大学の中央図書館で借りている木皿泉さんの 『昨夜のカレー、明日のパン』 を読みました。 Amazon の内容紹介に 「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ----7年前、25歳で死んだ一樹。 遺された嫁のテツコと一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフの何気ない日々に鏤められたコトバが心をうつ連作長篇。」 と書かれていたので、「ものすごく切ない話だったら嫌だな…」 と思いながら読み始めたのですが、むしろその逆で終始ニヤニヤしながら読み進めました。 嫌な人が1人も出てこなくて、流れている空気がとっても緩やかで、読んでいてとても幸せで優しい気持ちになる小説でした。 テツコとギフの関係がすごく自然で素敵なので、そこにテツコの恋人の岩井さんが加わったらその関係が壊れてしまうんじゃないかと心配になって、「悪いけど、岩井さんは身を引いて!」 と思っていたのですが、3人でも特にその空気は損なわれることがなく、意外とギフと岩井さんの関係も微笑ましくて、ほんわかと癒やされました。 ずっとニヤニヤしていたけど、最後の最後にじんわりときて、少し涙が出てきました。 東広島市立図書館では予約数が21件ですが、広島市立図書館では予約数が251件です。 どっひゃーっ。 でもどんなに待ってでも、読む価値のある1冊だと思います。 ちなみに広島大学図書館の予約は1件。 学内の皆さん、穴場ですよ。 明日返却しまーす。
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