2,000名を超えていたが,1980年には761名まで減少した。しかし,1980年代中盤以降,海洋レジャー事業が盛んになったことからIターン者やUターン者が見られるようになり,2005年には1,078名にまで回復した。 座間味村の主力産業は海洋レジャー事業であり,年間の9万人程度の観光客が訪れている。 漁業は海洋レジャー事業の傍ら営まれている。漁協には約60名の組合員が属しているが,漁業専業者は3名に過ぎない。ダイビング事業や民宿業との兼業が一般化している。