iPadの視覚障害教育での実践例
観察や実験でのカメラアプリの活用
- 使用アプリ
- 内容
カメラアプリ
対象は,中学部の弱視の生徒であった。
【静止画】
教科書の図や写真を“カメラ”で撮影して見る。単子葉植物と双子葉植物の根を“カメラ”で撮影し,ピンチアウト操作で拡大して観る。
【動画】
鉄+硫黄→硫化鉄の反応を“カメラ”で録画後,確認した。
“カメラ”はとても使える。教科書の図や表を拡大して,自分が見たいところを見ることができ,大変便利だと考えられる。
眼を近づけて確認することに危険を伴う実験や,反応がとても速く進み確認しづらい実験,少しの気泡発生(たくさん気泡が発生する場合は視認できるし,音で確認できる)などの実験は,録画することで,後からじっくり確認するのに有効であった。また,導入で前時の復習をする際,実験のポイントや注意点,結果などを,録画を見ながら確認することも有効だと考えられる。試験前などの復習にも役立つ。
そのほかにも,ちょっとしたところでiPadを視覚補助具として利用することで,大きな結果を生む事例がある。
視距離、生徒の姿勢等の違いから,操作のしやすさがうかがえる。ちょっとしたことですがずいぶん、電子てんびんが使いやすくなった。
本来,機器の設計は,表示部を見ながら操作しやすいようなスイッチ等の配置になっていると考えられる。顕微鏡にしても,電子てんびんにしても本来の「見る」位置に近いところへiPadを設置して機器の操作ができるため,当然,機器の操作も容易になると考えられる。
拡大読書として利用する。ちょっと,見たい時に,アームに取り付けてあるiPadを引き寄せて,見ることができる。「ちょっとしたこと」で見やすくなる事例である。