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2021年度卒論発表

本年度の修士論文発表会は、コロナウイルス蔓延防止のためビデオ録画の発表となりました。卒業論文発表会はオンラインでの発表と質疑になりました。
前列左から
吉田君:シアノバクテリが原生動物による捕食を回避するために長くなるのは大変面白いです。その変異がcwbAにあるのは感慨深いです。細胞壁分解酵素がなくなると細胞壁の分離ができないので長くなります。cwbAは細胞壁分解酵素を活性化するのですが、発見した枯草菌では表現型が見られませんでした(1992年)。それが30年後の今に表現型として現れたことは大変面白い。
市川さん:アンチフリーズタンパク質をアスベスト結合タンパク質に換えることができたのは、本当に面白い。まさにプロテインエンジニアリングです(私の学生の時の研究テーマ)。
西本君:珪藻タイプのLCPA合成酵素の活性が確認できたのは有意義でしょう。
山本君:酵素をシリカ胞子上にディスプレーできたのは素晴らしい。
大倉さん:エクソソームに対するペプチドプローブができたことは素晴らしい。質問であったエクソソーム以外のものかもしれない、という可能性はありますが、前実験で少なくともエクソソームに結合することはわかっています。
玉田さん:リン酸カルシウムからなる接着剤ができたのは面白い。将来骨折の接着剤になるかも。
山中君:亜リン酸独立栄養と汽水域がどう関係するか、大変楽しみです。

2020年度卒論発表

本年度の修士論文発表会は、コロナウイルス蔓延防止のためオンラインとなってしまいました。卒業論文発表会は対策を施した上無事行われました。
右から佐藤君: 歪みを感知するペプチドで回収率が上がった理由は、おそらく結合力が上がったのでしょうね。今後確かめてください。エクソソームの膜は電荷的に反発するため、簡単には融合することはないと思います。
赤塚君: 無機繊維はたくさんあるので、位相差顕微鏡では判別できません。人工知能だけでは判別できないでしょう。しかし一次スクリーニングには使えるというのは鋭い指摘かもしれません。
百川君:糖の消費量とEPS量がだいたい同じであれば、細胞増殖阻害はEPSが原因と言えるでしょうね。しかしphoUの変異は多面的であり、たぶん違うと思いますが。
中杉君: ポリアミンの重合メカニズムは考察したほうがいいでしょうね。同じようなポリマーではどうなのでしょうか。

2019年度修論発表

左上段
佐野君:封じ込め株のHfqを欠損させると水平伝播による復帰変異株が抑えられましたね。確かに、増殖が止まっている時の水平伝播は調べる必要があるかもしれません。
橋本君:インタクトなエクソソームが精製できるペプチドを見つけたことは素晴らしい。広く使ってもらえるようになれば良いです。
三好君:ILDによって亜リン酸特異的なトランスポーターを作り出せたのは最初の第一歩として素晴らしい。
堀川君:PtxDの種類を変えるとグルコーゲンの量が変化するか?という質問はよかったかもしれませんね。脂肪酸合成に振り向けられるとプラスチックができるかもしれません。
吉田さん:標的分子を検出するDNA分子素子作成法の開発は色々工夫して頑張りましたね。
山口さん:インスリンレセプタセンサーのRDによる高感度化はよく頑張りました。
山本君:長鎖ポリアミン合成酵素の遺伝子が明らかになったことは素晴らしい。また大腸菌で作れるのも今後楽しみです。
松本さん:大気微粒子とエンドトキシンの相乗効果を見つけたのは面白い。論文にしたいところです。

2019年度卒論発表
 

左上段
猪本君:LCPA合成酵素の基質特異性がわかった。指摘された様にNの貯蔵としても使えたら面白いですね。
日野君:封じ込め株のpH依存性を見つけて素晴らしい。今後うまく使っていけると思います。
黒田ソアラ君:ナノプラスチックが検出できることがわかったのは素晴らしい。質問でもありましたが、原理的には自動計測やソーティングにも利用できるでしょう。
村井君:インシュリンの検出プローブができたことは素晴らしい。今後の高感度化ができることを祈っています。
本君:pH制御で大腸菌の封じ込め株の増殖をon-offできたのは素晴らしい。今後、画期的なプロセスになると思います。
辻君:ファージディスプレーによって角閃石結合ペプチドを見つけました。今まで区別できなかった石英を区別できるので素晴らしい。
柳田さん:タルク中の0.1%クリソタイルを短時間で検出できるのは素晴らしい。実用化できるでしょう。

2018年度修論発表

左から
藤原くん:何年も難しかったアスベスト結合ペプチドを進化工学で作り出せたのは素晴らしい。アスベストのイメージングでわかった多核細胞はおそらく遺伝的に不安定になり、ガンの原因になっているのではないかと思います。
神原くん:部分的ではあるが、亜リン酸が捕食を抑制できることを示したのは素晴らしい。亜リン酸が環境中でリン酸にならないことは実際に示す必要はあると思います。また、亜リン酸を入れるとuncultureの真核が出てくることは新しい発見かもしれませんね。
 
今村さん:何とかなってよかったです。指摘されていましたが、PMSFなどでプロテアーゼを抑えたら抗バイオフィルム活性どうなるか、確かめることは重要です。バイオフィルムは菌によってでき方が違うとのこと、他も調べることは大切でしょう。
中川さん:長鎖ポリアミンの生合成遺伝子が明らかになったのは素晴らしい。また長鎖ポリアミンがシリカを合成する効率が高いことを示したのも素晴らしい。指摘されていましたが合成の反応時間を検討することも有意義と思います。
梶浦くん:エスケープ株の解析から、エスケープ株の出現を低減させる方法を考えたのは本当に素晴らしい。環境中のリン酸の濃度は10ppm程度なので問題ないと思います(培養中にはリン酸はない)。
市川くん:細胞シートを作り出せる簡単な方法を見つけれらて素晴らしい。今後大きく広まることを期待。
みなさんよく頑張りました。

2018年卒論発表会

左前列から
戸田さん:捕食の追跡のための方法を確立できてよかったと思います。次は、捕食はどうやって抑えるのか?ですが、亜リン酸と何か他のものを組み合わせて出来ないだろうか考えて欲しいと思います。
穴吹さん:尿酸に結合するペプチドが取得できたことは素晴らしいです。本当に痛風で困っている人に役立てるにはどうしたらいいか考えていきます。
田村さん:マイクロベシクルを精製する方法を確立できたのはとても面白い。超遠心機を用いた方法も完全ではないらしい。今後、開発した方法を標準法にしていきたいですね。
藤野さん:スマートフォン蛍光顕微鏡を使って特定DNAの検査ができるのは素晴らしい。拠点の成果として報告したいと思います。
坂本くん:クレアチニナーゼをSi-tagで活性を保って固定化できたのは素晴らしい。カロリメトリックなバイオセンサーは汎用性が高いので面白いと思います。
白石くん:インシュリンを測るバイオセンサーは面白い。さらに高感度化するにはどうしたらいいか考えて欲しい。

2018年生物工学会(大阪)

 

2017年卒論、修論発表会

堀川君(左)海水で選択的な藻類(PCC7002)の培養を行えるというのは素晴らしい。佐野君(左から2番目)封じ込めた後の排水をどうするかという質問は鋭い。基本的には流出しないようにして、封じ込め技術を合わせて完璧を目指すということでしょう。山本君(後ろ右側)長鎖ポリアミンの鎖長を制御するメカニズムは指摘の通り、興味あるでしょう。放線菌の抗生物質のカーボンの数を決めるのは、遺伝子のドメインのリピート数が関係する事実は特に面白い。ポリアミンも何かあれば面白い。(胞子の大きさのスケール間違っていました)。三好君(中央)シリカを使ったタンパク質の自動精製の際のDNAのコンタミは確かにチェックしておいた方が良いかもしれません。溶出剤であるアルギニンが問題になる可能性は否定できませんが、Hisタグ精製のキレート剤よりは問題は少ないと思います。
橋本君(後ろ左側)0.5MKClでエキソソームの内部が影響を受けないかという指摘はありえます。内部のマーカー酵素を検査するというのは必要かもしれません。マイクロRNAはちゃんととれていますが。松本さん(右2)エンドトキシンが菌によって違うので、粒子との相互作用も違うかもしれません。指摘の通り、違うLPSを使ってチェックしてみましょう。舟橋研の吉田さん、山口さん(右)も頑張っていました。

2016年修論、卒論発表会


 

土井君(左)は、鳥取大から来て慣れない環境で直にデータを出してくれましたがその後苦戦していましたね。でも発表の質疑応答は想像を超えてうまくこなしていたと思います。森部君(左2)のデータは将来論文になると思います。体育会系らしく自身をもって。田中君(左3)は、相手のアイデアにのってうまく議論すれば良かったかなと思います。例えば原核生物のシリカ重合メカニズムは、真核型の機能の起源だ!くらいのことをいっても許された雰囲気でした。小野君(右)は、どうなることかと思いましたが、最後まとめてきましたね。良かったです。
 
藤原君(左)は、鳥人間らしく満面の笑顔ですが、これからが勝負ですので、修士課程では全力で実験してください。どのような状態でアスベストがROSを発生させるのか、分かればすばらしいです。奥波羅君(左2)は、難しい実験だったと思いますが、最後DNA配列まで読めて良かったです。職人頑張ってください。勝浦君は、エスケープ変異のことを大変うまく説明していました。接合伝達や形質転換能力を遮蔽する様な変異を導入することは大変意義があります。神原君は、藻類の選択培養が出来てよかったです。現場ではもとから存在するリン酸が問題になるかもしれません。対策を考えましょう。市川君は、コロンブスの卵的な発見と思います。実用化に向けて動き出すと思います。今村さんは新しいL2の利用法を開いてくれました。効果がどれほど続くのかという質問されていましたが、今後の課題と思います。また高Mgで再生できることを言えば良かったかも。中川さんは、今後活性が証明できれば世界初ですので、頑張ってください。

2015年修論、卒論発表会

 
 

中司君(左)は、論文も2つも発表してよく頑張りました。1塩基の違いが分かるDNAナノツイーザーズはすばらしい。藤井君(左奥)は、Si-tagを使うことで、抗体の性能が物理吸着よりも向上することを実際に示せたことはすばらしい。作田君(中央前)、ポリリン酸のT細胞への影響を確実に示せたことはすばらしい。難しい質問にもうまく答えていました。嵯峨山君(中央奥)、ビタミンCがアスベストの毒性を減らせるとしたら大変おもしろい。徳田君(右前)、携帯型蛍光顕微鏡の応用を広めてくれたことはすばらしい。梅田君(右奥)、グラム陽性菌だけ回収できるとしたら面白い技術。今後の展開に期待できます。
  
吉永君(左)、ノロウイルスをスマートフォンで検出できるように今後も頑張ってください。野口君(右)、亜リン酸で生育を制限する技術は今後に期待できる。大変発表がうまかった。
皆さん、よく頑張りました(2016年2月)。