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複素自己回帰モデルに基づく輪郭形状間の距離

前節では、形の相似変換や輪郭点列の追跡始点位置に対して不変な特徴量として、輪 郭点列に複素自己回帰モデルを当てはめたときの係数(複素自己回帰係数)および複 素偏自己相関(複素PARCOR)係数を提案した。また、これらの特徴量に対する線形判 別分析法とベイズの識別方式とを用いて形を識別する方法を示した。

ここでは、複素自己回帰モデルに基づき相似不変性等の形状認識・分類等にとって好 ましい性質を持つ輪郭形状間の距離尺度をいくつか提案する。また、距離尺度と輪郭 点列の確率分布やスペクトルとの関係についても考察する。さらに、実験によりそれ らの距離尺度の性質や有効性について検討する。

以下では、まず、複素自己回帰係数の最尤推定、複素自己回帰モデルのz変換および 輪郭点列のスペクトル包絡との関係について考察する。次に、複素自己回帰モデルに 基づいて、輪郭形状間の相似不変な距離(複素自己回帰係数や複素 PARCOR係数のユー クリッド距離、対数尤度比距離、複素パワーケプストラム距離、複素パワーメルケプ ストラム距離)の構成法を提案し、輪郭点列の確率分布やスペクトルとの関係につい て考察する。最後に提案した距離の性質や有効性について実験的に考察する。



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Takio Kurita 平成14年7月3日