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カタリエヌモノ

** 2008.10の カタリエヌモノ **

 ++ 08.10.01 (wed) ++ 



梅大に就職してから,いくつかの会議などに出席しました。
そのたびに広島大学時代の知り合いに遭遇いたします。

例えば,「山口県保育士養成校協議会」「山口県保育実習連絡協議会」(*1)では幼児心理学研究室出身で宇部フロンティア大学短期大学部にお勤めのP先生(後輩)や,学習開発専攻出身で山口芸術短期大学にお勤めのT先生にお会いしました。
また,先日の「平成20年度山口県幼稚園教育課程説明会」(*2)では,発達心理学研究室出身で山口大学にお勤めのE先生(後輩)にお会いしました。

その他,梅大に移動してからはお会いしてませんが,教育学専攻出身のU先生も徳山大学にいらっしゃいます。
また,10月からは学習開発専攻出身のO先生(てか,共同研究者のOKBYS君)(同級生)も山口大学にいらっしゃいました。
さらに,北九州市ですが,西南女学院大学にも幼児教育学研究室出身のU先生(後輩)がいらっしゃいます。

そう考えると,同世代の知り合いが結構近くにいますね。
みんなで徒党を組んで何かやりますか?

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(*1)「08.07.15」参照。
(*2)「08.08.25」参照。

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明日は幼稚園実習の指導に出向きます。
下関市内での出張ですので本ページの更新は行う予定ですが,お休みする可能性もありますのでご了承ください。

 ++ 08.10.02 (thu) ++ 



大学から外部研究費の獲得を求められています。
しかし,外部研究費を得るためには,ある程度の事前準備が必要です。
つまり,研究がある程度進んでいなければ申請は難しいということです。

研究の準備のためにはある程度自由度の高い研究費が与えられなければならないはずです。
しかし,我が大学にはそのようなものはありません。(*1)

ホント,竹槍で戦車に挑んでいる感じがします。

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(*1)「08.04.14」参照。

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Our university asks us academics to get external research grants.
That is to say, if the research isn't progressing, it is hard to apply for grants.

To prepare the research, we should use budget expense which we can use at my discretion.
But our university doesn't give us any research budget.

I always feel I tackle tanks with bamboo spears.

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明日は幼稚園実習の指導に出向きます。
下関市内での出張ですので本ページの更新は行う予定ですが,お休みする可能性もありますのでご了承ください。

 ++ 08.10.03 (fri) ++ 



たとえ外部研究費を取ったとしても,そのお金では自由な研究はできません。

通常,外部研究費は特定の研究の遂行のために与えられるものです。
なので,それ以外のテーマのためにお金を使うわけにはいきません。
単発的なテーマや新たなテーマでの論文を投稿すると,掲載料(*1)や英文校閲費等は自腹になります。

また,外部研究費を取れない可能性も大いにあります。
その場合,既存のテーマを遂行するための機材の更新もままならなくなります。
既存のテーマを続けるためにも自腹を切らなければならなくなるかもしれません。

もちろん,お給料をいっぱいもらっていれば自腹でがんばることもできます。
しかし,実際には収入は以前よりも減っています(*2)し,私にも生活があります。

現状のままでは私の研究が先細って行くのは必至です。

一応,学長からは「梅大は研究を重視している」と聞いています。
しかし,大学から研究費を与えられないということは,本当のところは研究なんか求められていないんだと思います。
ということは,この大学には研究者は必要ないということなんでしょう。

ただ,まぁ,こういう大学だからこそ研究者は別の目的(*3)のために研究をがんばるわけです。
そういう意味では学長のおっしゃっていることもあながち間違いではないのでしょう(笑)。

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(*1)「08.08.11」参照。
(*2)「08.03.13」参照。
(*3)「08.01.17」参照。

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Even if I get external research grant, I can't research freely with it.

Usually those grants are given for a particular research.
So we can't use the grant for other research.
When I contribute a report written on a new theme, I have to pay for the publication fee and English revising fee.

Unless I get external research grant, it is difficult for me to replace the equipment.
So I may also have to pay to continue the existing themes in the future.

Of course, if I have a fat salary, I can research with my own money.
But I draw a lower salary than before.

Therefore it is inevitable that my research will gradually taper off in the present situation.

Our university president says "Baiko Gakuin University makes much research."
But because our university doesn't give us any grant, they make light of research.
I think our university doesn't require researchers.

However we research hard to move from this university.
In that way the president's saying is not necessarily false. : )

 ++ 08.10.04 (sat) ++ 



科学者としての私のスタンス

  拒否しない 信じない

どのような事柄であっても検討することなく否定することはとても危ういと思います。
一方で,議論の前提として何かを仮定することはあっても,いかなる事柄も疑ってみるようにしなければならないとも思います。

そして,このような態度は研究においてだけでなく,日々の生活においても持たなければならないものだと思います。

何かを拒否したり何かを信じたりしたら科学者として終わりだと思います。

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My stand as a scientist is…

not to reject anything
not to believe anything

I think it is so risky to reject anything without consideration.
On the other hand, granted that I suppose something is the premise of the discussion, I should suspect everything.

And I think I should keep this attitude not only in researching but also in my daily life.

Once I start rejecting or believing anything, I'm over as a scientist.

 ++ 08.10.06 (mon) ++ 



「子ども学部」なんて聞き慣れない所に就職したので(笑),日々「『子ども学』とは何か」などと考えるわけです。(*1)

ひとまず納得したことは「子ども学」は「数学」や「物理学」とは毛色が違うということです。
つまり,この学問にはプロトタイプ的な方法論は存在しないということです。
もう少しかみ砕くと,「子ども学ってこういう研究をするんだよね」的なことは言えないということです。

なので,「子ども学」の明確な定義を求めること自体がナンセンスなんだと分かってきました。

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(*1)「08.04.30」参照。

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Since I started working at the department which conducts the education of the new discipline "child science", I often consider what child science is.

For the time being, I think that child science is dissimilar in character from mathematic or physics.
That is to say, child science has no prototypical methodology.
To put it simply, nobody can say what the typical research of child science is.

So I gradually understand it is nonsense to explain the clear definition of child science.

 ++ 08.10.07 (tue) ++ 



我が子ども学部では,
「子どもについて学ぶことを介した教養教育」と
「子どもにかかわる仕事に就くための専門教育」
が行われています。

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School of child development studies, which I belong to, offers
"the liberal arts education through the study for children," and
"the professional education to get employment involving children."

 ++ 08.10.08 (wed) ++ 



以前,大学が職業訓練校化しているというお話(*1)をしました。

一方で,予備校っぽいなと感じるところもあります。

予備校では有名大学に合格しそうな生徒の授業料はタダというところが多いと思います。
ちゃんと合格してくれれば広告効果で十分元が取れます。
優秀な生徒が支払うべき授業料は優秀でない生徒が払ってくれています。

一方,大学では基本的にはどの学生も同じ学費を払っています。
なので,一見,予備校とは違うように見えます。

しかし,大学で提供されているサービスは学費以上の価値があると思います。
優秀な学生は学費以上のものを吸収していると感じます。

そう考えると,優秀な学生(やる気のある学生)を優秀でない学生(やる気のない学生)が支えるという構造は一緒だといえます。
つまり,やる気のある学生は安い買い物をし,やる気のない学生は高い買い物をしているということです。

また,そう考えると,何かと煙たがられる「大学を学びのための場所だと思っていない学生」にも存在意義を見いだすことができます。
つまり,学ぶ意欲のある学生のために大金を払って大学を支えてくれている奇特な方々だということです。

これからは授業中に寝ている学生には静かに手を合わせて感謝の念を伝えようと思います。(*2)

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(*1)「07.03.21」参照。
(*2)ウソです。ちゃんと「元を取れ」と指導しています。「08.02.28」参照。

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I always think many universities become like industrial school.
On the other hand, I also think universities are like preparatory school.

In many preparatory schools, the students who are excellent and who may pass entrance examinations of prestigious universities don't have to pay any fee.
If they pass the exams, the school pays off since those good results become advertisement.
And the fees which stronger students should pay are paid by other students.

On the other hand, in university, basically all students pay same fees.
In this regard, universities are different from preparatory schools.

However, the education which universities offer is worth more than the fee.
And excellent students learn more than the fee which they pay.

In this sense, the structure that common (unmotivated) students support excellent (motivated) student is same as preparatory school.
That is to say, motivated students make a good bargain, and unmotivated students buy a lemon.

In addition, we find out the reason for the existence of the nuisance students who don't think universities are the place to learn.
They are praiseworthy students who pay a lot of fees and support university for the motivated students.

So we should place our hands together and give recognition to the students who sleep during classes.

 ++ 08.10.09 (thu) ++ 



明日より「日本教育心理学会第50回総会」に参加のため,上京いたします。
そのため,明日より4日間の更新をお休みいたします。
次回更新は14日(火)の予定です。

今回はOKBYS先生が企画された自主シンポで話題提供します。
12日(日)の10時開始ですので,私のトーク以外を聴きにお越しください(笑)。

そして,シンポジウム後は明治学院大学で研究会(*1)に参加します。

これで出張ラッシュが一段落します。

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(*1)「08.09.08」参照。

 ++ 08.10.14 (tue) ++ 



今年は日本の研究者4名がノーベル賞をとりました。

私は一歩でもノーベル“ショー”(*1)に近づけるようにがんばります。

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(*1)「04.02.10」参照。

 ++ 08.10.15 (wed) ++ 



学生の幼稚園実習等の指導に行くと,園長先生とお話しさせていただくことになります。

園長先生は,園や子どものことについて色々と教えてくださいます。
すごくためになります。

また,私が大学の教育方針等につて説明をすることも良くあります。
これは自分の教育の振り返りにもなります。

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When I go to the kindergartens to guide student teachers, I always talk to the directors.

They teach various things, such as kindergarten, kindergarten teacher, children, and so on.
Their talks are infromative for me.

On the other hand, I often explain the administrative policy of our university to them.
This makes me reflect on my education.

 ++ 08.10.16 (thu) ++ 



私の「研究業績一覧」は不格好です。

太い幹(主な研究テーマ)と豊かな枝葉(周辺的なテーマや実用的なテーマ)からなる業績一覧が理想です。(*1)

その原因は納得済みです。
まずは大学教員となることを優先したということです。

大学人として生きていくためには,生き残ることが何よりも重要です。
なので,必要な事だったと思っています。

ただ,これからは一人の研究者として生きていかなければなりません。
そのためには業績一覧を格好の良いものにしていかなければならないと思っています。

数年で立て直していく計画です。

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(*1)「07.03.03」も参照。

 ++ 08.10.17 (fri) ++ 



大学入学当初から研究者になるために,3年後,5年後のことを考えて行動するようにしてきました。

そして,1,2年のズレはあっても,目標を確実にクリアしてきました。
おかげさまでプロの研究者になれました。

プロの研究者になってみて,10年後,20年後,30年後のことも考えなければならないと思うようになりました。

30年後もプロの研究者でいられるように行動しようと思います。

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From when I was a university student, I always acted with the goals of 3 ~ 5 years after to be a researcher.

And I obtained my goals even if there were one or two years lags.
Then I became the professional researcher.

Since I became the researcher, I come to think I have to act with the goals of 10 ~ 30 years after to have been the professional researcher 30 years after.

 ++ 08.10.18 (sat) ++ 



恒例の「大学前の横断歩道のない道の横断の取り締まり」(*1)をしました。

朝イチで男子学生2人が堂々と渡ってこっちにやってきました。
なので「おーい,渡るなよー」と指導しました。
2人とも怪訝な顔でそのまま通り過ぎ,大学とは別の方向へ立ち去っていきました。

全く無関係な若者たちでした(汗)。

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(*1)「08.07.12」参照。

 ++ 08.10.20 (mon) ++ 



アロエさん(*1)を激写

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(*1)「08.09.22」参照。

 ++ 08.10.21 (tue) ++ 



かなりの数の学生が,私の授業を
「研究者が講義している」
とは認識しておらず,
「学校の先生が講義している」
と認識している気がします。

要するに,
「大学には研究者が住んでいる」
という知識がない学生が多いということです。

時々
「私が講義する意味があるのか?」
と思うことがあります。

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I feel many of the students taking my lectures don't think of them as "the researcher lectures."
They may think of them "the school teacher lectures."

In short, they think the university is a kind of high school, and they don't know universities are the places where researchers work.

So sometimes I feel "Does my lecture have meaning?"

 ++ 08.10.22 (wed) ++ 



「教員免許を取得するだけで教師となる資格を得られる」
と思うような学生は教師になるべきではないと思います。

免許はあくまで必要条件です。

教師になるための資質はもっと遥か上の所にあるはずです。

 ++ 08.10.23 (thu) ++ 



誰か「認知心理学者のための臨床心理学」という教科書を書きませんか?
(臨床の授業を持たされている基礎系の心理学者って結構いると思うので,そこそこ売れると思うんですけど。)

 ++ 08.10.24 (fri) ++ 



営業スマイルが上手になりました。

 ++ 08.10.25 (sat) ++ 



先日,某地方国立大学に勤める後輩が
「今度,博士課程を作るという動きがあるんですよ」
「でも,教授の多くは博士号を持ってないんですよ」
「結局指導するのは若手なので,みんな文句たれてます」
といっていました。

私のような小さな私立大学に勤める人間からすれば,大学院がすでにあるだけでうらやましい話です。

また,私はそこにビジネスチャンスを感じ取りました。
有閑マダムを対象にしたコースを造ればよいのです。
奥様方に博士号取得というスリリングな知的挑戦の場を与えるのです。

若い頃にそれなりの大学を出たものの,結婚や出産で家庭に入り,子育てに専念してきた女性は多くいらっしゃると思います。
そういう方々が子育てが一段落したところで,カルチャーセンター的なノリで大学院に入ってこられたらよいと思います。

これを考えている内に,うちの大学でももっと多くの奥様方に入学してもらえればいいなと感じました。
学ぶ意欲を持った方に多く入学してもらえれば,学部の雰囲気作りのためにもよいと思います。
また,若い学生にとっても異年齢間での交流から気付くことも多いと思われます。

そして,我が子ども学部で子どもの専門家となっていただき,卒業後,下関・北九州地区の子育てアドバイザー的なボランティアとしてご活躍いただければ,地域の活性化にもつながります。

前々から有閑マダムはこれからの大学の有望な顧客層だと考えているのですが,ダメですかね?
#もちろん,私などは自分よりも年上の方を指導するのにやりにくさを感じなくはないのですが。

 ++ 08.10.27 (mon) ++ 



高いところに登った人ほど広く物事を見れるのです。

 ++ 08.10.28 (tue) ++ 



最近症状がひどくなる一方です。

それは持っているCDや本をさらに買ってしまうという病…。(*1)

一応対策はしています。
CDに関しては購入したCDは全てPCに取り込むようにしています。
なので,アマゾンで発注する前に自分のPCを確認すれば,重複していないかが分かるはずなのです。

なのに先日また無駄な買い物をしてしまいました。
どうやらPCに取り込み忘れていたようです…。

まぁ,初回限定版と通常版の2種類欲しかったんだということで…(涙)。

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(*1)「05.02.22」参照。ちなみに,最近の本の方の失敗は,自閉症関連の全く同じ本を2冊同時に買ってしまったり,特に必要もないに「就職四季報」を買ってしまったりといった感じです。末期だと思います。

 ++ 08.10.29 (wed) ++ 



またテレビの調子が(*1)…番組中,時々1秒ぐらいの砂嵐が挟まれます。
#最初はそういう演出かと思ってました(汗)。

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(*1)「07.08.21」参照。

 ++ 08.10.30 (thu) ++ 



学生を見ていると,これまで自分が当然だと感じていたことが万人にとっても当然とは限らないということに気づかされます。

たとえば,勉強法です。

通常,小学校高学年くらいで自己の認知能力についておおよそ正しくモニターできるようになります。
たとえば,初めて見る英単語を3分で100個覚えるのはとても無理だと感じることができます。
また,自分は英語よりも数学の方が得意だとかも何となく知っています。

このように自分の認知の癖を把握できるようになることで,自分がどういう勉強の仕方をしたらテストでいい点を取れるかということを考えるようになり,その方法を工夫をするようになります。
なので,大学に進学するくらいの人間であれば誰もが自分なりの勉強法を持っていると思っていました。

ところが,どうも学生の中には勉強法を工夫するというアイディア自体がない者がいるようです。
このような学生の場合,「人間は課題を主体的に吟味し,工夫して解決することが可能なんだ」ということから教える必要があります。
#これらの学生の場合「分からせる」ではなく,場面に応じた勉強法を選ぶよう「トレーニングする」ことになるかもしれませんが。

 ++ 08.10.31 (fri) ++ 



明日,明後日は大学祭です。
(学生部としてのお仕事があります。)(*1)

そのため明日の更新はお休みいたします。

次回更新は,連休明けの4日(火)です。

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(08.11.02追記)
学生部としての仕事は学内の巡回なのですが,担当時間以外は自分の仕事をしています。
ただ,ステージが私の研究室の正面に設置されています…。
研究室は5階なんですが,やたらスピーカーの音が届きます(涙)。
学生の模擬店をまわったりとそれなりに楽しいのですが,仕事がはかどらないのは痛いです。

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