沖縄調査
「海」に生きる人々
〜沖縄県座間味村:海の新たな利用に生きる道を見いだす〜
近畿大学COE博士研究員 鳥居享司
nk_torii@nara.kindai.ac.jp
1.はじめに    2.座間味村の概況    3.漁業の衰退と海洋レジャー事業の伸長     4.現在の経営スタイル    5.海に生きる


4.現在の経営スタイル
 上記のように,海を利用した様々な業が行われており,漁業,ダイビング事業,ホエールウオッチング事業,民宿業などを組み合わせた経営が一般化している。主な経営スタイルは次の通りである。 第1は,周年ダイビング事業と民宿業を営むパターンである。ダイビング業者の多くがこの経営スタイルをとっている。第2は,ダイビング事業と漁業を組み合わせるパターンである。漁協の組合員の大半がこの経営スタイルである。漁業からの収入はそれほど期待できないためダイビング事業を中心とするケースが多い。第3は,ダイビング事業とホエールウオッチング事業を組み合わせるパターンである。14業者がこのパターンをとっている。1月〜3月はホエールウオッチング事業,それ以外はダイビング事業を中心に行っている。これに加えて民宿を営んでいる業者も存在する。第4は,周年漁業を営むパターンである。漁業専業者は3名であり,一本釣り,素潜り,刺網などを組み合わせている。 各経営パターンの収入等などについては今後の調査課題としているが,村民の所得は沖縄県のなかでも上位に位置している。