東野圭吾さんの 『赤い指』 を読みました。 明日返却しないといけないことに気づき、慌てて読んでしまいました。 ひゅーっ。 以下、若干のネタバレと大量の 「バカ」 という表現があります。
前もって 「家族もの」 ということだけは知っていたのですが、まさかこんなバカ家族の話だったとは… (もう1つ別の家族のストーリーもあるのですが、バカ家族の話が主)。 主筋は、中学生のバカ息子が小学生の女の子を殺して死体を家の中に放置し、それをバカ両親が必死で隠蔽するという話。 実際にありそうで怖い。 バカ父はバカ息子にはっきり意見が言えず、バカ母はバカ父からバカ息子をかばう。 両親がそんなんだから、バカ息子はわがままし放題。 ったく。 そして、このバカ母は嫁としても最悪。 読みながら何度も 「バカたれ、バカたれ」、「ホント、バカじゃないの?」 と呟いてしまいました。 読んでいてすごく腹が立った (これは作者が上手い証拠)。 バカ父は最初 「警察に通報しよう」 とまともなことを言うのですが、バカ母に止められあっさり断念。 そしてバカ息子のために死体を捨てに行き、最終的に同居している自分の認知症の母親がやったことにしてしまおうと企む。 ありえない。 本当に最低、バカたれ。 バカ母は 「警察に知られたら、息子の人生も自分達の人生も終わりだ!」 とか言い出して、本当に救いようがないバカ。 何言ってるんだ、お前のバカ息子のせいで被害者の女の子の人生は本当に終わったんだぞ! 女の子の両親の人生もめちゃくちゃにしたんだぞ! …本当にこういう人がいそうで怖いです。 バカ息子が取り調べの時に 「…親が悪いんだ」 みたいなことを言うのですが、何もかもを親のせいにするな! そういうお前の甘ったれた考えが、この悲惨な状況を招いたんだろ! と頭をはたいてやりたくなりました。 ぜーったい更生できませんよ、このバカ息子は。 結局名探偵加賀刑事によってこのバカ家族の悪事は暴かれるのですが、認知症だと思われていたお母さんが、本当はそのふりをしていただけだというのが切なかった。 同居している孫 (バカ息子) とも嫁 (バカ母) ともうまくいかないので、認知症のふりをして自分だけの世界を作っていたというのが切ない。 たぶんこういうストーリー (バカ父が認知症の母に罪をなすりつけようとする) の場合、このバカ父のお母さんは孫の将来のことを思って正気でありながら罪を引き受けようとするというパターンが多いのではないかと思いますが、そうではなかったところ (お母さん自らが認知症を装いながらバカ父の行動を阻止する) がこのバカ家族の問題の根っこの深さを物語っているような気がします。 『赤い指』 の意味も何だか切なかったな。 何はともあれ、加賀刑事がいなければ解決しなかった事件ですね。 加賀刑事シリーズは以前も何か読んだ気がするのですが、相変わらずかっこいいですね。 今回は加賀刑事の家族 (親子) の話もサブストーリー的に流れるのですが、そちらはとても良い家族の話でした。 最後に救われた。 他の加賀刑事シリーズも読んでみたくなりました。 もうそろそろ読書の秋、かな。
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