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++ 09.03.02 (mon) ++ 論文(*1)が公刊されました。 藤木大介・沖林洋平 (2009).批判的思考態度と自我同一性地位との関係 梅光学院大学論集,42,1-6. #「業績一覧」のページからダウンロードできるようにいたしました。 これは沖林先生(山口大学)をリーダーとする研究プロジェクト(*2)での成果です。 この論文では,
青年が ・論理的に思考しようとしたり ・探求心を持っていたり ・客観的に考えようとしていたり ・証拠を重視して考えようとしたり といった 「批判的に考えようとする態度」 を身に付けていることと その青年の 「アイデンティティの確立」 とに関連がありそうだ と主張しています。 ご関心をもたれた方はご一読いただき,ご意見等いただければ幸いです。 #というよりも,この論文を「批判的に」読解(!)すれば穴だらけだと思います。 #ですから是非この論文に対する批判論文を書いて下さい! −−−−−−−− (*1)「08.11.01」参照。 (*2)本サイト内では「高等教育を通した批判的思考力の育成」としてご紹介しています。 |
++ 09.03.03 (tue) ++ 明日は山口大学でテキストマイニングの研修を受けてきます。 OKBYS先生のオーガナイズで,K先生にご指導頂きます。 後輩のE先生も参加されます。 (山大の先生方には大変お世話になります。) ということで,明日の更新はお休みします。 次回更新は5日(木)です。 |
++ 09.03.05 (thu) ++ (画像をクリックすると原寸大のグラフが表示されます。) 学生による授業評価アンケートの結果(その6)です。 上のグラフは後期開講の「保育と人間関係」の平均評定値です。 これは子ども学部1年生を対象とする講義でした。 この授業は自分の専門とほとんど関係なく,何ともやりにくい授業でした。 ただ,心理学者的な思考法で教授すれば良いと気付いてからは,少しやりやすくなりました。 また,この授業を通して私も保育について学べました(*1)。 そういったことを勘案すると,この評価は悪くないと考えています。 −−−−−−−− (*1)「09.02.04」も参照。 |
++ 09.03.06 (fri) ++ 先日の教員会議で「学生に読ませたい本を紹介せよ」とのお達しがありました。(*1) まず最初に思い浮かんだのが, ガンダムのノベライズ版 です(笑)。 小学校中学年ぐらいから夢中で読んでいました。 なので,小学4年生レベルの学生(*2)には最適です。(毒) #「大人対子ども」「官僚制の悪癖」などのテーマについてごく単純化して学べます。 そういった点から言うと,中学高校時代に読んでいたのは, 夏目漱石(好き) 宮沢賢治(好き) 太宰治(嫌い) その他,文学全集モノ(覚えていない) です。 通常はこういうのを紹介するのでしょう。 ただ,ベタすぎなので他の先生も紹介されるでしょう。 まじめに考えると,浪人時代から大学時代に読んでいた ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」「哲学的探求」 でしょうか。 当時必死で読み解こうとしていました。 世の中には「語り得ぬもの」があると知ることは有意義だと思います。(*3) その他,大学時代に読んでいたのは 「哲学」「論理学」「数学」に関する概論書等 (大学生になってようやく勉強する気になってきた) あたりでした。 ただ,ヴィトゲンシュタインにしろ,これらの概論書にしろ,誰もが楽しめるモノではないと思います。 なので,自分の学生時代の経験から本をすすめるのは難しいと感じます。 また,大学院時代は心理学の専門書や論文ばかり読んでいたので,これも紹介してもしょうがありません。 てか,「ズッコケ3人組」とか言ったら怒られますかね?(猛毒) −−−−−−−− (*1)我が大学は文学部を中心とした大学なので,しばしばこういうお達しが出ます。「魂にビタミンを」とのことです。個人的には,こういう精神論的な話をする前にもっとやるべきことがあると思います。しかし,私は大学を運営している人間ではないので,きっと私のような考え方の方が矮小なんでしょう。 (*2)「08.12.13」参照。 (*3)現実社会では,哲学的な考察の対象とならない「語り得ぬもの」であっても自己の判断に基づき語っていかなければなりません。ただ,世の中の全ての大人がこういう覚悟を持って物事を語っているかというと疑問です。「語り得るもの」と「語り得ぬもの」とがあることすら気付かない人間もいるでしょう。「語り得ぬもの」があることに気付いてしまって何も言えなくなる人間もいるでしょう。しかし,責任ある大人は「語り得ぬもの」と了解しつつ,自分なりの回答を示し続けなければならないんだと思います。ウィトゲンシュタインの「論考」からそこまで読み取るかどうかは読み手の勝手だと思いますが,最低限「語り得るもの」と「語り得ぬもの」の区別が出来るようになるためには読む価値があると思います。 |
++ 09.03.07 (sat) ++ 現在,来年度から始まるゼミのためにネタを仕込んでいます。 学生の何人かは,ゼミ選択の面接の時点で具体的なテーマをあげてくれています。 それらに関してはあらかじめ勉強し,いくらかの知識を得ておこうと考えています。 (現所属では資料が得にくいので,早めに資料収集をしておかないといけないという事情もあります。) 「大学の先生」ってヤツも割と地道にやってるんですよ。 「想像力のない」学生(*1)はこういう陰の努力には気付かないんでしょうけどね(涙)。 −−−−−−−− (*1)「08.06.17」「08.12.13」参照。 |
++ 09.03.09 (mon) ++ (画像をクリックすると原寸大のグラフが表示されます。) 学生による授業評価アンケートの結果(その7)です。 上のグラフは後期開講の「教育心理学」の平均評定値です。 これは中高の教職課程の学生を対象とする講義でした。 前期の子ども学部向けの「教育心理学」(*1)よりもさらに高評価となっています。 これは私の授業改善の成果なのか,評価する学生の質の違いなのかは分かりません。 いずれにしろ,悪くない結果だと思います。 来年度は「教育心理学」の授業を3回しなければなりません。 さらに充実した授業となるよう努めたいと思います。 −−−−−−−− (*1)「09.02.14」参照。 |
++ 09.03.10 (tue) ++ 年度当初, 「保育も分かる認知心理学者」 もいいかなと思っていました。 ところが先日,ふと自分の最近の仕事が 「認知も分かる保育の専門家」 の方向に向かっていることに気づきました。 (てか,むしろ,すでに単なる「子どもの人」(*1)かも…。) 日々,保育について学んでいますが,結構楽しいのは確かです。 でも,レア度で言ったら確実に 「保育も分かる認知心理学者」 ですよねぇ(笑)。 絶対 「保育も分かる認知心理学者」 の方がかっこいいです。 −−−−−−−− (*1)「08.12.13」の注釈(*1)を参照。 |
++ 09.03.11 (wed) ++ 休日に仕事をしに行く図書館(*1)の近くに,隠れ家的なカフェを見つけました。 のんびり論文を読むにはいいお店です。 −−−−−−−− (*1)「08.12.19」参照。 |
++ 09.03.12 (thu) ++ (画像をクリックすると原寸大のグラフが表示されます。) 学生による授業評価アンケートの結果(その5)です。 上のグラフは後期開講の「臨床心理学」の平均評定値です。 これは子ども学部3年生を対象とする講義でした。 他の講義科目と比べ,相対的に評価が低いです。 同様に評価の低かった「発達・教育相談」(*1)と同じように,私の苦手な分野ですし,特殊な学年を対象にもしています。 なので,この評価が何に起因するかはっきりとは分かりません。 ただ,今年は「保育者向けの『臨床心理学』」という曖昧な授業となったことは否めません。(*2) また,「保育者向けの『臨床心理学』」をやると,内容が前期の「発達・教育相談」とかぶってしまったりもします。 なので,来年はこの授業は一新し(*3),普通の「臨床心理学」をやろうと思っています。 −−−−−−−− (*1)「09.02.24」参照。 (*2)今年は保育士志望か,幼稚園教諭志望の学生のみが受講していました。 (*3)完全に作り替えるのはかなりの手間なんですが,しょうがないです。 |
++ 09.03.13 (fri) ++ 先日,テキストマイニングについてご指導頂いた山口大学のK先生のメールの署名には Don't Feel, Think!! とあります。 これはとても良い言葉だと思います。 よく見かけるのは,ブルースリーの Don't Think, Feel! だと思います。 この言葉,一般の人はどう理解しているのでしょうか。 私自身は,考えるのを止めるのは考え抜いた後でなければならないと思っています。 考えもしない人間が感じようとしたって大したものは感じ取れないからです。 つまり,考えるだけでは得られないものは何かはっきりと分かるぐらいまで考え抜いた後でなければ,何を感じなければならないかなんて分からないということです。 なので,多くの場合は Don't Feel, Think!! の方が適切だと思います。 安直に感じたがる人間が多い世の中です。 また,そういう安直な人間は,考える人間を非人間的だと安直に非難します。 けれども,私からすれば考えない人間の方が血が通っていないと感じます。 |
++ 09.03.14 (sat) ++ 学生の実習先に指導等でお邪魔する際,私は自家用車で移動しています。 混雑することなども考えて,遅くとも約束の30分前くらいには着くようにしています。 そのため,現地で時間を調整しなければならなくなります。 多くの場合,近くのスーパー等に車を駐め,車内で仕事をしたりします。 後部座席に移り,書類を読んだり,PCをたたいたりします。 私の車の後部座席にはそれなりの広さがあります。 また,後部座席の窓には薄いスモークが貼ってあるので外からものぞかれにくく快適です。 カーナビのリモコンを後部座席においてあるので,好きな音楽を聴きながら仕事に集中できます。 てか,まさに今,出先でこれを書いています(笑)。 |
++ 09.03.16 (mon) ++ 授業改善に役立つかと思い
スターンバーグR.J. 宮元博章・道田泰司(編訳) (2000).アメリカの心理学者心理学教育を語る 北王子書房
を読みました。(Sternberg, R. J.(Ed) (1997). Teaching introductory psychology: survival tips from the experts. Washington, DC: American Psychological Association.) この本は,「心理学概論」にあたる授業を教えるための心構えであったりTipsだったりを紹介したものです。 著名な心理学者や,心理学のテキストの執筆者が寄稿しています。 本当は,授業に使える具体的な教材,あるいは教材作成のヒントが載っているかと期待していました。 しかし,そういったモノはあまり載っていませんでした。 (それでもいくつか参考になるモノはありましたので,元は取ったとは思いますが。) それよりも,この本を読みながら思ったのは,来年度は ・授業の計画(シラバス)を理解させること ・学生が心理学に何を期待しているかを確認すること ・私の授業では学生に何を提供できるかあらかじめ説明すること ・心理学の学び方を伝えること を今年度以上に強調して行おうということです。 あと,この本の多くの箇所で批判的思考力の育成が心理学の授業の神髄だといったことが書かれていました。 私も同様に考えているので(*1),そのこと自体は目新しく感じませんでした。 一方で, ・心理学という学問を介した批判的思考力の育成と ・教養人として身に付けておくべき最低限の知識の伝達と のバランスについては考えさせられました。 私は,批判的思考力だけでなく,学生達が社会で生きていくためのヒントになる知見を知識として教えておく必要もあると思っています。 来年度の「心理学概論」では,このあたりの強調の仕方のバランスもよく考えながら講義しようと思います。 まだまだ経験も浅いですし,少しずつ授業改善していこうと思っています。 −−−−−−−− (*1)「高等教育を通した批判的思考力の育成」の藤木・沖林(2008)を参照。 |
++ 09.03.17 (tue) ++ また助成金の獲得に失敗しました。 世の中の研究者は大きく次の2つに別れると思います。 ・研究費をバンバン獲得する研究者 ・そもそも研究費の獲得など考えない研究者 その中にあって,私はレアなタイプだと思います。 ・申請すれども獲得できない研究者 研究費をもらえない現所属(*1)に移ってきて,研究は本当にお金がかかる(*2)と実感しました。 なので,どうしてもほしかったのですが,ダメでした。 かなり具体的な内容で,予備的な実験データまで示したのですが,ダメでした。 助成金の主旨に合わなかったりしたんでしょうか。 おそらく,根本的に私の研究計画がつまらないんだと思います(涙)。 (基礎研究だからもらえないのか,私の実力が不足しているからもらえないのか…。) −−−−−−−− (*1)「08.04.14」参照。 (*2)例えば,「08.08.11」参照。今も,英文校閲費の捻出に頭を悩ませています。 |
++ 09.03.18 (wed) ++ 私は講義中にウィットに富んだ嫌味や皮肉を言いたい人間です。 というよりも,自分がそういう先生が好きだったのでマネしているんだと思います 機知に富んだ一言というのは印象に残りやいものです。 それが教訓を含むものであれば,嫌味や皮肉もポジティブな言葉となると思います。 しかし,一部の学生は嫌味や皮肉を悪意に満ちた攻撃だと受け取るようです。 何となく予想していたことですが,残念な気持ちになりました。 ただ,その手の学生は, 「授業を聞かない」(≒講義の流れに沿った嫌味や皮肉だと分からない) 「授業が理解できない」(≒嫌味や皮肉の字義的な意味しか理解できない) タイプの学生で, 「試験の成績も悪い」(*1) ということもわかってきました。 そういうタイプの学生は,授業を良く聞き,理解できるように努めるべきです。 (当然,私もより多くの学生が講義に興味を持てるように努力をしています。) 一方で,それらのほんの一部の学生を除き,多くの学生にとっては,機会を捉えた嫌味や皮肉は糧になると思っています。 また,学生達はそういう「チクリとやられる経験」が不足しているような気もします。 私は,思春期青年期にはそういう大人の存在は意味があると思っています。 なので,「イヤミなオッサン」と思われるのを分かった上で,たまにチクリとやるのはやめないつもりです。 −−−−−−−− (*1)私は成績評価に教員の主観が入るのがいやなので,基本的に客観式の試験をしています。 |
++ 09.03.19 (thu) ++ 2ページほど執筆させて頂いた本が出版されました。 #私にとってははじめての「著書」業績です。(*1)
宮谷真人・坂田省吾(編) (2009).心理学基礎実習マニュアル 北大路書房 (ISBN978-4-7628-2665-8 定価(本体2800円+税)) この本は,ここをご覧の全ての方が楽しめ,ためにもなる本です。 抱腹絶倒です。(ウソ。) 生きる意味が分かります。(大ウソ) 「家庭の医学」と同様,一家に1冊常備しましょう。(拍手) 冗談はさておき,この教科書は心理学のコースでは必ずあると思われる基礎的な実験演習のためのテキストです。 要するに,「利島 保・生和秀敏(編著) (1993).心理学のための実験マニュアル:入門から基礎・発展へ 北大路書房」の改訂版です。 内容をアップデートしつつスリム化し,最近の学生でも購入できるように価格を抑えています。 大学教員の皆様,どうぞご採用をご検討ください。 ちなみに,なぜだか私は「幼児の行動観察」の章を担当させられました。 (だから,私は「子どもの人」(*2)じゃないんだってば…。) 執筆を依頼された際「この教科書を使いそうな人に執筆させる」というお話しでした。 しかし,心理学コースに所属しているわけではないので,私が使うことはないと思います。 出版社から「何冊ご購入ですか?」といった問い合わせも受けましたが,「不要です」と答えておきました(笑)。 というわけで,私の印税生活のためにも(?),是非3冊ずつぐらいご購入ください! −−−−−−−− (*1)「業績一覧」参照。 (*2)「09.03.10」参照。 |
++ 09.03.24 (tue) ++ 私が授業のネタとして参考にする本をご紹介します。
Stafford, T., & MattWebb. (2004). MIND HACKS O'Reilly. (スタッフォード,T・マットウェブ 夏目 大(訳) (2005).Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム― オライリー・ジャパン) これは定番ですね。 学生をあっと驚かせるネタが満載です。 また,その材料を入手できるWeb上のアドレスも載っています。 #ただし,すでにいくつかの材料がネット上になかったりします。
金田元明 (1994).子どもとむかいあうための教育心理学演習 ミネルヴァ書房 金田元明 (1999).子どもとむかいあうための教育心理学実験 ミネルヴァ書房 これは,元指導教員に紹介してもらった本です。 教育心理学や臨床心理学等の授業で行う演習の参考にしています。 中には思想的に若干偏っているなと感じる部分や,時間的にそのまま流用できないようなネタもあります。 しかし,うまく工夫すれば授業の良いスパイスになります。
金田元明・内野康人之・横山明子 (1996).子どもとむかいあうための教育心理学概論 ミネルヴァ書房 ちなみに,これは上の2冊とは異なり概論書です。
金田元明 (2009).子どもとむかいあうための相談援助演習 ミネルヴァ書房 そしてこれはつい先日出た本です。 時間がなくてまだ中身を見れていませんが,良いネタがあればこれまでの演習と入れ替えようと思います。
藤本忠明・栗田喜勝・瀬島美保子・橋本尚子・東 正訓 (1993). ワークショップ心理学 ナカニシヤ出版 これも最近買いました。 ネタ的に授業で取り上げると良いだろうなと思いながらも,準備時間が足りずに断念したものがいくつか導入しやすい形で掲載されていたので,購入しました。 これも来年度以降,参考にするつもりです。
堀 洋道(監修) 心理測定尺度集T:人間の内面を探る〈自己・個人内過程〉 サイエンス社 堀 洋道(監修) 心理測定尺度集U:人言語社会のつながりを捉える〈対人関係・価値観〉 サイエンス社 これは「心理テスト」〈!〉として授業中に演習としてやらせています。 講義内容と関わりが深い尺度で,自己採点が可能で,結果が明確に出るものを実施し,楽しませつつ自己内省させています。 ちなみに,このV(心の健康を測る〈適応・臨床〉)は持っていません。 要するに,研究には使わないからです。 ただ,授業のネタにはなりそうなので買い足そうと思います。 #逆に,授業のネタにはなりませんが,研究に使いそうなのでW(子どもの発達を支える〈対人関係・適応〉)は購入済みです。 以上が主なモノです。 このほかに何がよいネタ本をご存じであればご紹介ください。 |
++ 09.03.25 (wed) ++ 愛機ThinkPad X40のキーボードは以前に交換しています。(*1) 元々はクリック感の強いキーボードが載っていました。 私はメカニカルなタッチも好きなので,これでも問題はありませんでした。 ただ,ThinkPadには高級感があった方がよいだろうと思い,より「おしとやか」なタッチのものに交換しました。 図書館で仕事をするためにはパシャパシャ音の鳴るキーボードでは迷惑です。 そういった面で,お金のある時期にキーボードを交換しておいて良かったと感じています。 −−−−−−−− (*1)「06.07.02」参照。 |
++ 09.03.26 (thu) ++ 今日の夜はちょっとした講演をしてきます。 以前もご紹介した(*1)地元の情報誌主催のモノです。 先日,この情報誌で私の紹介文を読み,連絡をくださった方がいらっしゃいました。(*2) 青学の教育学科を出られた方で,私の1年先輩でした。 コースは違ったのですが,共通の先輩(*3)がいることなどが分かりました。 また,2人とも自分の学籍番号を覚えていたりして,ちょっと笑えました。 連絡はこのサイトのメールフォームを通してのものでした。 コミュニケーションの垣根を下げるという意味で,ネット上にサイトがあるということ意味を改めて感じました。 こういう懐かしさを感じられただけでも,今回の講演を引き受けた意味があったと思いました。 −−−−−−−− (*1)「09.02.09」参照。 (*2)このほかにも学生や美容師さんから掲載を指摘されました…(イヤだイヤだ)。 (*3)「06.07.10」参照。 |
++ 09.03.27 (fri) ++ 私も「教員」の端くれなので「見通し」を持って学生指導しています。 つまり, ・学生の状態を見て ・その学生の課題を見つけ ・課題に優先順位をつけ ・取り組むべき課題を決定し ・学生が取り組める形で課題を呈示し ・取り組みを通して学生が力を付けられるように指導を工夫する ということをしています。 私は「教員」という身分になりたくてなった訳ではありません。 研究者の社会的責務として「教員」をやっています。 それでもこういった「見通し」くらいは持っています。 これくらいのことは人間として当たり前だと思っていました。 ところが,学生を見ていて当たり前ではないんだということに気づきました。 そもそも頭の中に「見通し」なんて概念が存在していない学生が少なからずいるのです。 そして,そういう学生に限って「先生になりたい」なんていう訳です。 また,そういう学生のなれの果てが保幼小中高大等の先生なのでしょう。 皆さんも自分の先生のことを思い出してみてください。 「あの先生は…」と思いませんか? #「見通し」をもてる人には「見通し」をもてていなかった先生のことを思い出せるはずです。 ということで, ・学生の中には「見通し」なんて考えたことすらない者がいると分かったので ・そのような学生には「見通し」を持たせることが取り組みべき課題だと考えられるが ・そういった学生にどのように説明すればこの課題自体を理解してくれるか分からず ・ほとほと指導に困っている という感じです(涙)。 |
++ 09.03.28 (sat) ++ 私は一流の研究者ではありません。 なので,論文の数も,獲得した研究費の額も大したことはありません。 しかし,もしかしたら他の研究者と勝負できるかなと思うのが,コストパフォーマンスの良さです。 例えば,論文一本あたりのコストを (これまで私が得た研究費の総額)÷(論文の総数) として計算すると,106千円となります。 つまり,およそ10万円で1本論文を書いているということになります。(*1) 同年代で私よりも多くの論文を書いている人でも,その人は様々な形で私の数倍の研究費を得ていると思います。 大きな研究室をお持ちの先生で,所属する学生等が共著論文を量産していたとしても,研究室を維持するために莫大な研究費を獲得しているはずです。 なので,私のコストパフォーマンスは割といい方なんじゃないかと思っています。 もちろん,分母が「論文の数」ではなく「論文の質」とかになると勝負にならないんでしょうけど(笑)。 −−−−−−−− (*1)ちなみに,これまで研究協力等を依頼された際,論文1本あたり10万円の経費という計算でした。そういう意味でオファーをくださる先生は私の仕事の市場価格をよく理解していらっしゃるとも言えるのでしょう(笑)。 |
++ 09.03.30 (mon) ++ Sleep Talker氏の旧宅の大家さんへ株分けされたアロエさん(*1)。 −−−−−−−− (*1)「08.12.18」参照。 |
++ 09.03.31 (tue) ++ 今年度も1年の研究業績について総括いたします(*1)。 上のグラフは博士課程前期入学後の論文執筆数を示しています。 昨年度の総括では 「単著や第1著者の業績が少ないこと」 「異領域のジャーナルでも採択に持ち込むこと」 を反省点としてあげました。 これに対し, ・第1著者で「日本ロボット学会誌」へ掲載 ・第1著者で「日本教育工学会論文誌」へ掲載 という結果を得ました。 なので,この2つの業績に関してはそれなりの成果だと評価できると思います。 また,論文ではないので上には載せていませんが,著書の執筆もしました。 わずか2ページの担当でしたが,執筆内容が完全に専門外だったため下準備にそれなりに時間を要しました。 多忙なスケジュールの中では意義ある仕事だったと思います。 しかし,メインプロジェクトの 「句や文の理解における意味表象形成プロセス」 「幼児の言語発達における複数語の結合方略の獲得プロセス」 の両方で業績が出せませんでした。 これはこれまでにはなかったことです。 研究者としてのアイデンティティにかかわることですし,重大な問題だと認識しています。 この問題も含め,全体の印象としては生産力の低下という言葉につきると思います。 本来なら経験とともに力量が上がり,研究ペースが上がっていくべきだと思います。 しかし,実際にはそうなっていません。 生産力低下の最大の原因は校務の多忙さです。 校務で殺されるというほどではありませんでしたが,研究する時間を作るのにものすごい努力が必要でした。 校務が忙しい理由の1つは着任1年目で授業準備が大変だったというものです。 なので,来年度は楽になるはずだったのですが,どうやら別の仕事が増えるようです。(*2) むしろさらに忙しくなる可能性が高まっています。 生産力低下のもう1つの原因は,テーマの拡大です。 新たなテーマは成果になるまで時間がかかりますし,テーマが増えるほど力は拡散されます。 テーマを拡大している理由は私自身の興味が広がっていることや,共同研究への参加していることなどです。 これらのこと自体は望ましいことです。 今後ももっと幅広く研究をしていこうと考えています。 以上のようなことが今年度の生産力低下の原因だと分析できます。 また,その傾向は来年度以降も続くと予測されます。 しかし,研究者として複数の仕事を並行してこなすことは当然です。 なので,私の真の課題は仕事の切り替えの早さだといえます。 より具体的には,仕事を切り替える際にその仕事にすぐ集中できるようにすることだといえます。(*3) 最近気をつけるようにしているのは,アクティブでない状態の仕事を寝かしすぎないということです。 長く寝かしておくと感覚を戻すのに手間取ります。 なので,中途の仕事を効率よく管理して行かなければならないと言えます。 また,どんなに効率よく仕事をしても,私の事務処理能力だけでは限界は見えています。 ですから,人手を確保することも考えるべきです。 戦力になる学生アルバイトを見つけられればと思います。 ただし,そのためには少額でもかまわないので研究費(*4)を獲得する必要があります。 忙しいから論文が書けないとか言い始めたら終わりです。(*5) そんなヤツは研究者をやめるべきだと思っています。 とにかく,やりたい研究,書きたい論文が山ほどたまっています。 どなたか,寝なくても生きていけるコツとかをご存じでしたら教えてください。 −−−−−−−− (*1)「08.03.17」参照。 (*2)「教育研究等活動状況」参照。 (*3)「08.12.24」参照。 (*4)「08.04.14」参照。 (*5)「05.05.25」「08.06.02」参照。 |