初回に地獄。
先日来復習を兼ねて伊坂幸太郎さんの 『死神の精度』 を読んでおりました。 が、復習と思ったのは間違いで、この本を読むのは初めてだったようです。 表題作 『死神の精度』、『死神と藤田』 と読み進めて、「はいはい、そうそうこういう話だった。 覚えていますよ」 と思ったのですが、『吹雪に死神』 は読みながら 「はて、こんな話があったかな? こんなに忘れてしまうものですか?」 と不審に思い、次の 『恋愛で死神』 に至っては 「これは読んでいない、こんなタイトルを忘れるわけがない」 と思いました。 そう、私はこの本を読んではいなかった。 『旅路を死神』 もとても新鮮な気持ちで読むことができました。 私が読んだことがあるのは 『死神の精度』、『死神と藤田』、『死神対老女』 の3作品だけ。 たぶん 『ザ・ベストミステリーズ』 で読んだのだと思います。 復習だと思ったけど実は初めての作品が半分あって、ちょっと得した気分になりました。 『死神対老女』 の謎もようやく解けたし。 そして今日 『死神の浮力』 を読みました。 まさかの長編にちょっとたじろぎつつ読み始めたのですが、『死神の精度』 とはまったく違いものすごく重い話だったので、少し驚きました。 読み進めるのが辛かった。 でも千葉の相変わらずのおとぼけぶりに救われて、何とか読み終えることができました。 なんだか悲しかったな。 安心安全の伊坂幸太郎作品なのでものすごく酷い結末になることはないだろうと予測していたのですが、それでもやはり報われない気がして辛かった。 山野辺夫妻の、特に奥さんの気持ちを思うと辛くて悲しくてやり切れない。 でも元気に生きていてくれたことが救いなのかな。 強いな。 この気持ちはしばらく引きずってしまいそうです。 頑張れー。
|