古辞書の世界

これまでの研究の成果である古辞書の入力情報を公開しています。
学術的な利用を歓迎します(使用の際に当サイトのデータの利用を断る必要はありません)。
お手元のデータベースに組み込むなどの二次的利用にあたっては、白井までご相談ください。
データの利用にあたっては、原本(複製)を参照することを強くお勧めします。
データの更新は随時行います。現時点での内容に誤りが含まれる可能性もありますので、十分注意してご利用ください。データに誤りを見つけた方は、白井までご一報いただけましたら幸いです。

1. キリシタン版『落葉集』単漢字部分(第2版 2023年8月7日公開)
2. キリシタン版『落葉集』熟語熟字部分(第1版 2023年8月7日公開)
3. 慶長15年版『倭玉篇』データベース(第1版 2023年11月28日公開)

1. キリシタン版『落葉集』単漢字部分

内容
このデータは、キリシタン版『落葉集』(イエズス会ローマ文書館蔵)の単漢字部分の漢字とその音訓をエクセルに入力したものです。
単漢字部分とは、「本篇」(原典では「落葉集」とする)、「色葉字集」各部の単漢字掲載部分、「小玉篇」です。
本データは、科学研究費基盤研究(C)「中世漢字字書・語彙辞書統合データベースの構築による和訓の段階的構造の解明」(23K00552)による研究成果の一部です。

データ入力の方法
id:出現順に並べた連番です。
分類:「本篇」(h)・「色葉字集」(i)・「小玉篇」(s)の各部内での出現順です。"h-3"は「本篇」で3番目の用例です。
標準:『落葉集』掲載漢字です。本文に旧字体「醫」が掲載されている場合、ここには新字体「医」を入力してあります。本文に明らかな誤りがある場合、期待される正しい内容を入力してあります(各部末の正誤表も参考にしました)。本文が繰り返し符号の場合、期待される内容を入力してあります。
実際:「<醫>」は「標準」に本文とは異なる新字体で入力した場合の対応する旧字体です。検索にあたっては、「標準」だけでなく「実際」もあわせて検索すると漏れを防止できるでしょう。
誤植:和訓「たち」に対する「棺」のように、本文に明らかな誤植がある場合は「標準」に「館」として期待される正しい内容を入力したので、ここには本文に現れた内容を「[棺]」のように入力してあります。
踊字:本文が直上の漢字の繰り返しを表す「々(ヽ)」で掲載されている場合に「○」を入力し、「標準」には対応する漢字を入力しました。
備考:「色葉字集」「小玉篇」で、本文が直上の漢字に対して異体字・異形字を掲載する場合に「異体字掲出」として注記しました。
所在:「本篇」3丁表3行目上から3文字目の「船<舩>」の所在情報は"h03o-03-03"になります。「小玉篇」は本文の丁数に従ったので、小島幸枝(1978)の複製本の丁数表示とは2丁分ずれています(冒頭の索引2丁分の数え方による)。
左右傍訓:掲載漢字の左右に付された和訓です。清濁は原本でも判別が難しい例があるので、一々判別せず期待される形で入力しました。おどり字の例は「こゝろ」「すゞしゝ」「かたゝゝ」です。和訓全体がおどり字の場合は「をのをの(おどり字)」です。和訓がない場合は「(なし)」です。仮名「は」のうち字母「八」はカタカナの「ハ」としました。当代において「ハ」は[wa]とよむ字体で、通常は語頭に現れないので(『落葉集』ではまれに和訓の語頭に現れ、一部は正誤表で訂正されています)、それを判別できるようにしました。その他の情報は「( )」で示しました。
左右傍音:掲載漢字の左右に付された字音です。字母「八」については「左右傍訓」に示した説明と同じです。
字下注訓1~6:漢字の下に掲載された和訓で、右から順に1~6です。「*」は本篇の熟語上字下に字下注訓がないことを示します。

参考情報
キリシタン版『落葉集』(イエズス会ローマ文書館蔵)の影印および音訓索引は、小島幸枝『耶蘇会板落葉集総索引』笠間書院(1978)が「国文学研究資料館学術情報リポジトリ」でPDF画像として公開されています。

2. キリシタン版『落葉集』熟語熟字部分

内容
このデータは、キリシタン版『落葉集』(イエズス会ローマ文書館蔵)の熟語熟字部分の漢字とその音訓をエクセルに入力したものです。
熟語熟字部分とは、「本篇」(原典では「落葉集」とする)、「色葉字集」各部の熟字掲載部分、「百官・唐名」です。
本データは、科学研究費基盤研究(C)「中世漢字字書・語彙辞書統合データベースの構築による和訓の段階的構造の解明」(23K00552)による研究成果の一部です。

データ入力の方法
id:出現順に並べた連番です。
熟語所在:熟語の所在情報です。"i01u-05-01"は「色葉字集」1丁裏5行目の上から1番目に掲載された熟語です。略号は「本篇」(h)・「色葉字集」(i)・「百官・国尽」(k)です。
部・部番号:各部内での分類と、それに対応する一意の番号です。
部内・親字内:各部内で熟語・熟字上字の掲載順に対応する一意の番号と、その番号内での掲載順に対応する一意の番号です。
標準:『落葉集』掲載漢字です。本文に旧字体「醫」が掲載されている場合、ここには新字体「医」を入力してあります。本文に明らかな誤りがある場合、期待される正しい内容を入力してあります(各部末の正誤表も参考にしました)。本文が繰り返し符号の場合、期待される内容を入力してあります。
よみ:掲出熟語・熟字の右傍の音訓です。
字1~5:熟語・熟字を構成する漢字を1文字ずつ切り出したものです。
字所在1~5熟語・熟字を構成する個々の漢字に対応する一意の番号です。これを利用することで単漢字データとの連係が可能です。
よみ1~5熟語・熟字を構成する個々の漢字に対応するよみです。熟字訓で和訓が個々の漢字に対応しない場合は「ー」とするか、「(やまと)」のように入力してあります。
実際1~5:「<醫>」は「標準」に本文とは異なる新字体で入力した場合の対応する旧字体です。検索にあたっては、「標準」だけでなく「実際」もあわせて検索すると漏れを防止できるでしょう。
誤植1~5:和訓「たち」に対する「棺」のように、本文に明らかな誤植がある場合は「標準」に「館」として期待される正しい内容を入力したので、ここには本文に現れた内容を「[棺]」のように入力してあります。
踊字1~5:本文が直上の漢字の繰り返しを表す「々(ヽ)」で掲載されている場合に「○」を入力し、「標準」には対応する漢字を入力しました。
よみ誤植1~5:熟語・熟字を構成する個々の漢字に対応する音訓に誤りがあった場合、補正前のかたちを入力してあります。

参考情報
キリシタン版『落葉集』(イエズス会ローマ文書館蔵)の影印および音訓索引は、小島幸枝『耶蘇会板落葉集総索引』笠間書院(1978)が「国文学研究資料館学術情報リポジトリ」でPDF画像として公開されています。

3. 慶長15年版『倭玉篇』データベース

内容
このデータは、王聿舟氏(2022年度広島大学大学院修士課程修了)が慶長15年版『倭玉篇』(内閣文庫 特115-0013、所在情報は中田祝夫による影印に対応)の漢字とその音訓をエクセルに入力したものです。
作成者の許可を得て掲載し、メンテナンスは白井が担当しています。
本データは、科学研究費基盤研究(C)「中世漢字字書・語彙辞書統合データベースの構築による和訓の段階的構造の解明」(23K00552)による研究成果の一部です。

データ入力の方法
原本所在:慶長15年版『倭玉篇』での所在情報です。「1_001o_01_01」は上巻1丁表1行目上から1番目」、「3_071u_03_01」は下巻71丁裏3行目上から1番目です。
古辞書大系所在:中田祝夫(1966)『倭玉篇 研究並びに索引』風間書房の影印での所在情報です。「1_005_1_1」は上巻5頁1行目上から1番目」、「3_486_3_1」は下巻486頁3行目上から1番目です。
部首番号:慶長15年版での部首番号です。
部首・掲出字:部首字と掲出字です。表示できない漢字はIDSを用いて表示しています。
漢字検索:掲出字に対応する新字体です(該当がある場合)。
異体字:掲出字に対応する異体字です(該当がある場合)。
漢字注:漢字注です(該当がある場合)。
字音1~4:漢字に対応する字音です。
和訓1~27:漢字に対応する和訓です。
和訓検索:和訓が特殊な仮名遣いになっている場合の標準的な仮名遣いです。番号は各和訓番号に対応します。

参考情報
慶長15年版『倭玉篇』は、国立公文書館デジタルアーカイブにおいて画像公開(パブリックドメイン)されています。