梶原行夫/News


2013.03.13
約2ヶ月に及ぶ欧州滞在から無事帰国。
イタリア放射光施設での実験、ローマ大学、ペルージャ大学(以上イタリア)、チャルマーズ工科大学(スウェーデン)、南デンマーク大学(デンマーク)の各大学でのセミナーを一通りこなして、有意義な出張となりました。もちろんトラブルもかなり有りましたが、それらを超えて、欧州の研究者と積極的に交流できたことは自分にとって自信になりました。


2013.06.21

[1]ローマ編:

今回約2ヶ月間滞在したローマ大学サピエンツァ校(とは言っても、うち1ヶ月間以上は他へ出張中でしたが)。 (1)物理教室前にて。 (2)割り当ててもらった部屋。広いのはいいのですが、基本的に毎日一人っきりで寂しかったです。ホントは、研究室の若い人たちと同じ部屋で毎日戯れて、、、というのを期待していたのですが、ローマ大学では同じ研究室のメンバーでも皆異なる部屋に生活してて、そういう状況にはならず。 (3)実験室にて、学生さん、ポスドクさんが実験装置の調整中。可変波長レーザー+波長変換素子を使用しており、白、緑、青、黄色、とレーザー光が非常にきれいでした。その分調整は非常に難しそうで、僕が見ている間(何時間もいたのですが)には、結局きれいなシグナルは得られませんでした。


セミナーでの発表の様子。研究室の学生さんに撮ってもらいました。若い人を中心に10人以上の聴衆がいたのですが、、、これではよくわからないですね。セミナーでは、受け入れ研究者のT. Scopigno氏、たまたまローマ大学に滞在していたMainz大学のW. Schirmacher氏と激しい?議論となりました。もう少ししっかり自分の主張を通したかった面もありますが、有意義な議論ができました。


(1)何万人もの学生を抱えるローマ大学ですが、実は構内には一つもレストランがありません。学食の料理も結構期待してたのですが、、、これも残念。なので、毎日近所のピザ屋でカットピザを買って昼食にしました。非常においしかったです。 (2)ローマ大学構内のカフェ。どの時間帯も人でごった返してました。


ローマでは、アパートを借りて滞在。(1)中庭?の状況。(2)オーブンもついてて、キッチンは充実してました。毎日イタリア料理を自炊しました。ただ、、、給湯システムが途中で(と言うか、最初から)壊れて、途中で引っ越す羽目に。この寒い冬に、暖房も効かず水シャワーを浴びる羽目に。やはりヤラレヤなのか?



[2]トリエステ編:
実験を行うため、イタリア・トリエステの放射光施設Elettraに約2週間の滞在。自身の非弾性紫外線散乱実験(IUVS)のビームタイム(放射光を利用できる時間)が1週間、共同研究として、現在Elettraでポスドクをやっている齋藤さんのラマン測定のビームタイムが3日間と長丁場でした。


(1,2)SPring-8とは異なり、Elettraには付属の宿泊施設がないので、少し離れた村にある一般のホテルに宿泊。広くてきれい、しかも簡易キッチンも付いてて快適なのですが、いかんせん60ユーロ/1泊は長期滞在には高すぎ。


(1)Elettra近郊の立体地図。いかに田舎にあるかがわかります。地図の左上の方にElettraがあり、右下の方の村にあるホテルから毎日通勤でした。(2)Elettraまでの道中はこんな感じ。雪道を2キロ弱歩いて通うことに。


(1)実験装置、試料周り。普通の分光器に使う石英キュベットをそのままセットすることができます。(2)隣の部屋にあるPCから装置をコントロール。(3)こちらは齋藤さんの実験装置。


Elettraでの生活。(1)昼食は併設の食堂で。結構おいしいです。(2)ただ問題は、この食堂は平日昼間しか開いていないこと。夜は宅配のピザを頼んだりしてしのぎました(ただしこのピザ屋さんは英語が通じないため、グループのイタリア人に電話してもらうしかなかったです。しかも遙か遠くの市街地からやってくるので、配達料も必要。)。さすがイタリア、宅配であっても味はなかなかのモノです。(3)実験は昼夜関係なく連続して行われるため、うまく休憩を取ることが大事。ただSPring-8とは異なり仮眠用のソファー等は全くありません。齋藤さんは自前のテントを持ち込んで仮眠を取っていました。僕は、、、20分以上かけてホテルまで帰っていましたが、睡眠時間は毎日3−4時間。完全に寝不足。


(1)Elettraには、SPring-8同様、FEL施設が併設されています。(2)IUVSグループでは、FEL施設を利用したプロジェクトも進行中。壁で仕切られた(関係者以外立ち入り禁止)奥の空間に装置が。(3)ちょうど私の滞在中にビームタイムが割り当てられ、実験が行われていました。まだまだ安定してデータを取るのは非常に難しいようでした。



[3]デンマーク・オーデンセ編:
同じ学部の田中晋平さんが南デンマーク大学に一年間の留学中でした。スウェーデンに行く途中に立ち寄ることに。


市内を観光。(1)童話作家として有名なアンデルセンが生まれた街で、ミュージアムがあります。(2)教会はシンプルな感じです(ローマで豪勢な教会ばかり見た反動かも)。(3)夜は田中さんの知り合いが地元アイスホッケーチームの試合に誘ってくれました。初めて見るアイスホッケーの試合、しかも地元チームの勝利で楽しめました。


南デンマーク大学にもお邪魔。研究室のメンバーと食堂でランチ。非常においしかったです。予定はしてなかったのですが、この後急遽セミナーもやりました。




[4]スウェーデン・ヨーテボリ編:
以前SPring-8で共同研究したChalmers工科大学、Matic教授のグループを訪問。冬に極寒の北欧に行くのはどうかとも思いましたが、せっかくの機会なのでと思い連絡を取ったところ、快く受け入れてくれました。


ヨーテボリの駅前。この時点では思っていたほど寒くはなかったのですが、、、


(1)Matic教授の凝縮系物理学グループは教授5人、総勢30名超の大所帯。ワンフロア全体がグループの部屋になっていました。(2)いろいろな実験装置を見学。写真は光散乱の装置。


(1)昼食は大学の食堂で。おいしかったです、が、これで1000円ほど。一般的に北欧の物価は非常に高いです。(2)ある日の食堂前。リクルートフェアをやってました。地元企業のボルボが自社のトラックや車を持ち込んだブースを作ってました。(3)セミナー後、Matic教授および二人のローマ大学出身のポスドクさん2人と外の食堂へ。ケバブ屋さんでした。北欧でもはやってるみたいでした。


(1)最終日、ポスドクさん2人が市内の島々を巡るフェリーの旅に連れて行ってくれました。(2)この島、夏場の別荘地にもなっているようで、家々が非常にかわいらしかったです。ただ、この日の気温は氷点下。旅の後、ポスドクさんたちは凍えてました。いや、僕はそれほどでもなかったのですが。ユニクロのヒートテック下着のおかげでしょうか。メードインジャパン万歳。


2013.07.17

[5]イタリア・ペルージャ編:
光散乱測定による液体のダイナミクス研究で成果を上げている、ペルージャ大学のFioretto准教授の研究室を訪問。


(1)ペルージャ大学物理教室の入り口。古めかしいです。(2)僕のセミナーの予告が所々に掲示されていました。(3)グループのメンバーたちと、近くのレストランで昼食。ただしこの日は、イタリア総選挙のちょうど翌日。皆選挙の話題で白熱してました。もちろん僕はついていけず。。。


(1)実験装置の見学。(2)もちろん、セミナーもやりました。(3)時間になっても皆が揃わないので、「さすがイタリア人ですね」と突っ込んでみました。待ってるしばらくの間、皆の写真を撮ろうとしたところ、笑顔で「さすがジャパニーズ」と返されました。


コンタクトパーソンのCorezzi女史の棚。猫大好き!とのことで日本の招き猫も飾ってありました。(実はFioretto氏への手土産が招き猫だったのですが、、、(汗))


宿泊したホテルは安宿でしたが、眺めは最高でした。


(1)観光地となっている歴史地区で。いまは日本でもよく見かけるFiat500。かわいかったです。すぐ横に車のオーナーいましたが、かわいらしいおじいさんでした。(2)ある日の夕食イタリアン。非常においしくて感動しました。と思っていたら、帰り際に挨拶に現れたのは、日本人の若い(20代と覚しき)女シェフ。イタリア料理の修業に来てて、現在1年ほどとか。実は彼女、本場イタリアンは味付けが濃すぎると感じてて、オーナーシェフに了承を得てやや薄めの味付けにしてあるとのこと。道理で日本人の口に合うわけだ。納得。(3)Fioretto氏に勧められた、大学近くの地元チョコレート店Cioccolateria Augusta Perusia。観光向けではない(英語通じません)のですが、非常にかわいらしいお店でした。味もGood。


ペルージャは高速鉄道の幹線からは外れているため、バス交通網が発達。同じ時間に何本ものバスが同時に出発。


[6]観光編:
欧州滞在中、研究目的以外にもいろいろなところを訪れました。


フィレンツェ。非常に美しい街でした。(1)街の象徴、ドゥオモ。(2)ダビデ像。写真はシニョリーア広場のレプリカですが、アカデミア美術館のオリジナルは非常に素晴らしかったです。今回の旅で一番感動した場所でした。


バチカン。(1)ラオコーン像。(2)ラファエロ作、アテナイの学堂。(3)サンピエトロ寺院、内部。ちょうどテレビで正月の盛大なミサを見た後で訪れたので、感動的でした。(4)教皇ベネディクト16世のツイッター。進んでますね(僕は使ったこと無いです)。この後約一ヶ月で教皇が引退することになろうとは、この時点では露とも思わず。


後日、教皇引退後、再度訪問。教皇不在の間のみ販売という、レアものの切手を貼って、日本へハガキを投函。


ピサ。(1)斜塔の屋上より。(2)斜塔のほか洗礼堂、大聖堂も含め、ドゥオモ広場一体は美しいかったです。雨で非常に寒かったのが難点でしたが。


シエナ。(1)「世界一美しい」カンポ広場。広場中心に向かう貝殻状の傾斜が絶妙でした。ただ、写真に撮るのは非常に難しかったです。行って実感されるのがよし。(2)ドゥオモ。こちらも美しかったです。ただ、先ほどまで晴れてたのに、大雪に。。。


世界遺産の街アッシジ。小さいながら非常に美しい街でした。(1)丘の上に築かれた街です。(2)街の中心、フランチェスコ聖堂。


ナポリ。高台に立つサンテルモ城からの眺め。ヴェズビオ火山から続く海岸線が非常に美しかったです。「ナポリを見てから死ね」にも納得。


ナポリ。(1)駅北部の高層ビル群。あまりイメージになかったですが、そういえば100万都市でした。(2)ナポリと言えば、ピザ。食べずに帰るわけにはいきません。(3)美術館で見つけた古代の調理器具。たこ焼き器?


終盤、ローマ市内を散策。(1)イタリア食材の巨大店舗、Eataly。日本でも首都圏には出店されているとか。いろんな食材満載で、料理好きとしては、非常に満足。滞在終盤でなければ、いろいろ買って試してみたかったところです。(2)セリエAを観戦。と言ってもバスケットボール。エンターテインメント要素ほとんど無し、シンプルに試合を見せる感じでした。(3)イタリア特産のお酒、グラッパ。ブランデーの一種とか。酒好きの方へのお土産に、と思ったのですが、ちょっと強すぎました。(4)最終日前日、ピンチョの丘よりポポロ広場&サンピエトロ寺院を望む。さらばローマ。


[7]帰国編:

関空に戻ってきて、なにわともあれ、日本食。ラーメンいただいておきました。



2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度


トップページへ