プロフィール
自己紹介
服巻 豊(はらまき ゆたか)
職名 | 教授 |
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メールアドレス | |
座右の銘 | 人間万事塞翁が馬 |
好きな偉人 | 上泉信綱,勝海舟,坂本龍馬 |
趣味 | 野球,居合道,杖道,トレッキング |
服巻の研究についての紹介
研究は,日常のなかにある素朴な疑問から始まります。臨床体験における素朴な「問い」を心理学的介入研究に落とし込み,臨床現場の方々に役立つ情報が得られるような実証研究を志向しています。最近では,「臨床的な問い」について基礎心理学と臨床心理学を架橋した研究を実現するために,実験心理学・脳科学・発達心理学の研究者との共同研究を進めています。
臨床オリエンテーションと支援実践
来談者中心療法,臨床動作法,緩和ケア・透析ケア,身体疾患患者への心理療法,発達障害児・者支援(当事者・家族・専門家コンサルテーションなど),コミュニティ心理学的支援(病院,地域行政,在宅などのアウトリーチ)
研究業績
研究業績は,大学の研究者総覧をご覧ください。
サバティカル研修中に取り組んでいる研究テーマ
【関心事】身体運動による運動依存のBDNFが中枢でのポジティブな作用をもたらし,記憶の改善,うつの改善,パーキンソンニズムの症状改善,認知症改善などの有効性が動物実験並びに人を対象とした研究でも明らかにされています。 BDNFは運動によって脳内で増加し,血液脳関門を通過して全身をめぐることが知られており,人を対象とした研究では血中BDNF量を測定することで脳内の増加量を予測して効果検証を行っています。 近年では,心不全へのBDNFの影響も明らかにされ,心不全患者の血中BDNF量が予後予測因子となるという発表もされています。 BDNFが脳で最初に発見され,脳に多くの分布があることが知られています。同時に,筋肉など末梢にもBDNFが存在し,特に筋肉では損傷の回復に寄与することが明らかにされています。 私たちはこれまで臨床動作法による身体動作を介したリラクセイションや自己コントロールの体験によって不安,抑うつなどのネガティブ感情を低減あるいは安定化させることを介入研究で明らかにしてきました。 臨床動作法で用いる動作課題は,ラジオ体操よりも簡便で,負荷が少ないものが多く,時に手首のみなど間接部位一つでも主体的動作を引き出すことが可能な課題であり,重度な患者にも適応可能な心理援助技法です。 そのため臨床動作法の動作課題によってBDNFが増加することが明らかになれば,がん性疼痛に苦しむ,あるいは寝たきりで慢性疼痛に苦しむ患者さんたちにも適応でき,かつ,BDNFの臨床的効果を誰でも享受できると考えました。 そこで以下の研究を福岡大学薬学部の右田啓介教授と共同研究として取り組むことといたしました。 サバティカル研修の1年間で,本研究が今後も取り組むべき重要な課題であるのかを検証していきます。- 【動物研究1】マウス筋肉細胞から遊離される脳由来神経栄養因子(Brain-Derived Neurotrophic Factor: BDNF)の生体内動態の解明
- 【動物研究2】自発運動によるマウス骨格筋,血中,脳内BDNFの動態変化の解明
- 【人を対象とした研究】臨床動作法によるリラクセイションがだ液中BDNF量に与える影響
- 【動物研究と人を対象とした研究の融合】筋肉由来の末梢性BDNFの中枢移行と中枢作用の解明
- 【臨床実践研究】臨床動作法を用いたストレスマネジメントの効果検証(病院看護師を対象として:病院倫理審査委員会を通過し,実施中)
取り組んでいる研究テーマ
- 動作課題を通した動作体験と日常体験への般化とのつながり
- 透析患者やがん患者などの慢性身体疾患患者への心理的援助
- 慢性身体疾患を抱えた慢性疼痛患者への臨床動作法を用いた疼痛緩和メカニズムの研究
- 発達障害児・者の効果的な生活支援―乳幼児から成人・高齢者までの生涯支援
- 子どもたち,保護者,教師,地域住民や看護スタッフを対象とした臨床動作法を用いたストレスマネジメント教育プログラムの効果研究
- 自然災害の被災住民のストレスマネジメント
- 自然災害における住民への予防教育
現在,関心を持っている研究テーマ
- 共感とはなにか?
- 意図性と主体性との関係
- 痛みの心理・生理・脳神経学的メカニズム
- 発達障害児・者の意図性と社会性との関連のあり方
修士論文(修士(薬学))
「Cocaineの中枢興奮作用に関する行動薬理学的検討ならびに側坐核神経細胞における電気生理学的検討」福岡大学大学院薬学研究科 修士学位論文(1995)
修士論文(修士(人間環境学))
「維持透析患者の心理特性とその援助に関する検討」九州大学大学院人間環境学研究科 修士学位論文(2001)
博士学位論文
「維持透析患者の内発的な自己治癒活動支援に関する臨床心理学的研究」九州大学大学院人間環境学研究科 博士(心理学)学位論文(2012)