ミュシャ展

スラブ叙事詩が全点一堂に展示されるというのが最大の目玉企画であるところの新美術館でのミュシャ展、主役のスラブ叙事詩を国外に出す出さないで揉めていたのでどうなることかと思いましたが、本当に全部揃って日本にやって来ました。凄いです。

ミュシャという人はこんな大作を描く人なのか、という驚きもさることながら、連作の非常に大きなキャンバスのなかに共通する要素として、観客の方を真っ直ぐに見据える人物が描かれており、強固な意思を感じさせる眼差しに、自分の出自としてのスラブ民族への誇りと愛情を見るようで、圧倒されます。

あまりに巨大な作品で、どのように展示しているのかと思いましたが、キャンバス生地の周囲にハトメのリングがつけられていて、バナーのように張って展示されています。これなら中途半端なサイズの額装ものより、運搬は比較的容易なのかもしれません。

スラブ叙事詩だけでも十分すぎるほど満足なのですが、横のサブギャラリー的な空間に展示されている、アールヌーボーを代表するいわゆるミュシャ的なリトグラフのポスターその他の作品群にも見るべきものが多くありました。こちらはさすがに日本の所蔵品が主体となっていましたが、主だったところで無かったのは四季のシリーズくらいでしょうか。個人的にはプラハ市民会館の壁画・天井画の原画が非常に良かったです。

プラハにはまだ行ったことがないので、ぜひ現地で見たいところです。果たしていつ行けるでしょうか。