第62回日本爬虫両棲類学会に参加しました
2023年12月9日(土)、10日(日)の日程で東邦大学習志野キャンパスにて開催された日本爬虫両棲類学会に参加しました。コロナ明けということもあってか、たくさんの参加者で非常に盛会でした。参加者は当日参加を含めると400名以上だったそうです。
私の発表は二日目最後の演題で、
「カジカガエル類2種の新規ゲノム決定と温度適応関連遺伝子の同定」
井川武・白神賢人・Priambodo Bagus・浅枝優花(広島大・両生研)・坊農秀雅(広島大・統合生命)・荻野肇(広島大・両生研)
というタイトルで、リュウキュウカジカガエルとカジカガエルのゲノム決定と温度適応関連遺伝子について話しました。
実は東邦大学で開催された日本爬虫両生類学会に参加するのがこれが2回目で、1回目は20年前の2003年、私が修士1年で初めての学会発表をしたのがこの東邦大学でした。実に20年ぶりに同じ会場(教室などは違ったと思いますが)で発表できて密かに小さく感動していました。20年前(42回大会)のタイトルは
「ミトコンドリア遺伝子の塩基配列情報に基づくヒキガエル類の種分化および系統進化」
井川武・倉林敦・西岡みどり・住田正幸(広島大・両生研)
で、ヒキガエルの系統進化について発表していました。同じ年の2003年4月に大学院に入学して半年間でヒキガエルのミトコンドリア遺伝子の一部を決定して分子系統解析しただけの内容で、知識も理解もおぼつかないような状態だったと思います。20年経ってもそんなに進歩していないと言われそうですが、サンガーシーケンサーでミトコンドリアゲノムの一部を決めていた時代から、個人プロジェクトでゲノムを決める時代になったことには隔世の感があります。
以下、余談。
20年前の発表は、今のようにパソコンのパワーポイントではなくOHP(スライドはパワーポイントでつくってインクジェットプリンタでOHP紙に印刷)での発表でした。原稿もカードを作ってしっかり練習して臨みました。緊張のためでしょうか、発表の最中のことはよく覚えていません。ただ、M先生が目の前に座られていて、発表後、即座に手が挙がったのを覚えています(何を質問されたか朧気ですが、学名のことだったか?)。
宿は船橋出身だった同級生のM山君のうちに泊めてもらいました。M山君の実家は落花生農家だったかと思います。温かい朝食をごちそうになり、手厚くもてなしてもらいました。たしか帰路は羽田に着いていたにもかかわらず、のんびりしていて2人一緒に飛行機に乗り遅れたはず。私も相当マイペースでしたが、M山君はもっとマイペースだったと回想します(本人は否定するでしょうか)。私以外の両生研の同級生全員が早期取得で学位を取得する中、私はただ一人のんびりと正規の5年間で学位を取得しましたが、その間にM山君は研究室を移動し、そのうちに退学してしまいました。今はどうしているのか。