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カタリエヌモノ

** 2008.05の カタリエヌモノ **

 ++ 08.05.01 (thu) ++ 



今年は「子ども未来学科」の1年生のチューターをしています。

広大時代は,新入生を見てもどこか「後輩」という感じがしていました。
対照的に,梅大では完全に「学生」として認識しています。

梅大では最初から教員として関わっているのが理由かもしれません。
あるいは,年齢的にもう二十歳前の若者とは距離がありすぎるのかもしれません。

そして,彼らには4年間もの「パラダイス」期間が残されているかと思うと,うらやましいです。

 ++ 08.05.02 (fri) ++ 



私の所属する「子ども未来学科」の学生の印象は「素直」です。

こういう学生達だと,教員としては非常にやりやすいです。
講義をしても,素直に「うんうん」とうなずいてくれます。(*1)

けれども,私は「素直」な人間が苦手です。
素直さは盲目的に1つの価値観に固執する危険性と隣り合わせだからです。
これは,価値観の他人への押しつけに結びつきやすいものです。
他人の気持ちを自分の物差しで推測するという失敗も犯しやすくなります。

なので,授業では,よく1人ツッコミをしています。
教科書に書かれたことを解説し,その上で,自ら「これ,ホンマか?」と疑問を投げかけます。

一部の学生はビックリした表情を見せます。
そうすればしめたものです。

私は大学の授業の醍醐味は,このビックリをどれだけ与えられるかだと思っています。
一杯ビックリすれば,それだけ,世の中は多面的にできていると実感できるからです。

もちろん,そのような授業をするためには,私の研究者としての力量(批判力)も必要になります。

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(*1)もちろん,熱心に聞いていない学生もいますし,寝ている学生もいます(笑)。

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I feel that the students who belong to my faculty "School of Child Development Studies" are unsuspecting.

As a teacher, I can teach them easily because they nod without question in my lecture.

However I don't like obedient people because they tend to blindly persist in their value.
Many of these people make a mistake imposing their values, and they also make a mistake guessing the way other's feels with their values.

So I frequently query what I say when I lecture my students.
I explain the contents of the text, and I say "Is it really right?"

Some student surprise my query.
If so, I've got it.
And I give them another way to think.

I think that the real pleasure of the lecture is this surprising element.
If they can be surprised again and again, they can realize that the world is a many-sided one.

Of course, I need the ability as a researcher, the so called ability of critical thinking, in order to surprise them frequently.

 ++ 08.05.07 (wed) ++ 



研究室にカラープリンタやスキャナがないのでEPSONの複合機「PM-T960」を購入しました。

教育研究に必須の機材ですが,研究費もなく,科研(*1)も外れたので,自腹です。

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(*1)科学研究費補助金。公募により採用されれば文部科学省からいただける研究費。

 ++ 08.05.08 (thu) ++ 



これまでは研究費で学会の年度会費を支払っていました。
今年からは研究費がないので,当然自腹です。

日本心理学会 11,000円
日本基礎心理学会 9,000円
中国四国心理学会 3,000円
日本認知心理学会 7,000円
日本読書学会 9,000円
日本認知科学会 8,000円
日本ロボット学会 10,000円
日本教育工学会 9,000円
−−−−−−−−−−−−
 合計 66,000円

給料が減った(*1)上に,学界活動に必要な費用まで自腹です。

研究するなということなんでしょうね。

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(*1)「08.03.13」参照。

 ++ 08.05.09 (fri) ++ 



広島大学の心理学教室の紀要に掲載された論文のPDFファイルを「業績一覧」からダウンロードできるようにしました。

目久田純一・塚脇涼太・國田祥子・藤木大介・前田健一 (2007).怒りを表象する単語の情動強度に基づく分類 広島大学心理学研究,7,139-146.

これは,「発達研究会」の成果を後輩(目久田君)がまとめてくれたものです。

目久田君がこのテーマの研究を発展させていく上での端緒となる論文だと思います。

次の論文も楽しみにしています。

 ++ 08.05.10 (sat) ++ 



賢(さか)しい研究者は善か。

 ++ 08.05.12 (mon) ++ 



私は書籍は購入して手元に置かないと落ち着きません。
借りて読もうと思っても,返却期限等を考えると落ち着かないからです。

けれども,梅大に移ってきて,書籍を買い集めたこと(*1)が役に立っています。

梅大には心理学系のコースがありません。
そのため,図書館に心理学の書籍があまり所蔵されていません。

なので,授業を準備する際,教科書の記述では曖昧な部分を補ったり,自分の記憶が怪しくなっている部分を確認したり,概念を説明するための良い事例を調べたりするときに,買い集めた本が非常に役に立っています。

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(*1)「06.09.01」参照。

 ++ 08.05.13 (tue) ++ 



WillcomのPHS端末WS014INを購入しました。

ジャストPCカードサイズで,ThinkPadに差したままでも出っ張りがありません。
これでいつでもどこでもネットができます。

というわけで,久しぶりにダイアルアップ回線(AIREDGEの4x)で接続しています。
世の中のサイトがブロードバンド用になってしまったことを感じます。
あらゆるサイトがいちいち重いです。

このページはいつまでも軽く保とうと思います。

 ++ 08.05.14 (wed) ++ 



アロエさん(*1)は春を迎えることができました。
(この直後,SleepTalker氏に赤くなった葉っぱをむしり取られました。)

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(*1)「08.03.06」参照。

 ++ 08.05.15 (thu) ++ 



昨年執筆した論文が公刊されました。

早速「業績一覧」のページからダウンロードできるようにいたしました。

藤木大介・沖林洋平 (2008).社会的事象の因果の把握の困難さに対する信念が批判的思考態度に及ぼす影響 学校教育実践学研究,14,253-258.

これは沖林先生をリーダーとする研究プロジェクト(*1)での成果です。

既存の質問紙を組み合わせただけの研究です。
なので,特にオリジナリティがあるということもない論文です。
ただ,資料的な価値はあると思いますので,ご興味がおありの方はご一読いただければ幸いです。
(この論文を読むと,大学生に批判的な思考態度をとらせるトレーニングをする意義が1つ増やせます(笑)。)

このプロジェクトで私が書いた論文はまだ1本だけなんですね。
もっと貢献できているような気がしていました。
今年度も微力ながらお手伝いすることになっていますので,もうすこしがんばろうと思います。

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(*1)本サイト内では「高等教育を通した批判的思考力の育成」としてご紹介しています。

 ++ 08.05.16 (fri) ++ 



急遽,今日の午後から名古屋に出張することにしました。

職業柄,行っておいた方が良いかと思い,日本保育学会第61回大会に参加することにしました。
授業の準備が忙しくてそれどころではなく,行こうかどうか迷ったのですが,行くことにしました。

今の私には移動やアカデミックな雰囲気といった気分転換が必要な気がします。

ということで,明日の更新はお休みいたします。
次回更新は,19日(月)です。

 ++ 08.05.19 (mon) ++ 



私の所属する子ども学部には大学院課程がありません。
それによる弊害があると感じるのは,学ぶ(研究する)姿を見せる学生がいないことです。

一方,本学の文学部には文学研究科がつながっています。
図書館に行くと,院生らしき学生が仕事をしています。
文学部の学生は,自分の先輩がなにやらまじめにやっている姿を見るチャンスがあります。

こういうチャンスがあるかないかは,学部の雰囲気を作る上で影響がないわけではないような気がします。
これは特に実感としてあるわけではなく,端から見てて感じることです。

大学院課程がない状況でどうすべきかということを考えると,我々教員側が補うということになると思います。
特に,私は大学内でもっとも若い教員です。
大学とは学ぶところであり,学ぶことは自分にプラスになるということ示すような何かをしなければならないと感じています。

 ++ 08.05.20 (tue) ++ 



以前は自分の研究をいかに社会に還元するかを考えていました。(*1)
けれども,最近は研究そのものが役に立たなくても良い気がしてきました。

その代わり,
 学生をはじめ,社会に対して研究者としての「探求する姿」を見せること
 自分の発見などを分かりやすく世間に公開すること
も文化の発展のために意義があるのではないかと考えるようになりました。(ダメ?)

−−−−−−−−
(*1)「07.03.18」参照。

−−−−−−−−
I used to think about how I could link my research to social profit.
But now I feel it doesn't matter if my research ise useful.

Instead, I come to think
"showing an 'inquisitive attitude' as a researcher to society, including the students" and
"exhibiting my research results in easy-to-understand words to society"
are meaningful to the development of the culture.

 ++ 08.05.21 (wed) ++ 



1年目が基準。
はじめが肝心。

 ++ 08.05.22 (thu) ++ 



先日,研究室で新入生に対し
「大学は慣れましたか?」
等と尋ねる面接をしました。

その際,初めて研究室なるものを訪れた学生に
「職員室とかはないんですか?」
と聞かれました。

思わず,
「大学教員が一堂に会する職員室」
を想像してみました。

何ともおぞましいですね…(笑)。

−−−−−−−−
I interviewed the freshmen in my tutor class in my office.
I asked them "Have you benn adapting to the university?", and so on.

The students visited a "office" for the first time in their life.
They asked me "is there a teachers' room?"

They know only about the teachers' room like in their high school.
But I image if there was the teachers' room in which all professor gathered, it would be so horrifying.

 ++ 08.05.23 (fri) ++ 



マンションのモデルルームの案内とかで,道路で看板を持って座っている人がいますよね。

彼らはただ本を読んでいるだけだったり,特に何もすることもなく座っています。
けれども,看板だけが置かれているより注意を引きます。
これを眼にするたびに「人間という存在自体が注意を誘導する記号なんだな」と思っていました。

先日,このことを身をもって思い知らされました。

例の迷惑駐車の取り締まり(*1)をした際,学生が車を駐めそうな所に立って番をしていました。
すると,道行くドライバーの多くがこちらを見るのです。
やたらと目が合うので,うちの学生かと思うと,サラリーマン風だったり,おばちゃんだったり…でした。

何で注意を引くんですかね?
何が注意を引くんですかね?

どなたかご存じないですか?

−−−−−−−−
(*1)「08.03.15」参照。

 ++ 08.05.24 (sat) ++ 



どうも本当にアロエさん(*1)のファンの方がおられるようです(笑)。
複数の方からアロエさんへのエール(?)を頂きました。

このたびSleepTalker氏の下へやってきたアロエさんが幸運なのは,玄関先に置かれたことです。

これまでの場合,SleepTalker氏の植物はベランダに置かれるというのが常でした。
そして,しばらくたって無惨な姿で発見されるという繰り返しでした。

ところが,現在SleepTalker氏はベランダがない部屋にお住まいです。
そのため,よく目につく玄関先に置かれることになりました。

また,私が定期的にレポートしていることも功を奏していると思われます。

今度のアロエさんは意外に長生きするかもしれません。
(まぁ,元々強靱なアロエだから生きながらえているんでしょうけど…。)

−−−−−−−−
(*1)「08.05.14」参照。

 ++ 08.05.26 (mon) ++ 



先日SleepTalker氏にお教えした語彙。

「モニュメント」

 ++ 08.05.27 (tue) ++ 



だだっ広いリビング(*1)で一人仕事をしていると気が散ります。

かといってテレビをつけるともっと気が散ります。

音楽をかけると音楽が適度に注意資源を奪ってくれます。
そのため,研究室では聞き慣れた曲をかけ,仕事を始めます。
仕事が進み始めれば音楽は消します。
特に,論文を書くときは,音楽は邪魔です。

ところが,先日まで自宅では音楽はプレステ2でCDを流すより他ありませんでした。
しかも,そのスピーカー代わりをつとめるうちのテレビは間に合わせのもので(*2),モノラル音声です(涙)。

ということで,ヤマダ電機のポイントを使ってiPod用の安いスピーカーを買ってきました。

Maxell MXSP-1000(約8,000円)です。

低音も高音も鳴らず,解像感もない,何とも安っぽい音を出してくれます(笑)。
でも,最悪というわけでもなく,「ながら」で聞くには十分です。
場所もとらず,余ったiPod mini(*3)も活用でき,リモコン付きで,結構気に入っています。

ちなみに,なぜリビングで仕事をするかというと,リビングにしか照明がないからです(涙)。

−−−−−−−−
(*1)「08.04.23」参照。
(*2)「07.08.21」参照。
(*3)「06.05.11」参照。

 ++ 08.05.28 (wed) ++ 



久々に自分でアンケートデータの入力しました。
単純作業なので自宅でダラダラやりました。

自宅で作業する際は,普段持ち歩いているThinkPad X40か,自宅常駐のThinkPad S30を使うことになります。
しかし,これらのノートパソコンにはテンキーがついていません。

ということで,USB接続の(テンキー付き)キーボードを980円で買いました。(*1)
#てか,何であんな不規則な配列のキーボードばかり売っているのでしょうか…。
#一番オーソドックスなやつを選んだら,最安のやつでした(笑)。

ここのところ,データの入力等はアルバイトの学生にお願いしていました。
久々に自分で打ち込むと,気分転換にはよいのですが,やっぱり面倒ですね。

今の大学でもアルバイトが雇えればよいのですが…。
研究費もありませんし,学生も授業数がやたら多くて忙しそうなので,無理そうです。

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(*1)予備のキーボードはどれもPS/2なんですよ…。

 ++ 08.05.29 (thu) ++ 



私の研究室のある棟は,最近2度も断水しました。

老朽化しているので,しょうがないのですが…。

 ++ 08.05.30 (fri) ++ 



先週の水曜日から昨日まで,毎日何らかの会議やミーティング…。

ちゃんと忘れずに全て出席できた私はえらいと思います(笑)。

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追記(17時):そして今日,細かい仕事にあたふたしてたら講演会に出忘れました…(涙)。

 ++ 08.05.31 (sat) ++ 



大学が私に長くいてほしいと思うのなら,大学は私のことを大切に扱うでしょう。

単なる消耗品だと思っているならば(*1),私も自分の身を守らなければなりません。

その辺は,これから少しずつ見えてくると思います。

−−−−−−−−
(*1)もちろん,ある程度はしょうがないと思っていますけど。

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