今日の2本目、『ディア・ドクター』 を観ました。 公開2日目だから多少の混雑は予想していたのですが、予想以上でした。 1時間以上前にチケットを買いに行ったのに、その時すでに30番目。 結局私が観た回は、立ち見 (と言っても床に座る) が出るほどの盛況ぶりでした。 確かにいろんな情報番組で取り上げられていたし、西川美和監督は広島出身だしなぁ (私が通っていた短大の中高に通ってらしたそうなので、すれ違っているかも)。 あ、まだ公開2日目。 ネタばれに注意!
これは予想通りの内容でした。 NHK の 『トップランナー』 に西川監督が出演された時、予告編でも伏せられていた伊野の秘密がばらされていましたしね、あ、それはわざわざばらさなくても想像できたことですけど。 全体的に、まぁ予想通り。 でも、2時間超の上映時間を感じさせない内容でした。 最後のシーンで、すとんと胸のつかえがおりる感じだったのですが、欲を言えば伊野が偽医者 (医師免許を持っていない) とわかった後の、村人たちの本音が知りたかった。 全部警察の取り調べへの回答みたいで、本音が聞けなかった気がするんです。 「だまされたとわかって悔しい」 と思っているのか、「いや、それでもあの先生は良い人だった」 と思っているのか、それが私は知りたかった。 知りたかったというより、後者だと思いたかったのかもしれません。 笑福亭鶴瓶さんのキャスティングも見事でしたが、それよりやっぱり光っていたのは余貴美子さんでしょう。 この人は本当にすごいですね。 この方がいらっしゃるだけで、場面がピシッと締まりもするし、和やかになりもする。 この存在感の大きさは、本当にすごいとしか言いようがありません。 余さんがいらっしゃるだけで、「よし、大丈夫だ」 ってなんだか安心してしまうんですよね。 本当にすごい、大好きです、私。 余さん演じる看護士は途中から、いやもしかしたら最初から伊野が本当はお医者さんではないことに気づいていたのかもしれない。 でも一緒に嘘をつき通した。 きっと伊野の姿に何か感じるものがあったのでしょう。 そういうところを思い出すと、ちょっと泣けてきます。 日本アカデミーショーの助演女優賞は彼女で決まりでしょう! 八千草薫さんも可愛かったですね。 あの方も、警察の取り調べでの建前の考えではなく、本心を知りたかった。 でもそれは、あのラストシーンで 「推して知るべし」 なのでしょう。 …あれ? 日記を書いていたら、映画館では出なかった涙が出てきた。 おかしいなぁ。
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