プロクシベースト・スライディングモード制御(PSMC)

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PID位置制御・PD位置制御の正確さ・ロバストさ・シンプルさを失わずに,より安全な位置制御を実現できます.

共同研究を行っていただける企業・研究機関・大学等を求めています.
ご興味のある方は,菊植()までお気軽にご連絡ください.

 PID方式・PD方式の位置制御は,非常な簡単な制御則でありながら,関節摩擦やロボットのリンク慣性の影響を「力ずく」で押さえ込むことができる極めて便利な制御側で,ロボット分野でも広く用いられています.しかしPID位置制御・PD位置制御は,大きな位置誤差が生じたときに,非常に大きな力が出たり,非常に大きな速度が出たりする可能性があります.たとえば,手先が何かに引っかかったとき,アクチュエータの電源が切れてから突然回復したとき,あるいは,プログラムのエラーやバグなどで誤った目標軌道が与えられたときなど,危険な動作をする可能性があります.

 プロクシベースト・スライディングモード制御(PSMC,Proxy-Based Sliding Mode Control)は,安全性を高めた位置制御方法です.PID方式・PD方式の位置制御と同等に正確な位置制御が可能で,かつ,PID方式・PD方式よりも安全です.PSMCを用いると,通常動作時の正確な位置制御性能は損なわれずに,異常発生時に緩やかで滑らかで過減衰な(オーバーシュートを起こさない)復帰動作が実現します.

 PID制御では,目標位置が急激に変化すると振動・オーバーシュートが生じます.PSMCでは穏やかに収束します.
 PID制御では,大きな外乱のあとに急激に復帰動作をして振動・オーバーシュートが生じます.PSMCでは穏やかに復帰します.
 動画の実験装置は名古屋工業大学藤本研究室に設置されているもので,同大学の武居直行准教授の設計・製作によるものです.これらの動画の本ページへの掲載は,藤本英雄教授武居直行准教授のご好意によります.

 PID制御でも微分ゲインを大きくすれば動作は穏やかになりますが,エンコーダの量子化ノイズの影響を受けて振動が発生したり,通常動作時の追従性能が劣化したりします.PSMCは,

を両立することが可能です.

 たとえば,こんな応用も可能です.


PSMCの資料集


PSMCに関するFAQ (2010/5/19 更新)


PSMCに関するリンク


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