『トイレット』 を観ました。 ネタバレあります、ご注意ください。
『かもめ食堂』、『めがね』 の荻上直子監督の最新作ということもあり、劇場はかなり混雑していました。 にわか映画ファンとしては、ちょっとうれしい。 例え血が繋がっていなくても、言葉が通じなくても、心を通じ合わせることはできる、ということを教えられた映画でした。 私が一番好きだなーと思ったのは、4年間ひきこもりだった長男のモーリーが、ばーちゃん (もたいさん) にお金を借りて大声を出して自分を奮い立たせて出かけて行く場面で、モーリーの雄叫びを聞いて、ばーちゃんがうっすら微笑むシーン。 すごく深い愛情を感じました。 そう言えば、ばーちゃんが唯一言葉を発するシーンもモーリーがらみだったなぁ。 2人ともずっと家にいて接する時間が長いからでしょうか。 この2人の心の結びつきが、特に好きです。 ばーちゃんとリサが一緒にエアーギターの番組を観ていて、リサがチャンネルを変えようとリモコンを取り上げた手を上から押さえて、チャンネル変更を阻止する場面も好きです。 そう言えば、『かもめ食堂』 でもたいさん、エアーギターの大会で優勝してませんでしたっけ? 違った? DVD を観ればすぐにわかるのですが、今はその気力がないので、間違いだったらすんまそん。 でも、エアーギターの話は出てきたはず。 ばーちゃんが亡くなった時、ママのお墓に撒いたばーちゃんの遺骨の灰を 「自分のそばにいてほしくて…」 と少し手元に残したレイの気持ちを考えたら、ちょっと涙が出てきました。 …映画のラストで、「まさか、流すんじゃないだろうな?」 と思ったら、不可抗力とは言え、本当に流れたので、「やっぱり!」 って感じでした。 オチとしても最高でした。
それにしても、もたいまさこさんの存在感はすごかった! セリフはたった二言しかなく、終始無言、時折深いため息なのですが、多くのことを語っていたように思います。 時折うっすら微笑むのが、本当に可愛らしかった。 先日押入れの中から発掘した、10年以上前に買って一度も読んでいなかったもたいさんの 『猿ぐつわがはずれた日』 というエッセイ集を読んでいたら、最後の解説に 「若くしてばあさん映えする女優」 と書かれていて、「いくら "映え" って言葉を使っても、それは誉め言葉じゃないだろー」 と思っていたのですが、今回の 『トイレット』 を観て、「本当にばーちゃん映えする女優さんだな」 と思いました。 もたいさんって、まだ50代ですからね。 本当に良い映画でした。
もちろん、晩御飯は餃子です。 皮から…ではなく、焼くだけ餃子ですけどね、あは。
映画館で、以前センターにいらした M さんに偶然お会いしました。 一瞬 「私のことは覚えてらっしゃらないかも…」 と声をかけるのを躊躇したのですが、気づかないふりをするのも失礼な気がしたので、「ええい!」 と声をかけてみたら、覚えていていただいたみたいで、ちょっとほっとしました。 久しぶりにお会いできて、本当にうれしかったです。
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