電子顕微鏡のページ

試料の作り方

注意事項

ここに示すのはあくまで一例です。この通りやれば必ずうまくいくというものではありません。ここで紹介した方法で作った試料を観察して、何らかのトラブルが発生した場合も当方 は一切の責任を負いません。もしも、本サイトを参考にして試料を作られる場合は、当方までご連絡頂ければより具体的な手法をご提示させて頂きます。

大まかな分類

TEM試料は、電子線を透過させるために試料を薄膜化(およそ100nm)させる必要があります。薄膜化の手法の具体例を挙げると、 比較的硬質な固体試料ならイオンミリング法、生物試料などの比較的柔らかい試料ならウルトラミクロトーム法、紛体試料ならマイクログリッド法があります。また、近年は収束イオンビームを用いたFIB法も盛んに利用されています。ここではマイクログリッド法とイオンミリング法をご紹介します。

マイクログリッド法

①紛体試料を適当な溶媒(純水、エタノール、アセトン、ヘキサンなどがよく使われます)に溶かし込んで分散させて、支持膜付のグリッドの上に一滴、滴下する。滴下量が多すぎると膜が破れたり、膜の裏側に試料が回り込んでしまいます。また、溶媒と支持膜には相性の良し悪しがあるので、試料を作る際は一度相談して下さい。

②乾燥させる。乾燥には、真空デシケーター、シリカゲルデシケーター、ヒーターによる加熱、のどれを利用しても構いません。

イオンミリング法

①樹脂包埋後、厚片(150 µm程度)に切断、そこから30 µm程度まで研磨する。②当センター所有のイオンミリング装置(PIPS691)を用いて、100 nm程度に薄膜化します。これらの作業も依頼分析を受け付けております。まずはご相談下さい。