ウニの発生について研究するためには、ウニの卵と精子を採取しなくてはなりません。先尖を使って口器(アリストテレスの提灯)を取り除き、体腔内に塩化カリウム溶液を注入すると、メスからはオレンジ色の卵が、オスからは白い精子が生殖孔から放出されます。
ウニの発生について研究するためには、ウニの卵と精子を採取しなくてはなりません。先尖を使って口器(アリストテレスの提灯)を取り除き、体腔内に塩化カリウム溶液を注入すると、メスからはオレンジ色の卵が、オスからは白い精子が生殖孔から放出されます。
卵を集めるときは、海水を満たしたフラスコの上に、生殖孔を下にして置きます。すると、5つの生殖孔から卵が次々と海水中に放出されます。精子を集めるときは、氷上のシャーレに生殖孔を下にして置きます。精子は海水で活性化しないようにこのようなドライスパームという状態で集め、氷上で冷やしておきます。
バフンウニの卵の直径は約100マイクロメートル。ウニの卵は減数分裂を終えた状態で成熟するので、成熟卵では核が非常に小さくてそのままでは見えません。しかし、もし未成熟卵が放出されると、目玉のような卵核胞をハッキリと見ることができます。卵の周りには何もないように見えますが、実はゼリー層とよばれる無色透明な層に包まれています。このゼリー層が受精には重要で、通常の観察では見えませんが、墨汁を加えてやるとその存在を確認することができます。
精子は、円錐形の頭部の長さが約3マイクロメートル、鞭毛まで入れた全長は約60マイクロメートルになります。ドライスパームを海水に懸濁すると、精子は元気に泳ぎます(元気すぎて、動画には撮れませんでした)。