ウニの発生 -胞胚期〜原腸胚期-

さらに発生が進むと、一層の細胞層で構成されたボール状の胞胚になります。その後繊毛により胚が回転運動を始めますが、その回転方向は植物極側から見て左回転になっています。さらに孵化酵素を分泌することで受精膜を溶かし、孵化して遊泳生活に入ります。そして、植物極側の細胞層が厚くなって植物極板が形成され、さらに動物極側には長くて運動性のない頂毛が形成されます。

次に、植物極板から大小割球に由来する細胞が胞胚腔内に分離・移入して一次間充織細胞となり、その数はどんどん増えていきます。

さらに、植物極板が胞胚腔内へと折れ曲がって原腸の陥入がはじまり原腸胚となります。この陥入口が原口とよばれ、幼生の肛門となります。原腸陥入にともなって、一次間充織細胞は原腸の周囲にリング状に配置されます。しかも左右に2箇所、一次間充織細胞が集まったところで三ツ矢型の骨片が形成されます。

原腸はその後、細胞分裂をともなわない収束伸長とよばれる細胞運動によって伸長していきます。さらに、原腸先端部から二次間充織細胞が遊離してきます。二次間充織細胞は60細胞期のveg2に由来する細胞で、色素細胞や胞胚腔細胞、体腔嚢細胞、筋肉細胞へと分化していきます。そして、三ツ矢型の骨片はさらに伸長し、幼生の骨格を形成していきます。原腸はさらに前方へと傾斜して伸長し、いずれ口陥を形成します。