ウニの発生 -プルテウス幼生-

プルテウス幼生になる口陥から口が形成され、消化管が開通するため、遊泳しながら餌を摂取するようになります。さらに前腸(食道)の左右に一対の体腔のうが形成されます。


プルテウス幼生は、最初は4本の腕(左右の前側腕と口後腕)をもつ4腕プルテウスで、前側腕と口後腕を支える骨格が前側桿と口後桿、ボディー本体を支えるが体桿です。そこから後背桿に支えられた後背腕が形成されて6腕プルテウス、さらに口前腕が形成されて8腕プルテウスとなります。


体腔のうはその後、前房と後房に分かれ、左の体腔のうでは前房がさらに前方の軸腔と後方の水腔に分かれます。そして、左の口後腕と後背腕の間の表皮が陥入を始め、羊膜陥が形成されます。

羊膜陥が水腔の方に向かってさらに深く陥入すると、その陥入口は細くくびれて、先端は広がります。そして羊膜陥は水腔に接触し、最終的に水腔に覆いかぶさるることで、成体原基(ウニ原基)が形成されます。つまり、成体原基はプルテウスの体の左側にのみ形成されるのです。
また、口後腕の基部と後背腕の基部が盛り上がってそこに繊毛が密集して生え、前繊毛帯と後繊毛帯が形成されます。


その後成体原基は成長して、第一管足の形成が確認できます。成体原基では五放射相称な体制が獲得されるため、左図の一番右に示した側面からの写真では、5つの第一管足が形成されているのが確認できます。


成体原基はさらに成長し、消化管を圧迫するほど大きくなります。そして、成体原基の中では、ウニの特徴でもある棘(トゲ)の原基が形成されます。また反対側(プルテウスの右側)には、稚ウニになったときに背面側になる幼生型の棘の原基も形成されます。


棘の原基は伸長し、成体のウニの棘らしくなっていきます。こうやって骨格を簡易偏光観察すると、棘はカゴ状に伸長ているのですね。反対側の幼生型棘も、しかっかり伸長しています。網目状に見えているのは、稚ウニになったときに背面側を覆う生殖板です。