転売目的で買い占めるのって、すごく嫌な感じ〜。
アパートの外壁塗装工事が今日までの予定だったので、「もう終わっているかなぁ〜」 とうきうきしながら帰っていたら、遠くに 「一棟入魂」 の垂れ幕が見えた。 むっ。 「まぁ、いっか。 引き渡しの手続きとかで大家さんが来ていたら嫌だし…」 と思ったのですが、アパートから歩道に突き出しているあれは大家さんの軽トラだな…。 別に家賃を滞納しているわけではないのですが、なんとなく大家さんにはあまり会いたくないので、気づかないふりをしてさーっと部屋に入ったら、靴を脱ぐ間もなく 「ドンドンドン」 とドアを叩かれました。 ちっ、バレてたか。 「はーい」 と極力愛想よく出たら、「あのねー、今度ここ (ドアの内側) をちょっと塗らせてほしいんよ」 と大家さん (ご主人の方)。 あ、やっぱり塗るんだ。 私も気になってましたよ、はい。 「それは良いんですけど、日曜日くらいしかいませんよ」 と答えたら、「じゃあ、そう言うとくけー、そん時はよろしくね」 と大家さん。 でも帰る気配はない。 「はいはい、しゃべりたいんですね」 と思いながら外に出ると、「この色はどがぁなかね (この色はどうかね)?」 と大家さん。 「どがーもこがーもねーずら (どうもこうもないですよ)」 と思いながら、「ずいぶん思い切ったイメージチェンジですね」 と当たり障りのない返事をすると、「最近の建物はみんなこうなんよ、新しい建物はねー」 「へー。」 …大家さん、そう言って業者に丸め込まれたんじゃないっすか? こんな奇抜な色の建物は、そう見かけないっすよ。 特にこんな田舎では。 「前の色は古くさかったけえねぇ」 「そうですか? (私は嫌いじゃなかったし、むしろ前の色の方が良かったけど)」 「そうなんよ、まぁあれは建てた時からじゃけど、前の塗装業者に騙されたよねぇ、ついこの間塗ったのに (5年くらい経ったかと…)」 「騙された、と言いますと?」 「あっち (大家さんが所有されているもう1つのアパート) と一緒にやったんじゃけど、アパートが1つ建つくらい取られたけえねぇ」 「あら、そんなに? (見積もりの段階で気づきましょうよ)」 「ほうよ、まぁ、今回も普通自動車が買えるくらいじゃけどねぇ」 「へー (意外と安い気がする)」 「ちょっと良い RV 車が買えるくらいよ」 「へー (アパート全体を塗り替えたら、そのくらいするんじゃないの?)」 などと話していたら、「で、この色はどうね? 気に入らん?」 とさらに突っ込んだ質問がきた。 「仮に私が "気に入りません" と答えたところで元の色に戻るわけじゃないし」 と思い、「まぁ斬新な色ですけど、慣れれば…ねぇ…」 とまた当たり障りのない返事をしておきました。 部屋に入れば見えませんしね。 「あっち (もう1つのアパート) をどうするかねぇ…」 と大家さんが悩みだしたのを潮に、「それじゃあ」 と部屋に入りました。 話が長くなると、きっとろくなことがない。 そうそう、大家さんの話によると、工事は今月いっぱいまでかかるらしいっす。 ドアの内側を塗ったら、しばらく開けておかないといけないよなぁ、乾かさないといけないし、臭いだろうし。 …ドアまで塗り直さなくても良かったのにっ! ふぅっ…。
「大家さんはこの色が気に入ってるんですか?」 って聞いてみれば良かったかな。 いや、また話が長くなったかもしれないから、止めておいて正解か。
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